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「「控訴棄却判決は不当」植草被告が上告へ
ひらのゆきこ2008/04/17
電車内で痴漢行為をしたとして東京都迷惑防止条例違反の罪に問われ、無実を訴え続けている経済学者の植草一秀さんの控訴審判決が１６日、東京高裁でありました。植草さんは一審で４カ月の実刑判決が下されました。控訴審でもこの一審の判決が支持され、控訴は棄却されました。
東京高等裁判所（撮影：田中龍作）
電車内で痴漢行為をしたとして東京都迷惑防止条例違反の罪に問われ、無実を訴え続けている経済学者の植草一秀さんの控訴審判決が１６日、東京高裁でありました。
判決が出るとあって今回も傍聴希望者が多く（倍率５倍以上）、コンピュータによる抽選となりました。残念ながら筆者は抽選に漏れ、裁判を傍聴することができませんでしたが、裁判を傍聴した方からお話を伺うことができましたので、以下に報告します。
開廷２分ほど前にテレビカメラの撮影があったらしく、関係者の人たちが法廷から出てきました。開廷は午前１０時。裁判が始まってから２分ほどあと、報道関係者の人たちが数名出てきて、足早に廊下を去って行きました。さらに３分ほど後、さらに多くの報道関係者が出てきました。廊下を小走りに歩いて行く人や、携帯電話をかけている人たちがいました。近くで携帯電話をかけていた女性の「棄却」という声が聞こえてきました。
植草さんは一審で４カ月の実刑判決が下されました。控訴審でもこの一審の判決が支持され、控訴は棄却されました。驚くべきことに、控訴審ではたった１回しか公判が開催されませんでした。新たな証拠調べも行われずに結審したことから、今日の厳しい判決についても予想はついていましたが、植草さんの無実を訴える弁護側の主張がまったく認められなかったことは大変残念であるとの感想を持ちました。
１０時半、裁判が終わったらしく一般の傍聴人の人たちが法廷から出てきました。その中のお一人の方から裁判についてお話を伺うことができました。その方のお話によると、田中康郎裁判長の声が非常に小さく聞き取りにくかったとのことでした。咳一つしても裁判長の声が低くて聞こえない中、報道関係者の人たちが出て行く足音やドアの開閉音などで、非常にく聞き取るのに苦労したそうですが、その中でメモをした内容を話してくださいました。
控訴棄却の理由について、田中康郎裁判長は、一審の判決と同じように、被害者にあったとされる女性の供述の信用性や、犯行を目撃したとされる証人の供述が具体的で明確であり、被害者の女性の供述と一致すること、また、（植草さんを）逮捕した乗客の証言や取調警官の証言の信用性などを主張したそうです。その一方で、犯行のあったとされる時間帯に植草さんがなにもしていなかったことを証言した目撃証人の証言や、無実を訴える植草さんの主張については、「信用性がない」などとして訴えを斥けたそうです。
上述したように、控訴審はたった１回しか公判が開催されておらず、新たな証拠調べもなかったことから、厳しい判決が予想されていましたが、控訴棄却の判決を聞いて「やっぱり」との感想を持ちました。一審の審理のとき弁護団が一貫して主張していたのは、犯行を目撃していたとされる目撃証人の証言の信憑性でした。とくに、重大な疑問は、この証人が犯人の顔を見た、と言い、虚ろな目をしていた、と供述していながら、そのとき犯人が眼鏡をかけていたか否か覚えていないと言っていることです。
当時、植草さんはかなり特徴のある眼鏡をかけていました。弁護団が同様の条件で複数の人たちに実験をしたところ、ほぼ全員に近い人たちが眼鏡をかけていたことを記憶していたという結果が出ているそうです。控訴審の判決では、被害者の供述とこの目撃者の供述が一致していることをもって、信憑性があるとの判断の根拠にしていますが、この眼鏡の件については、被害にあったとされる女性も、植草さんが眼鏡をかけていたかどうか覚えていないと供述しています。
被害にあったとされる女性は、犯人の顔を見ておらず、手をつかまえてもいません。また、犯人は後ろに密着していたと言っています。この女性はイヤホンを外す動作をしてから後ろを振り返り、右後ろにいた植草さんを犯人だと主張しています。被害にあった状況の具体的な供述などをみても、そのとき植草さんが眼鏡をかけていたか否かを覚えていないというのは、考えづらい、というのが一審の判決文を読んだときの筆者の印象でした。
穿った見方をすれば、犯行を目撃したとされる証人の供述に沿う形で、被害にあったとされる女性は、植草さんが眼鏡をかけていたかどうか覚えていない、と供述したのではないか、との推測も成り立ちます。今回の控訴審では、犯行を目撃したとされる証人が検察に行ったのは９月１６日だと言いながら、実際は前日の１５日も行っていて実況見分をしたことが、弁護団の調査で明らかになったそうです。検察や証人がその事実を隠したことを指摘した弁護団に対し、裁判所は、「故意に隠したとはいえない」などと、まるで検察の代弁者のような主張をしたそうです。
一審では、植草さんが着用していた上着の繊維の鑑定や、手に付着していた繊維が弁護団が行った鑑定によって駅員が着ていた制服の繊維にきわめて酷似していたことから、両方の鑑定を求めたにもかかわらず、いずれも却下されています。控訴審においてもこの鑑定が行われず、たった１回の公判を開催しただけで実質審理を行わず、実刑４カ月の一審の判決を支持し、「控訴棄却」の判決を出した高裁の判断はきわめて残念であるとの感想をもちました。
植草さんは裁判のあと記者会見を行い、「判決は不当で強い憤りを感じる。どのような迫害を受けようとも無実の真相を明らかにするために闘いぬいて参ります」などと述べたとされています。上告の意志を示していることから、今後の審理は最高裁に移るものと思われますが、最高裁においては拙速な判断をすることなく、公正中立の立場で真相を究明し、法の番人としての役割を果たしてほしいと強く願っています。」
http://www.news.janjan.jp/living/0804/0804165053/1.php
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フォローアップ:- 植草事件の視点を国策捜査にシフトする段階だ(神州の泉)-やはり国策捜査だったとしか考えられない。 JAXVN 2008/4/18 06:10:48
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