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(回答先: 海賊対策に海自艦派遣 現行法では活動に制約(東京新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 26 日 20:13:02)
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/index.asp?syasetsuNo=1612
社説
海賊被害対策 何でも自衛隊でいいのか
海賊が横行する東アフリカのソマリア沖に海上自衛隊の艦船を派遣し、日本の商船などを警護させる案が浮上している。民主党の提起に麻生太郎首相が飛びついた格好だ。
インド洋での海自の補給活動継続を可能にする新テロ対策特別措置法改正案の審議も尽くさぬまま、新たな海外任務の検討を始めるなど、場当たり的で無責任な対応と言わざるを得ない。
ソマリア沖で日本の用船などが海賊に襲撃される事件は今年に入って激増しており、業界からは対策を求める声が上がっている。政府としてしかるべき手を打つのは当然のことだ。
しかし、なぜ海自なのかが分からない。日本近海で不審船の取り締まりに当たるのは海上保安庁である。不穏な動きをする船舶を発見し、取り締まるノウハウも蓄積している。対海賊にも十分通用するだろう。
政府は当初、海賊対策は海保で、と考えていたようだ。公海上で活動できるよう国内法を整備する方向性も示していた。海自派遣に変わったのは、別の思惑があるためとしか思えない。
「国際貢献」である。インド洋での補給活動は、米国などから一定の評価は受けているものの、「まだ足りない」とせっつかれてもいる。アフガン本土への自衛隊派遣や財政的支援などを求める声がそれである。
日本はソマリア沖での海賊制圧行動を強化する国連決議の共同提案国になっている。そのメンツも保ちたいという狙いも透けて見える。
アフガン情勢は政府とタリバンが和解の動きを見せるなど複雑化している。インド洋での補給活動も現地の状況に対応して再検討すべきだろう。さしたる議論もなく新テロ特措法が成立しようとしているのは理解できない。
海自の艦船が海賊の取り締まりに有効かどうかも不明確だ。麻生首相は「日本の船だけ助けて、外国の船を見捨てるというのは通らない」と述べ、新法制定の必要性に言及している。
民主党は国会論議の中で「自衛隊艦艇によるエスコートは効果がある。武力目的の派遣ではない」と主張した。武力行使が目的ではなくても、結果としてテロ勢力などと交戦することはあり得る。あいまいな形での派遣は海自にとっても不幸である。
憲法の制約や武器使用基準に目をつぶって事が運ばれてはならない。海賊対策に最も効果のある手段は何か。まずこの点をきちんと詰めるべきだ。
「国際貢献」の呪文(じゅもん)をとなえれば何でもありでは思考停止である。アフガン支援と海賊対策を一緒くたにして論議するのも乱暴だ。問題点を一つ一つ洗い出して、論議を深めることを求めたい。政局だけの国会では困る。
[新潟日報10月26日(日)]
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