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2008年04月05日
迷走の果ての最悪な幕引きー日銀総裁人事
日銀総裁人事が白川副総裁(58)の昇格で幕引きされようとしている。私は両者の金融に対する知見を疑っているのではない。彼らは専門家であるに違いない。
私は白川総裁に反対しているわけでもない。日銀プローパーの彼に日銀総裁が務まらないはずはない。
ポストは人をつくる。やがて成長して立派な総裁になる可能性さえある。
問題は白川総裁とセットで福田自公政権が財務省OBを副総裁にしようとしていることだ。前元財務官の渡辺博史氏(58)がそれである。
民主党内には渡辺副総裁に反対の声もあるというが、白川総裁で福田首相が譲歩したのだ。三度目の提案だ。
小沢代表やその後ろにいる輿水代表代行が反対を貫く事は難しいだろう。それでも反対したら、何も分かっていない世論の反発は、今度こそ彼らに向かう。だから白川総裁ー渡辺副総裁できまりだ。
しかしこれは、迷走の果ての最悪の人事になる。
何が問題か。それは、日銀出身の総裁が、財務省出身の官僚OBに監視されるという、従来の支配構造がそのまま温存されてしまうからだ。そして、彼ら二人に対する政治の影響力は一層強まる。
白川ー渡辺の組み合わせは、福井ー武藤よりも悪い。なぜならば二人とも、迷走の果てに、これで仕方がないだろうという形で決まった軽量級であるからだ。
福井は衆目の一致する日銀のプリンスであった。武藤も衆目の一致した財務省次官であった。両者の間には一定の節度が働く。しかし白川ー渡辺の場合はそうではない。渡辺を通じて財務省の圧力は今まで以上に白川にかかる。白川も自らを自粛する。白川のあの頼りなげな表情が、それを物語っている。
一般国民には決して見えないだろうが、大蔵省が持つ金融関係者に対する影響力は絶大なものがあった。各銀行が大蔵省を相手にするいわゆるMOF担にエースを送り込み、大蔵官僚をノーパンシャブシャブなどで異常接待していたことからもそれが分かる。
スキャンダルで大蔵省の権威が失墜したといっても、そして財務省に看板が変わっても、金融業界の官僚組織に対する服従は絶対だ。日銀とても銀行なのだ。
白川ー渡辺に対する政治の圧力は以前より強まるであろう。福井ー武藤の場合はまだ政治に対する抵抗力があった。それぞれの組織を背負う実力者であったからだ。
しかし白川ー渡辺は違う。そもそもなれそうもなかった人物が政局によって「ならせてもらった」からだ。出発点から政治に屈服してスタートすることになる。
なぜ日銀総裁人事を完全に財務省の影響力から独立させられないのか。政治任命をするのであれば、なぜそれを徹底させて、福田首相と命運を共にする腕力のある大物が任命されないのか。
すべては中途半端で終わってしまう。日本的だ。日本経済の迷走は続く。
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