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総合経済対策:与党との対立必至(毎日新聞)
政府は11日決めた総合経済対策の骨格で「真に必要な対策に財源を集中し旧来型対策と一線を画する」と財政再建との両立を図る方針を示した。しかし、月末にまとめる具体策の中身や規模をめぐっては、衆院解散・総選挙をにらむ与党が「定額減税も含め1兆円規模の対策が必要」(公明党)と歳出圧力を一段と強めており、政府との攻防が激化するのは必至。一方、対策が、原油や食糧などの物価高騰や、悪化する景気のテコ入れにどこまで効果を上げられるかが課題だ。
◇高まる歳出圧力をけん制
「政府としては財政健全化目標を堅持しながら、経済対策をやっていくので、対策の規模には一定の節度がある」−−。与謝野馨経済財政担当相は月末に向けた総合経済対策の具体策作りについて強調し、与党内で高まる歳出圧力をけん制した。
しかし、景気後退入りが確実になったことで、与党内では「財政再建よりも景気対策を優先すべきだ」とする財政出動派の声が日増しに高まっている。自民党の麻生太郎幹事長は「景気後退期には国が財政出動で経済を支えるしかない」と公言。政府に対して、国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を11年度に黒字化する目標の先送りさえ迫っている。
また、公明党の太田昭宏代表も11日の政府・与党会議の出席後「生活を防衛し、中小企業をしっかりバックアップする」と述べ、低所得者にも配慮した定額減税の実現を強く求める考えを示し、財政出動派として麻生氏と足並みをそろえた。年内の衆院解散・総選挙もにらむ与党内では「秋の補正予算が選挙対策の勝負」と考え、「財政再建を気にする必要はない。むしろバラマキの方が効果がある」(幹部)との声さえ渦巻く。
一方、構造改革による経済成長を重視する「上げ潮派」の中川秀直元自民党幹事長は「『バラマキの旗』で選挙を戦えるだろうか。『改革の旗』でなければ国民に受け入れられない」と財政出動派の動きに猛反発し、党内の利害は錯綜(さくそう)している。
財政規律を守りたい政府と景気対策優先の与党の激しい綱引きに、11日の政府・与党会議に出席した自民党幹部の一人は「景気は大事だが、歳出拡大が行き過ぎれば『小泉改革の後退』とたたかれるしなあ……」と対応の難しさを嘆いた。
福田康夫首相は「無駄な支出をできるだけ省きながら、どれだけ対応できるか。具体策を詰めたい」と語ったが、首相が目指す財政規律と景気テコ入れの両立は険しそうだ。【中田卓二、犬飼直幸】
◇逆効果、懸念の声も
政府が策定作業を本格化させた総合経済対策に対し、市場関係者の間では「景気悪化は米経済低迷や原油高など外部ショックが主因。財政政策で景気浮揚がどこまで図れるかは疑問」と冷めた見方も多い。与党の歳出圧力拡大で、むしろ景気刺激効果が薄いのに規模だけが膨らむことへの懸念も強く、「赤字国債の発行などで財政規律喪失につながれば、長期金利上昇など逆に景気を下押ししかねない」との声もある。
与謝野馨経財相は、経済対策の進め方について「段階を踏んで実行していく」と説明。当面は漁業や農業事業者への燃料費補てん、中小企業の資金繰り支援などを08年度予算の前倒しや予備費の使用で行っていく考えを示した。
ただ、経済対策が予備費(約3500億円)の範囲内にとどまれば、「国内総生産(GDP)の実質成長率の押し上げ効果は0.1%程度にとどまる」(野村証券金融経済研究所・木内登英氏)だけに、政府が秋以降、補正予算編成も含めた本格的な対策を迫られるのは必至だ。
ただ、検討中の対策の中で、原油高の悪影響を抑えられる即効薬として期待できるのは「高速道路料金の引き下げ」くらい。省エネ長寿命住宅の振興などは、中長期的に日本経済を原油高に強い体質にする意味はあっても、即効性は見込めない。一方、公明党が主張する大規模な定額減税などを盛り込んで兆円規模の大型対策を打てば、足元の景気刺激効果が高まる可能性もあるが、赤字国債の発行などで財政を一段と悪化させるジレンマがある。【清水憲司】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080812k0000m020103000c.html
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