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裁判員制度:28日に候補者通知発送 参加意識が課題
来年5月21日の裁判員制度スタートまであと半年。最高裁は28日、来年の裁判員候補者29万5027人に通知を一斉発送し、市民の司法参加を実現する新制度が事実上動き出す。しかし、国民の参加意識が高まっているとは言えない。最高裁はPRの一方で、辞退を柔軟に認める方針を示し、国民の不安解消に躍起になっている。【北村和巳】
■根強い負担感
「裁判員制度、始まるみたい」。最高裁は今月10日から初のテレビCMを流し始めた。制度が始まる現実感を持ってもらうのが狙いだ。
日本司法支援センター(法テラス)にも、制度に関する問い合わせが急増している。4〜9月は月平均80件だったが、10月は132件、11月は22日までで758件。辞退理由に関するものが最も多く、企業の人事担当者が、社員が候補者に選ばれた際の社内報告や休暇について尋ねる例も目立ってきた。
しかし、最高裁が4月に公表した国民の意識調査では、制度への抵抗感は大きい。「選ばれれば参加する」と回答したのは6割だが、うち4分の3は「あまり参加したくない」と消極派だった。この傾向は現在も変わっていないとみられる。
裁判員の負担に対する不満も根強い。各地の模擬裁判では参加者から「残業や休日出勤で仕事を片づけ参加した」(兵庫)、「仕事を休んだのに裁判員に選ばれない。選任手続きに数十人も呼ぶ必要があるのか」(鳥取)などの声が上がった。
こうした声を受け最高裁は、参加困難な時期や辞退を柔軟に認める意向だ。
■地域事情も考慮
候補者通知が届くのは有権者の352人に1人。各地裁は事件ごとに、名簿の中から50〜100人を抽選して呼び出し状を送付。初公判当日に出向いた人の中から6人の裁判員を選ぶことになる。
候補者通知には調査票が同封され、(1)70歳以上や学生、重病などで辞退を希望するか(2)仕事や行事などで裁判員になるのが難しい月(2カ月まで)−−を尋ねる。候補者の事情を把握し、裁判所への無理な呼び出しを避けるためだ。
また、辞退許可の判断に役立てようと、各地の地裁は地域特有の産業や行事、交通事情の調査を進める。
高松地裁はうどん店の実態、大阪地裁堺支部は岸和田市のだんじり祭りの影響を調べた。東京地裁の裁判官は伊豆大島や八丈島を訪問し、島民の要望を聞いた。全国の裁判官が訪問した企業や団体は約1万。管轄エリアが全国で最も広い釧路地裁は、午後からの選任手続きを検討している。
ただ、景気後退で中小企業の経営に影響が出始めるなど国民生活は変化し、裁判所は、公平な裁判員選任と辞退許可の兼ね合いに悩む。25日に就任した竹崎博允(ひろのぶ)最高裁長官は「裁判員が参加しやすい状況を整えるため、候補者の都合を柔軟に判断し負担を軽減する」と話した。
四宮啓・早稲田大法科大学院教授は「自分の問題にならなければ意識が高まらないのはある程度仕方ない。模擬裁判に裁判員役で参加した人に、経験や感想を積極的に語ってもらうのが効果的ではないか」と話す。
■裁判員を辞退できる場合は?■
<法律で裁判員になれない>
国会議員▽裁判官▽検察官▽弁護士▽警察官▽法律学の教授▽知事と市区町村長▽自衛官−−など
▽禁固以上の刑に処せられた人
▽被告や被害者の親族
<1年を通じて辞退できる>
▽70歳以上▽学生▽過去5年以内に検察審査員を務めた▽重い病気やけが
<一定期間、辞退できる>
▽会期中の地方議員▽妊娠中や出産後8週間以内▽重い病気やけが、出産の親族の付き添い▽同居親族の介護や育児▽父母の葬式▽親族の結婚式
<辞退が認められる可能性あり>
▽積雪により移動が困難
▽株主総会時の経営者
▽卒業・入学式シーズンの美容師
▽水産業の種付け、農家の収穫
▽代わる人がいない海外出張や接待
▽インフルエンザ流行時の医師
▽仕込み時期の杜氏(とうじ)
▽アルバイトで対応できない専門職
▽受験期に入試指導に当たる教師
▽子供が受験直前の主婦
▽人を裁くことが心のバランスを崩す
毎日新聞 2008年11月27日 23時06分
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