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(回答先: 第6回 SBI登場で露呈した、ホリエモンの負け戦も「想定内」 (2005/03/30) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 08:06:52)
第7回 フジのお家騒動から浮かび上がる「因縁の構図」 (2005/03/30)
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050330_kozu/
2005年3月30日
80年代にあった朝日新聞の有名なお家騒動について考える。これは、買占め乗っ取りではなく、最大の株主であった社主の村山家が、村山家のいうこと(編集方針、営業方針など)を聞こうとしない幹部社員のクビのすげかえをはかったところからはじまった。朝日の場合、株は公開されておらず、社員と、社員 OB、それに、村山家と同じように歴史的因縁があって株主になっている若干の外部株主にかぎられていた。村山家は、圧倒的な筆頭株主だったが、社員の側は、社員もOB社員も結束した(一部村山家側についた)上で、第二の社外大株主である上野家を味方につけてなんとか抵抗したが、集めた株数が多数を制するのにスレスレで(50%をこえることコンマ以下だった)、ほんのちょっとした株券の異動で逆転するため、お家騒動は長期にわたって続いた。このようなことがあったため、朝日新聞はその後内規によって、外部株主のパワーが増大しないよう厳重な縛りをかけて今日にいたっている。
大株主支配を巡る朝日と産経の社説攻撃合戦
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今回のニッポン放送問題で、朝日新聞と産経新聞の間に互いに相手を社説・論説で攻撃しあうという場外乱闘があったことを知る人は少ないだろう(両紙の社説を読み比べる立場にある人はあまりいない)。
朝日新聞が社説で、今回の問題の根本には、小さなニッポン放送が、大きなフジテレビを大株主として支配するというねじれた構図になっているということがあり、そういう構図のまま株式市場に上場していたことが、そもそもの誤りだと主張した。
乗っ取り買収を一番怖れなければならない報道機関のような企業は、言論の独立性を守るために、株を外部資本に買占められたりしないよう(朝日新聞がそうしているように)、市場に株を公開しないという道を選ぶべきだと主張した。それに対して、産経新聞の側は、報道機関が外部からの攻撃で苦境におちいっているようなときは、報道機関同士互いに助け合って、共同して外部の攻撃から身を守るべく行動すべきである(産経新聞は、朝日のお家騒動のときに、社説などで村山家の行動を批判して、社員の側を支援した)。今回も、あのときと同じように、報道機関が協力しあって外敵に当たるべき時だ。そういうときに、悪いのはお前だとでもいわんばかりの主張をする朝日はまちがっていると噛み付いた。
next: 編集権の独立を保ったまま経営危機を乗り切ったル・モンド紙
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050330_kozu/index1.html
編集権の独立を保ったまま経営危機を乗り切ったル・モンド紙
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日本でこの問題が起きているのとちょうど同じときに、フランスでは、有名なル・モンド紙がやはり経営危機におちいり、外部資本の導入がどうしても必要なところまで追い込まれるという問題が起きていた。それまで、ル・モンドでは、株は社員株主会だけが持ち、外部資本を一切入れないことで編集権の独立を守ってきた。
ではどうすれば、編集権の独立を保ったまま経営危機を乗り切ることができるのか(資金不足は明らかだった)の議論が、フランスの言論界では延々続いたが、このころになってようやく、有名大手出版社など幾つかの会社が、「金は出すが口は出さない」メセナ的な資本家に止まることを条件にル・モンド株主になることが社員から認められ、ようやく経営危機を脱することができたという記事が、日本でも報じられた。
世界のどこでも、メディア世界の環境変化にもとづく経営危機と、編集権の独立を保ったまま危機を脱するためにはどうすればいいのかという問題が、議論の的になっているところなのである。
それぞれの国、それぞれのメディアで、危機の形もちがえば、とりうる方策の選択肢もちがうから、ル・モンドの例が日本のメディアの参考になるかといえばあまりならないだろう――金は出すが口は出さないという奇特な資本家が日本にそういるとは思えないし、そういう資本家が出た場合の法的保護策(税制上の優遇など)もないから、日本ではそういう奇特な志を持つ人がいても、バカバカしいほどの税金をとられるから、結局二の足をふんでしまう。
ただ、ル・モンドが参考になるのは、志がちがう人が、ただ金があるからという理由で言論機関に乗っ取りをかけてくる時、それに対して身を守ろうと思うなら、はじめから社員株主会が独占的に株を持つ制度にしてしまうのがいちばんということだ。
日本の場合は毎日新聞がそういう制度になっている。朝日も早くからそうなっていれば、あれほど見苦しいお家騒動は起きなかったろうし、フジ産経グループにしても、今回のような騒ぎが起こることはなかったわけだ。
フジ産経グループでも、小さなニッポン放送がグループ全体を支配できるという構図に問題があることは前から承知していた。だからこそ、そのねじれを解消すべく、フジがニッポン放送に対してTOBをかけ、ニッポン放送をフジの子会社にしてしまおうと計っていたのだ。
だがこのねじれた現象には、深い歴史的因縁があり、そう簡単には解消できなかったという事情もまたある。
next: グループ全体を支配する二重権力構造
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050330_kozu/index2.html
グループ全体を支配する二重権力構造
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その事情というのは、もともと、フジ産経グループの歴史はお家騒動の歴史というか、グループ内覇権の争奪戦を繰り返してきたということだ。創業者はかつて財界四天王といわれた水野成夫氏だが、そのあと覇権を確立したのは、鹿内家(信隆→春雄→宏明)だった。鹿内家がその覇権を確固たるものにするために知恵をしぼって案出したのが、小さなニッポン放送をグループの中核に置き、これにグループ各社の株を持たせて、一種の持株会社にする。鹿内家はそのニッポン放送の支配的株主となることでグループ全体を支配するという二重権力構造方式だった。
しかし、鹿内家で不幸が相次ぎ、信隆→春雄→宏明と代が変わる間に、この構造あるがために、ニッポン放送の株が遺産相続の形で鹿内ファミリーの中で受け継がれ、それが即フジ産経グループ全体の最高権力者交代になるという図式を何度も見せつけられるうちに、グループ社員のうちに、「フジ産経グループは鹿内家の私有財産か?」「フジ産経グループの支配者がいつまでも鹿内王朝の世襲制度によって決められていいのか?」という不満の声が高まっていった。
かつては、それなりにカリスマ性があった信隆氏が上にいたので、そういう声が出てもそれを簡単におさえつけることができたし、次の代の春雄氏も、父の威光の余韻の中で、それなりの指導性を発揮できた。
鹿内家追放のクーデタを指揮した日枝会長
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しかし、春雄氏が急死したあと、何の心の準備もなく指導的立場(フジ産経グループ議長)についた宏明氏には、それにふさわしい指導性がなかった。それなのに地位の高さだけを背景にやたら威張るので、正嫡性がない(信隆氏の娘婿だった)こともあって、社員にはバカにされ、一挙に人望を失っていった。そしてついに社員のクーデタによってグループ外に追われるという事件が1992年に起きた。
その後、鹿内家側とクーデタを起こした社員グループ側(そのリーダーがいま話題の日枝フジテレビ会長)が、ニッポン放送の支配権をめぐって争い続けた。時の権力を握っていた社員グループ側(日枝会長側)は、その争いのもとを断つために、ニッポン放送株を上場して、大幅増資を敢行して、鹿内家の持株の支配力を奪った。こういう流れの延長上に今回の事件は起きたのである。
そして、こういう流れを頭においた上で、今回のソフトバンク・インベストメント(SBI)の登場をながめると、実は意外なもう一つの構図が見えてくる。それは、SBIの北尾吉孝・最高経営責任者(CEO)が、クーデタで追われた鹿内宏明氏の長男、鹿内隆一郎氏と以前から非常に親しい関係にあるという事実だ。
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