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2008年06月09日
国会審議が面白くない理由
参議院決算委員会の模様をNHKが放映していた。
月曜日の昼間から、どれだけの国民がそんな国会中継を見ているというのか。
見ている者は、国会答弁を書いて大臣を振付ける官僚と、政治記者ぐらいだ。
あるいは、テレビのCMではないが、「金は無いが時間はいくらでもある」、私のような退職者ぐらいだ。
それにしても、まったくつまらない決算委員会だった。
全閣僚が揃った終盤国会の決算委員会である。問題が山積している国会である。総理の問責決議案が出されようとしている時である。
それなのに、この緊張のなさは一体何なんだろう。
政治評論家やメディアは、「政治家は政局にうつつを抜かすことなく国会で審議をしろ」と言う。
しかし、この言葉ほど空疎なものはない。今の国会でまともな審議が期待できるというのか。
それを知っていながら、まじめな顔をして、国会審議をせよと言っているのだ。
もし、本気でそう言っているとしたら、それは何も分かっていない愚か者である。
なぜ国会審議はこれほど不毛なのか。
一つには与党議員の八百長質問に時間が浪費されることがある。
当然だろう。与党議員が福田政権を責めてどうする。
私が下っ端官僚として国会に詰めていた時は、与党議員の質問の時は、格好の息抜き時間であった。聞かなくてもよかった。大臣は馴れ合いで答えるのだ。
だから国会審議とは野党の質問の時だけが本当の審議の時間である。
ところがこの野党議員の質問が、最近はまったく迫力がない。
一つにはあらかじめ質問事項が通報されていて、聞く方も答えるほうも、シナリオ通りに終わるからだ。
確かに野党議員は政府に厳しい質問をして声を荒げたりする。
野党の立場に立つ国民は、それを聞いて溜飲を下げる。
しかし、それだけである。
総理も閣僚も、のれんに腕押しだ。
怒ってみせたり、平身低頭して見せたり、あるいは、「それは見解の違いだ」などと一蹴する総理もいたが、要するに、意味が無いのだ。
政府や官僚が困る質問は、新しい事実を引き出す質問か、政府から新たな約束を引き出す質問である。
これが出来てはじめて意味があるのだ。
私の経験から言っても、この質問ができる野党議員こそ要注意であった。警戒した。
しかし、これが出来るのは、勉強している政治家か、周到な戦略を立てられる政治家である。国民のために一つでも具体的な成果を得ようとする本物の政治家だ。
そのような政治家は今では驚くほど少なくなった。
自分が目立てばいいという政治家ばかりだ。
自分の説を長々と披露し、悦に入っている政治家ばかりだ。
国会が面白いはずがない。
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