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2008年06月07日
米国とイラクの安保協定締結の動きを注視せよ
日本ではほとんど報道されていないが、米国のイラク攻撃とその後のイラク占領は、真珠湾攻撃のやらせから始まった日米開戦と、その後の米国の対日占領をモデルにしているのである。
この事は識者の間ではもはや常識である。
たとえば、03年3月20日に始まったバクダッド総攻撃は、おびただしい砲弾の嵐だった。
その作戦が「恐怖と衝撃」作戦と名づけられたのは、日本に落とした原爆が、日本人の戦闘意欲を奪うほど強烈、衝撃的であった為に、日本はすぐに降伏し、占領に対する一切の抵抗をなくして従順になった、という米国の思い込みから由来する。
まさかイラクに原爆は使えない。そのかわりに同じような衝撃を与えてイラクの戦意を喪失させようとしたのだ。
だから米国は、その後反米感情を高め、ゲリラ戦で抵抗するイラクをみて、「こんなはずではなかった」、とうろたえたのだ。
さらにまた、ブッシュ大統領が小泉元首相を持ち上げるとき、馬鹿の一つ覚えのように繰り返すせりふがある。
「かつて敵対した両国の指導者が、今ではこのように良好な関係になれる。だからイラクもやがて民主化されて米国の同盟国となれる」、などというせりふである。
歴史観もなければ政治家としての卓見もない愚かな小泉元首相は、繰り返しブッシュ大統領の口から発せられるこの言葉の侮蔑的な意味をまるで分かっていないに違いない。
しかし、この言葉ほど日本を見下した言葉はない。
米国は、憎き日本がかくまで従順に降伏したことが嬉しくて仕方がないのだろう。
米国の数ある戦史の中で、おそらく日本を打ち破り占領したことは最大級の成功例と記録にとどめたに違いない。米国軍人の頭にそれがたたき込まれ、それをその後のあらゆる戦争に活用しようとしてきたに違いない。
だからこそあのブッシュ大統領の頭にもそれがあるのだ。それが口についてでてくるのだ。
その、単純で露骨な米国の軍事占領政策の正体が、見事に表れたのが、イラクとの間で強引に結ぼうとしている米・イラク安全保障協定である。
6日の日経新聞に米国がイラク政府との間で7月末までに安保協定を締結する方針であるという記事があった。
その記事はまた、イラク政権内部でさえも、米軍の駐留が長引き、主権が侵害されるとして反対の声が上がっていると報じていた。
さらにまた5日附の英国インデペンド紙は、ブッシュ政権がイラクに展開する50の軍事基地とイラクの制空権を米国の管理下に置き、米軍兵士や民間傭兵の免責特権を確保する米軍地位協定を、イラクに飲ませようとしている、と報道した。
話はそれるが、その交渉にあたっているのがサタフィールド米国務省顧問であるという。
懐かしい名前だ。私がレバノンの大使をしていた時の米国の大使であった人物だ。イスラエルの手先のような男であった。レバノンの国民から嫌われていた男であった。
話を元にもどす。
賢明な読者は私の言いたいことがおわかりであろう。
そうである。米国はイラク占領を、成功した日本占領を手本として進めようとしているのだ。
そのことは逆に言えば、戦後62年間続いてきた米国の対日政策が、米国のイラク占領の先例であったということだ。
つまり日米安保体制と言い、日米安保条約と言うものの正体は、米国が日本を守るなどと言うものでなく、米国の対アジア政策の基地として日本を永久占領することでしかなかったということだ。
あたかも占領後のイラクを、米国に敵対するアラブ諸国に軍事的圧力をかける永久拠点にしようとしているように。
しかしイラクと日本の違いは一つある。
どんなに主権を侵害されても、「日米同盟は永久不滅です」と言い続ける愚かな日本。
圧倒的な米国軍事力を前にして、そしてその米国の軍事力なくしては自らを守れないマリキ政権が、主権侵害を認めるわけにはいかないと、米国との安全保障協定締結に反対する、誇りを忘れないイラク。
この違いである。
我々は米国とイラクの安保協定締結をめぐる動きを注視し、おのれのふがいなさに思いをはせるべきである。
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