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(回答先: 【植草一秀の『知られざる真実』】「アサヒ芸能」名誉毀損損害賠償請求訴訟で勝訴 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 5 月 22 日 23:26:04)
http://www.news.janjan.jp/media/0805/0805227566/1.php
ひらのゆきこ2008/05/23
植草一秀さんは事実無根の記事を書かれ、名誉を毀損されたとして、出版社や新聞社等に対し、損害賠償等を求める民事訴訟を行っています。訴えられたのは、小学館、講談社、徳間書店、毎日新聞、朝日放送の5社です。このうち、小学館とは和解が成立し、残る4社のうち、徳間書店に対する裁判の判決言い渡しが、21日午後1時10分、東京地裁でありました。
東京都迷惑防止条例違反で逮捕され、有罪判決を受けた経済学者の植草一秀さんは、一貫して無実を訴え続けています。植草さんは、現在、上告審で闘っていますが、この刑事裁判とは別に、事実無根の記事を書かれ、名誉を毀損されたとして、出版社や新聞社等に対し、損害賠償等を求める民事訴訟を行っています。
訴えられたのは、小学館、講談社、徳間書店、毎日新聞、朝日放送の5社です。このうち、小学館(「痴漢で過去に7回の示談」の記事を載せた『女性セブン』を出している出版社)とは和解が成立し、小学官は植草さんに100万円の賠償金の支払いと、『女性セブン』に謝罪文を掲載することを命じられています。和解の形をとりながら、植草さんの主張がほぼ全面的に認められた、実質勝訴といえる内容でした。
徳間書店『アサヒ芸能』の記事に対する判決
残る4社のうち、徳間書店に対する裁判の判決言い渡しが、21日午後1時10分、東京地裁でありました。
筆者は裁判を傍聴するために東京地裁に行ったのですが、植草さんの裁判が行われる予定の712号法廷の開廷表に植草さんの予定が入っていませんでした。慌ててほかの法廷を捜して見ましたが、見つからず、ガッカリしていたところ、エレベーターの方に歩いて行く植草さんの弁護団の姿を目にしました。急遽、法廷が変更になったらしく、弁護団も裁判所に来てから法廷が変わったことを知ったということでした。
判決言渡しなので、すぐに終わったらしく、弁護団はやや興奮した面持ちでした。「判決はどうでしたか?」と尋ねると、植草さんの勝訴で、徳間書店は原告に対し、190万円の損害賠償を支払うように命じられたとのことでした。午後3時から司法記者クラブで記者会見があるということなので、詳しいお話はそのとき聞くことになりました。
記者会見
記者会見では、弁護団から一連の名誉毀損の裁判についての説明と、今回の判決についての報告がありました。
徳間書店に対する訴えは、同書店が発行している『アサヒ芸能』2004年4月29号、2006年10月12日号及び2006年12月21日号において、「現役女子高生が怒りの激白!」「植草教授にのぞかれて1万円で示談にされた」「野村総研時代に『ワイセツ余罪』モミ消した!」などの見出しで、事実無根の内容の記事を書かれ、名誉を毀損されたとして、2200万円の損害賠償を求めたものです。
判決は、植草さんの主張を全面的に認める内容であり、徳間書店は植草さんに対して170万円の損害賠償の支払いと、弁護団に20万円の損害賠償を支払うことを命じられました。
今回の判決のポイントについて、弁護団は次の4つの点をあげました。
1.上記記事の問題の部分すべてについて、原告の名誉を毀損し、且つ、虚偽の事実を摘示するものであるとした。
2.刑事事件の被疑者、または被告人であっても、その事件と異なる類似の事実を摘示して名誉を毀損した場合いには、不法行為が成立すると明確に認定した。
3.別件で有罪判決が言い渡された後も、社会的に認識されていない事実を摘示して名誉を毀損した場合は、不法行為が成立すると判断した。
4.メディアが提供された情報の裏付け調査等をほとんど行わないままに名誉毀損記事を掲載することは、慰謝料増額の要素となると判断した。
判決文を読むと、『アサヒ芸能』に載った記事について、裁判所はいずれも事実無根の虚偽の記載であるとの判断を下しています。32ページに及ぶ判決文は、説得力があり、植草さんがコメントで述べているように、妥当性のある内容であるとの感想を持ちました。
残念ながら筆者は徳間書店の裁判について傍聴したことがないので、どのような審理が行われたのかわからなかったのですが、判決文を読むと、これらの記事がなんの根拠もなく、裏付けもなく、実際に取材をしたのかも定かではない、まったくの事実無根の記事であることを知って、唖然となりました。
たとえば、「現役女子高生が怒りの激白!」「植草教授にのぞかれて1万円で示談にされた」という見出しと記事の内容については、被害にあったとされる現役女子高生なるものの氏名、住所さえ、記者は明らかにしておらず、取材のメモもなく、なんらその事実を示す客観的証拠がないのです。判決文では、そもそもこの記者はメモを所持しておらず、記者が取材をしたというその内容についても真実性・真実相当性について証明できない、と断罪しています。
また、「野村総研時代に『ワイセツ余罪』モミ消した!」、という見出しと記事の内容については、この記事を書いた記者は、テレビ演出家のIから、植草さんが昔何度も逮捕されていて、野村総研がもみ消してくれた、などとする内容の話を聞いたということですが、Iというその人物の氏名、住所等が明らかでなく、実在の人物であると認めるに足りる証拠はない、としています。
さらに、このIという人物から情報を得たことを裏付ける客観的な証拠はなく、Iが野村総研の(植草さんの)元同僚から直接聞いたということについても、記者の推測に過ぎないことを、記者自身が認めていることから、見出しや記事の内容が真実であると認めるに足りる証拠はない、と断じています。
判決文を読むと、これらの記事は事実無根の、でっち上げだと言わざるを得ないような内容であることがわかります。
判決文でも言及しているように、これらの記事は平成16年4月8日の事件(手鏡事件)に起訴されておらず、植草さんも犯行を否認している段階で掲載されたものです。当時、植草さんの無実を信じていた人たちが大勢いたことは、インターネットなどで多くの人たちが自らのHPで植草さんの無実を訴えていたことからも明らかです。なかには、事件を検証するため現場に赴き、(女子高生のスカートの下から手鏡で覗いていたとされる)エスカレーターやその周辺を撮影した映像を、HPで公開していた方もいました。
手鏡事件については多くの疑念がもたれています。被害にあったとされる女子高生が被害を訴えていないことや、犯行の重要な証拠となりえるはずの監視カメラの映像が消されていたことや、横浜から品川まで尾行し、犯行現場を目撃したとされる警察官の証言が法廷で二転三転していることなど、植草さんが犯行を行ったとする客観的な証拠がなにもないからです。
そのような中で、類似の事件をあたかも事実であるかのように報道されたら、一般の人たちばかりでなく、植草さんの無実を信じていた人たちや、逮捕や起訴に疑念を抱いていた人たちも、少なからず影響を受けないとはいえないと思います。その記事によって植草さんに対する否定的な世論が形成され、その後に出た有罪判決についても抵抗なく受け止められたとしたら、これらの記事によって植草さんが蒙った被害の大きさははかりしれないものがあるといえます。
記者会見では、植草さんのコメントが読み上げられました。
植草さんは、判決について「損害賠償額をのぞけば、私の主張を全部認めた妥当な判断である」として評価しています。また、メディアが事実確認をせず、適正な裏づけも取らず、虚偽の記載をしたことによって人間としての尊厳が損なわれたことに対し、「報道に関わるすべての報道人と言論人にこのことを改めて認識してほしい」と強く訴えました。そして、法廷での戦いも含め、違法な人権侵害の行為に対しては今後も毅然とした姿勢で対応していきたい」との決意を表明しました。
筆者の感想
弁護団も指摘していましたが、今回の判決文でとくに筆者が共感をもって読んだのは、次の箇所です。
「一般の読者が余罪の存在を予測してもそれは非常に抽象的で漠然とした可能性あるいは印象と行ったものに過ぎないのであり、そのような中で余罪について、具体的な事実が摘示されれば、一般の読者の受け止め方としては、余罪の可能性があるのと印象から実際に余罪が成立したとの認識に変わるのであって、これによって、原告の社会的評価が更に低下することは明らかである」
犯罪の被害者であった人を、警察・検察のリークによってメディアが犯人であるかのように報道したことで甚大な人権被害を蒙った松本サリン事件の河野義行さんの例を持ち出すまでもなく、メディアは無辜の市民を罪に陥れるようなことをしてはいけないと思います。再び同じ過ちを繰返さないためにも、メディアは真摯な反省が求められていることが、今回の判決によって再確認されたとの感想を持ちました。
◇ ◇ ◇
■植草裁判
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