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21日閉会した169通常国会。朝日新聞の星浩編集委員が論戦を振り返って次のように「三賞」を選定している。
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電子版に記事がないようなのでG-Seach検索から貼り付ける。
<政態拝見>国会「三賞」 知恵と粘りで面白くなる 星浩(朝日新聞)
2008.06.17 東京朝刊 4頁 政治 写図有 (全1,293字)
1月から始まった通常国会は、参院で福田首相の問責決議を、衆院で福田内閣の信任決議を、それぞれ可決して、事実上閉幕した。良質な国会論戦を独断で決める「三賞」を昨年から始めたが、この国会の該当者を発表したい。
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まず殊勲賞。論戦の幕開けとなった衆院予算委員会で、民主党のチームが道路問題を中心に福田首相らを追及。党代表経験者の岡田克也、前原誠司両氏がリーダー役を務め、中堅議員が活躍した。
馬淵澄夫氏は、道路建設の中期計画が古いデータに基づいて作成されていることを指摘。新しい推計値で再計算すると、収益が4割も減るケースがある事実を突きつけた。細野豪志氏は、国土交通省所管の外郭団体が1億円で請け負った「海外の道路情報」についての報告書がインターネット上の百科事典「ウィキペディア」の丸写しだったことを暴露。国交省は道路関係の公益法人の大幅見直しを迫られた。
これに連動するように、社民党の保坂展人氏は、道路事業の宣伝用のミュージカルに5億円もの特定財源がつぎ込まれていたことを明らかにした。いずれも独自調査で事実を発掘したもので、論争の質を高めた。
敢闘賞は、後期高齢者医療制度の問題点を粘り強く訴えてきた共産党を代表して小池晃政策委員長に贈りたい。小池氏は、この制度を導入するための関連法案が提出された06年の国会で「姥(うば)捨て山になるという批判が出るのは当然だ」と指摘。共産党は、その後も「差別医療につながる」とキャンペーンを展開した。いまとなっては自民党内にもこの制度への反対論があるが、小池氏らの地道な取り組みは評価に値する。
技能賞には、自民党参院議員会長の尾辻秀久元厚労相をあげたい。国会冒頭の代表質問で、尾辻氏は社会保障に多くの時間を割いた。
「年金記録問題で政府は言葉を並べすぎた。名寄せ、突合(とつごう)、統合、照合など。都合の良い定義をして名寄せはできるが、統合はできないと言っても理解されるはずはない」「負担は大きくとも、弱者に優しい国にしたいと願う」と持論を述べた。
尾辻氏は、胸腺がんのため58歳で死去した民主党の山本孝史参院議員の追悼演説に立った。抗がん剤による副作用に耐えながら、がん対策基本法の成立に尽力した山本氏を「命を削って立法者の責任を果たした」「参院の誇りだ」とたたえた。
尾辻氏は、当日の天気を見て、演説にこんな言葉を加えた。「山本先生、今日は外は雪です。ずいぶんやせておられましたから、寒くありませんか?」。情のこもった国会演説を、久しぶりに聞いた。
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このほか、公明党の富田茂之氏が衆院予算委で同党出身の冬柴国交相に苦言を呈した光景が記憶に残る。富田氏は、道路予算に絡む国交省の無駄づかいを取り上げて「我が党の支持者、国民のみなさんが期待しているのは、そういうところ(無駄)に切り込んでもらいたいということだ。役人は隠そうとするが、そこに切り込むのが、政治家冬柴鉄三の役目だ」とただした。
衆参「ねじれ」の国会で懸案が解決しないと嘆く前に、知恵と粘りを示せば国会はもっと面白くなる。政治家の一層の奮起に期待したい。
(編集委員 column@asahi.com)
<イラスト・郭溢>
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