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2008年04月26日
米国に翻弄され続ける国際政治(その1)
昨日のブログに続けて北朝鮮とシリアの核協力疑惑について書く。
案の定、今日の各紙はどれもこの問題を大きく取り上げている。そのすべてに目を通してみたが、どれもこれも読者を混乱させるものばかりだ。
なぜこのタイミングで米国が公表に踏み切ったのか。それは米国の対北朝鮮宥和政策が行き詰まったからだ、硬路線に方向転換をせざるを得なかったのだ、米国は大きな賭けに出たのだ、シリアはかつてのイラクのように追い込まれつつある、シリアは苦渋の選択が迫られることになる、などなど。
朝日新聞の論説に至っては、「ぞっとする核の拡散の闇」と題して、あたかも北朝鮮の核が中東に拡散しつつあるかのように書いている。北朝鮮に核申告を迫り、核不拡散への国際社会の取り組みを一段と強める必要がある、などと書いている。
これらは一見もっともな意見に聞こえる。しかし、情報通が語る説はそれと大きく異なる。
新聞などで決して書かれる事のない一つの仮説は、いよいよブッシュの米国はイラン攻撃に的を絞ってきたという説だ。今回の北朝鮮とシリアの核協力疑惑の公表もその一環であると言う説だ。
つまり、米国は、北朝鮮、シリアとの間に了解済みで公表した。米国はそれぞれと取引をした上での公表したのだ。
北朝鮮とは、「テロ指定解除」と引き換えに、この公表をきっかけに核申告で譲歩する態度を表向きに見せてくれればいい。六カ国協議はそれで、格好をつけて終わりすることができる。
今回の公表で、もはやシリアとの協力はしない、できない。あとはイランへの協力さえしないと北朝鮮が確約すれば、米国は北朝鮮の核に目を瞑る、という取引だ。
一方のシリアに対しては、イランとの協力をやめろ。そうすればシリア攻撃は行わない、アサドはサダム・フセインにはさせない、という取引である。
シリアは、表向きの強硬発言とは裏腹に、常に米国との対立を避けてきた。最後は米国に従ってきた。米国も決してシリアを追い詰めることはしなった。今度もそうだ。
トルコの仲介でイスラエルがゴラン高原の返還を提示したという。その動きもシリアをイランから切り離し、シリア・イスラエルの和平交渉を進めて、いよいよ攻撃対象をイランに絞り込む布石を打ち始めたのである。
このような仮説が正しいかどうかはもちろん誰もわからない。しかしそれを占うことは簡単だ。それは米朝間のこれからの交渉を注意深く見ていればいい。
北朝鮮とシリアの核疑惑をここまで明らかにしておきながら、それでも米国が対北朝鮮強硬政策をとることなく、北朝鮮との話し合いを継続するならば、それは取引ができているという証拠である。
ここまで不利、不名誉な情報を公表されながら、それでも北朝鮮が米国を非難しないならば、それは取引ができているということだ。
おそらくそうなるであろう。我々は結局は米国の手のひらの中で踊らされているということになる。私はそれが現実であると思っている。
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