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2008年10月20日
議論も抑止もなく壮大な戦争協力が進められて行くこの国の現実
小泉改革の名で進められた弱者切捨ての経済政策は、格差社会の顕在化や医療、年金、保険負担の問題となって国民の目に明らかにされつつある。
しかし小泉元首相のもう一つの大きな罪は、米軍再編に協力する事を、国民に説明することなく、ましてや国民の了解などないままに、ブッシュ政権に約束したことだ。
そしてそれは、金融危機となって国民生活を襲う事も無く、国民の知らないところで国民生活を圧迫することになる。
その圧迫は、単に在日米軍基地の住民の生活を脅かすという圧迫だけではない。
財政赤字に苦しみ、それゆえにあらゆる福祉予算の削減や増税が迫られる中で、米国への巨額な軍事協力予算だけは当然のように増え続ける形で、すべての日本国民の生活を圧迫していくのだ。
10月19日の東京新聞は、「防衛省が来年度からグアムやハワイに職員を常駐させる事を決めた。更に防衛省内にはグアム移転事業室を新設することにした。」というスクープを一面トップで掲載した。
そのスクープ記事によって、あらためて我々の知らないところで米軍再編への協力が本格化しつつある事を警告しているのだ。
在日米軍問題を追い続ける半田滋編集委員の渾身のレポートである。
おそらくこの記者の存在なくしては、もはや誰も本気で対米軍事協力の不正を追及する者はいないに違いない。
政治家もジャーナリストも、有識者も、護憲論者さえも、誰も米軍再編に対するわが国の協力の誤りを危機感を持って本気で訴える者はいない。
おそらく半田委員もそれを糾弾しているのではないか。
グアム移転の何が問題か。
それは、「在沖縄海兵隊が削減される」という目くらましの影で、その実は日本の防衛には無関係な米国再編に協力させられることにある。その一環としての在沖縄海兵隊のグアム移転に協力させられる事にある。
それは、この協力が、沖縄普天間基地の移転という日本の当然の要求を逆手にとられ、米軍再編への協力とパッケージで飲まされた不合理な協力であるところにある。グアム移転に協力しなければ、普天間基地の移転を白紙にもどすと恫喝され続け、それを受け入れさせられたのだ。
しかも普天間基地の移転の要求に米国は応じていない。代替飛行場を名護市に作らされるという日本側の譲歩に終わり、その建設さえも住民の反対を押し切って米国の都合のいい形でより強力な飛行場が建設されようとしている。
極めつけはその膨大な経済負担とその根拠の不透明さである。
米国の要求額は曖昧である。どんどんと膨れ上がっていく。一兆円が三兆円となり、日本側の負担も、積算根拠が曖昧なままに一兆円近くに跳ね上がる見通しである。
そして、ここが最も深刻なところであるが、このような重大な約束が、条約や協定という形で国会審議される事なく、米軍再編最終報告という文書で負担させられているという、政府・官僚の違憲行為であるという事である。
米軍再編への協力問題については、これまでも、これからも、自公政権が続こうが政権交代が起きようが、すべて既定路線として進められていくに違いない。
そこにこの問題の深刻性がある。
それを半田記者はこのスクープで訴えているのだ。
半田記者に続く者が出てこなくてはいけない。
このまま米軍再編への協力が進んでいく事に、私は堪えきれない思いを抱くのである。
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