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2008年05月18日
衆議院選挙の前に新党を立ち上げると表明した橋本大二郎前高知県知事
今日の新聞のビッグニュースは、なんといっても読売新聞社のインタビューに答える形で公表した、橋本大二郎前高知県知事の新党宣言である。
読売新聞の大スクープである。
「直近に選挙があれば無所属で出ざるを得ないが、社会が求めているのは新しい党ではないか。(衆院選まで)時間があるのなら、正しいグループ、旗作りを中心に考える。地方分権、経済政策、外交防衛、憲法などの基本スタンスを示す・・・議席が目標ではない。60歳を超えて、短期決戦、最初の選挙、その後の(政界再編の)動きで力尽きてもいい。どこかでドン・キホーテにならないといけない・・・7月1日が兄(橋本龍太郎・元首相)の三回忌。締め切りがないと仕事をしないので、(三回忌を第一の締め切りとして)6月中に自分なりに(基本政策などを)整理したい」
こう述べる橋本大二郎に私は大いに期待する。
私は月刊現代の4月号で、橋本大二郎と衆議院議員江田憲二が、自民も民主も駄目だと対談をしていた時から、橋本の動きを注目していた。そしてその橋本を支えるのが江田憲司である。
江田憲司は通産官僚の頃に橋本龍太郎元首相の秘書官から政治家に転身した男だ。だからその異母弟である橋本大二郎と組むというのはわかりやすい。
しかし江田憲司は、そこいらにいる官僚上がりの政治家ではない。文字通り無所属を貫いて当選してきた自主・自立の政治家である。しかも優秀だ。官僚の世界を知り尽くしている。
その江田が、知名度では文句のない橋本と二人三脚で新党を立ち上げるということだ。
私は、月刊現代の二人の対談を読んだとき、これは新しい動きになるかも知れないという予感を抱いた。
ただし、その時は、誘いをかける江田憲司に対し、橋本は、自分は新党をつくる金も力も無い、と言って一蹴していた。
それからわずか2,3ヶ月である。橋本に何が起きたのか。
すくなくとも読売新聞のインタビューに答えている橋本の言葉は様変わりである。吹っ切れた覚悟が感じられる。
何と言っても、総選挙前に新党を立ち上げると宣言したことがいい。
そして短期決戦、政界再編の道筋をつけるまでが自分の役割だと言い切っているのがいい。
この決意こそ、閉塞した今の政治状況に求められるものだ。誰か政治の停滞を打ち破らなくてはならないのだ。
私はかねてから、今の日本を変えるのは、政界再編ではなく既存の政党の全否定、つまりまったく新しい新党の立ち上げである、と主張してきた。
ところが、いまの政界にどっぷりとつかってきた政治家は、与党の政治家も野党の政治家も、新党などありえない、と自らの保身、自らの政党の党勢拡大ばかりを強調する。
なすべきことはまず政権交代だと主張する。
確かに小選挙区制の下では新党が生まれる余地は限りなく小さい。それよりも政権交代のほうが、自公政権の政治を改め現実的近道である。それは理解できる。私もそうだと思う。
しかし、その一方で、既存政党の合従連衡による昨今の政界再編の動きを見るにつけても、どのような政界再編がなされようとも、うんざりするほどの、旧態依然とした政治が続くに違いないと思えてならないのだ。
なによりもロマンがない。人の心に火をつけるような純粋さがない。
今こそ国民は「魅力的な政党」の出現を渇望しているのではないか、と私は思っていた。そしてその思いは決して私だけのものではない。
月刊誌リベラルタイム4月号に、CHANGE 今こそ新党をつくりませんか、という特集記事があった。
その記事は、毎度の世論調査が示しているように、無党派が比較第一党の今こそ、わずか20−30人規模の新党でも国会のキャスティングボートを握る事が出来る。そこに気づけば、「選挙後」ではなく、「選挙前の新党結成」に乗り出さない手は無い、というものである。
20−30人もの数は要らない。たとえ数名であっても風は起こすことが出来る。乾いた枯れ草についた火がたちまち大きな炎になる、そのような渇望感が今の日本には充満している。
それがなぜわからないのだろうか。
総選挙前の新党宣言をいち早くほのめかしたのは平沼新党である。
しかしそれは成功しない。極右のごときイデオロギー政党が、幅広い国民の支持を得られるはずは無い。
ましてやその顔ぶれが、郵政改革反対だけで集まった昔の政治家ばかりだ。颯爽とした風が起きるはずがない。
小泉新党に至ってはほとんど冗談だ。話にもならない。
国民が本当に待望する形での新党宣言。それを宣言したものの早い者勝ちだ。そこに橋本が名乗りを上げたのだ。
見ているがいい。この橋本の新党宣言は政界に大きな波紋を呼び起こすに違いない。橋本、江田に続く三番目の政治家が現れてくるに違いない。
その動きは、果たしてどこまで発展していくか。
問題は橋本と江田が6月中にも発表するという政策綱領だ。
江田は月刊現代で、大きな政府か小さな政府か、外交ハト派かタカ派かというに二項対立に単純化して、小さな政府(改革推進)で外交ハト派の集まりを目指すといわんばかりの発言をしていた。
それは私も基本的に賛成だ。しかしそれだけではまだ不十分だ。
その外交は、憲法9条を世界に掲げ、日米軍事同盟の危険性を国民に訴えて行けるか。
小さな政府が、小泉流の似非改革ではなく、官僚支配を否定した国民優先の真の改革を目指すものであるのか、その一方で競争に取り残される弱者への思いやりのある政策(セーフティネット)を確保しようとするものであるのか。
橋本新党が、既存の保守政党の政界再編の一つに終わるか、日本の政治に今度こそ新しい風を起こす事になるのか。
その結論は、6月末に発表される政策綱領で明らかになる。
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