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国家公務員制度改革法案のまやかし(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 6 月 08 日 01:13:26: twUjz/PjYItws
 

(回答先: 「それでも公務員改革法の成立は一歩前進だ」、という声について答える(天木直人のブログ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 6 月 08 日 01:11:22)

http://www.amakiblog.com/archives/2008/06/06/#000910

2008年06月06日
  国家公務員制度改革法案のまやかし

 

  国家公務員制度改革法案が自民、公明、民主3党の合意で6日の参院本会議で可決するらしい。

  5日の参院内閣委員会で全会一致で可決された後に、渡辺善美行革担当大臣と自民党の有村治子委員が笑顔でハイタッチしている写真を6日の毎日新聞が掲載していた。

 もっともこの合意は、5月27日の自公民3党協議で、自公が民主党の修正案を丸呑みしたことによって決着していた。あとはセレモニーに過ぎない。

 先送りされることがほぼ確実だと思われていた公務員改革が急展開してまとまった。その一点ばかりが強調され、歓迎されている。

 渡辺大臣がTVの前で、「国民の後押しがあったからこそ成立させることができた」などと涙を見せ、みのもんたが、「渡辺大臣はよくやった」などとほめていた。

  しかし、国民は本当にこの改革案なるものを知っているのか。

  官僚たちはほくそえんでいるに違いない。こんな中途半端な法案がいったん出来てしまえば、それでもう公務員改革は終わりだからだ。見せかけの瑣末な改革をいくら盛り込んでも、痛くも痒くもない。

  いまここで成立した公務員改革法なるものの詳細を論じる余裕は無い。しかし新聞に紹介されている要旨を一瞥するだけでも、国民が望んでいる本当の公務員改革などとは程遠いものであることがわかる。

  なぜこのような結末に終わってしまったのか。その裏交渉の一端を、6日の産経新聞が一面トップで報じていた。これは大スクープである。一言で言えば、自民と民主の談合だったのだ。

  今度の国会で公務員改革法を成立させなければならない理由が、自民、民主双方にあった。

  そもそも公務員制度改革に関する自民と民主の対立は大きなものではなかった。官僚組織を敵に回さない、という点では、自民と民主は共通しているのだ。

  だから自民は、官僚の声を代弁するような一部自民議員の反対はあったものの、民主案を呑めない訳ではなかった。

  それどころか、公務員改革法案を福田首相の政治決断で成立させた、という宣伝ができる。どんづまりの福田政権にとって今度の国会で成立させたほうが得策なのだ。

  一方の民主党も、自らの反対で公務員改革法案をつぶしたと世論の反発を買く危険をおかしたくない。
  それに、労働組合の支えられた民主党がもっともこだわる労使交渉権の拡大を、自民に飲ませることができた。

  官僚支配を変えるという本来の目的から大きく外れた、与野党政治家たちの「政治ゲーム」の産物であったのだ。

  産経新聞のスクープで一番面白かったのは、担当大臣である渡辺善美氏がまったく蚊帳の外に置かれていたという事だ。修正の多さに愕然としたという。それでも反対できなかった。涙の理由は悔し涙だったのではないのか、と思えるほどの存在の軽さだ。

  民主党のある議員が、本当の公務員改革は自分たちが政権をとってからやればいい、とうそぶいたという報道もあった。

  ここに正体が垣間見える。

  しかし、これは大きな誤りである。いったん法案が出来てしまえば、これでおしまいなのである。中途半端な法案は、法案をつくらなかったことより害が大きいのである。

  不思議なのは、この公務員改革法の成立をメディアが評価していることだ。

  田原総一郎は、6月13日号の週刊朝日「ギロン堂」で、この法案の成立は画期的だ、これまでマイナス面ばかりが目立った「ねじれ国会」のプラス面が作用した、などと手放しで絶賛している。

  田原が意図的にうぶな国民を情報操作する言説を流すのはわかる。

  しかし、私が比較的好意を持ってその言説を読んできた毎日新聞の与良正男論説委員までも、5日の「発信箱」の中で、「基本的に同じ方向を向いているのなら与野党審議を通じて、よりましな法案にしていくのがねじれ国会の役割だ」と歓迎している。

  国民はだまされてはいけない。

  審議を深めるとか、話し合いで合意点を探る、などという言葉は、反国民的な政策を、政治家たちが談合する事を意味するのである。

  見ているがいい。今の政治家たちにはこの国の官僚支配構造は変える事は出来ない。天下りはなくならず、税金の横領はなくならない。おまけにタクシー券をビールや現金に換えていたという醜聞がまた発覚した。

  とどまるところを知らないモラルハザードである。

 

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