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2008年11月14日 第19号 ニューヨークと東京
2001年9月11日朝、私はニューヨークの公園に居て、オレンジ色の炎を吐きだす貿易センタービルを見ていた。旅客機が突っ込んだとは知る由もない。1時間後、テレビニュースでことの次第を知る。新聞を買うと、「航空機をハイジャックしたテロリスト」の顔写真が並んでいた。そして、その夜、あの燃えるビルを見た同じ公園に行くと、無数のロウソクが灯され、路面や壁面のあちこちにピース・マークが描かれていた。
9・11事件が、「テロとの戦い」と称するブッシュの戦争の引き金になったことを、今では、だれも知っている。実は、現地の新聞で、アラブ名の「テロリストたち」の顔写真を見たとき、いやな予感がした。事件発生以前に、アメリカの情報・捜査当局は、彼らの顔を割り出し、その動きをマークしていた。彼らは、なぜ事件を未然に防ぐことができなかったのか。防ごうとしなかったのか。あのとき抱いた疑問は、未だ解けない。
まともなニューヨークの市民たちは、反射的に「これは危ない」と感じたのだろう。人々は、その夜、自発的に街の公園に集まり、死者を悼む集会で反戦のスローガンを掲げた。「これを理由に戦争するな」("War Is No Answer”)「イスラーム教徒は敵ではない」と書いた横断幕が張りめぐらされた。残念ながら、この人々の悪い予感どおり、間もなくアメリカは戦争ヒステリーに覆いつくされ、10月にはアメリカ軍のアフガン攻撃が始まる。小泉内閣は、いち早くアメリカの「テロとの戦い」支持を宣言した。その2年後のイラク戦争とあわせて、現地では、数十万の人々が殺され、社会はメチャメチャに破壊された。
この戦争に、日本は、海上自衛隊の給油艦を送って積極的に協力した。イラクには地上部隊。その撤退後も航空自衛隊は、武装米兵を空輸し、人々の殺傷と破壊を支援した。名古屋高裁が、航空自衛隊の活動は戦闘行為と不可分で、憲法にも「テロ特措法」にも違反すると判決すると、空自の田母神俊雄幕僚長は「そんなの関係ねえ」と暴言を吐いた。日本のアジア諸国に対する植民地支配と侵略戦争を詫びた「村山談話」(1995年)を真っ向から否定し、ついに退職させられたその人である。
さて、私たちが座り込みを続けている国会では、13日午前、参議院外交防衛委員会が開かれ、こんな人物を制服のトップに据えた政府の責任が追及された。麻生首相は、田母神氏の懸賞論文と一連の発言が「極めて不適切」だと認めた。だが、田母神氏は、統合幕僚学校長当時の04年、空自の隊内誌に「我が国は専守防衛を旨としているが、自衛隊の中にも相手国への攻撃について徹底的に考える人たちが必要だ」などと書いている。その内容を、防衛庁は把握していなかったという(11月13日、読売)。信じられない話だが、少なくとも、名古屋高裁判決に対する暴言をきっかけに、厳しく処分すべきだったろう。野党はそれを迫るべきだった。
このような軍人、それを黙認する政治家たちによって「テロとの戦い」という殺戮と破壊への協力、それを具体化する「給油法」延長がゴリ押しされようとしている。でも、私たちは、この残酷で不正な戦争をやめさせる運動のなかで、世界の人々とつながっていることを実感する。そのなかには、9・11の夜、現場近くの公園に集まった、あのニューヨーク市民も居る。 (文責:奈良本英佑)
「インド洋給油法」11/20衆院再議決濃厚 「国会前座り込み」は更に延長 11/20(木)まで
民主党は反対なら反対らしく最後まで堂々と斗え!
防衛省は田母神を懲戒免職にしろ!田母神は6000万円を返納しろ!
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