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次は裁判員制度導入を大きな社会問題にしなければいけない(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 4 月 02 日 15:37:01: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/04/02/#000794

2008年04月02日
次は裁判員制度導入を大きな社会問題にしなければいけない

  

  我々の目の前で繰り広げられている今日の諸問題は、つまるところ政治家・官僚の作為・不作為の悪に帰結する。

  高見にある権力者が、一般国民を苦しめているのだ。名もない、組織もまとまりもないバラバラの、だからこそ救われることのない弱者の国民の日々の生活を、めぐまれた支配層が苦しめている、そういう問題に帰結するのだ。

  優秀な(と自らを思い込んでいる)政治家と官僚たちが、小難しいことなどわからないとたかをくくっている一般国民を、騙し、詭弁を弄し、最後は権力にまかせて情報操作して抑えつける、そういう状況が毎日繰り返されている。

  世論の主導者を自認するメディア業界と、そのメディア業界に依存する有識者、評論家達が、あたかも国民の味方、正義の味方であるかのように振舞いながら、最後は権力側となれあってしまう。決して権力側に嫌われる形で最後まで徹底して闘わない、その結果国民を裏切ることになる。

  国民はもっと自信を持ってよい。おかしい事、嫌な事、自分の利益が損なわれることには、素直に声を上げるべきだ。難しい事はひとつもない。権力者が言っている事、している事は、実にお粗末なのだ。

  私のブログは、それを指摘するだけである。それは、元官僚として政治家や官僚の実体を見てきた私の責務である。

  世の中を動かす力は何もない。しかし少なくとも、同じく力のない一般国民に、考える材料を与える事は出来る。

  一般国民が漠然と考えている事が、決して間違ってはいないのだという事を気づかせることが出来れば、このブログも無駄ではない。

 昨日(4月1日)から始まった後期高齢者医療制度はひどいものだ。名前が悪いといって福田首相の一声で長寿医療制度と呼称が変わったらしい。これは高齢者の侮辱だ。高齢者を手厚く遇する政策を確保することこそ、福田首相のなすべきことだ。

  高村外相が4月1日の閣議で平成20年度の外交白書を報告し、了承されたという。福田首相の掲げる「日米同盟とアジア外交の共鳴」外交に着手したという。

  一年前の外交青書は麻生元外相の「自由と繁栄の弧」を誇示していた。それが一年で消えた。それどころか、高村外相が自賛するアジア外交さえ、あらゆる面で日本の影が薄れている(4月2日日経新聞 地球回覧)という。嘘ばかりだ。

 暫定税率がなくなって道路がつくれなくなったという。地方の予算が組めなくなったという。とんでもない嘘だ。

 これほど色々な税金を国民から取っているのだ。その予算を、道路が必要なら優先的にまわせばいいだけの話だ。地方の経済が大変ならば国家が地方に予算を回せばいいのだ。

  4月2日の東京新聞の社説が見事に指摘している。特別会計や独立行政法人には眠っている莫大な積立金や準備金(いわゆる埋蔵金)があるではないか。それがすでにバレているではないか。

  2009年度からの一般財源化を公約した以上、今年度の2.6兆円の歳入不足をどうするかという問題だけである。今年度ぐらいは埋蔵金のわずか一部を使ってどうとでも工面できるはずだ。なぜそれをまわそうとしないのか。

 それをしないのは福田首相が各省庁とお友達であるからだ。既得権化している各省庁の予算に手をつけようとしないからだ。そのつけを国民に回されてはたまらない。

  さて、いつももように前置きが長くなったが、このブログで取り上げたいのは一年後に導入される裁判員制度の問題である。

 4月1日、最高裁は全国意識調査なるものを発表した。それによると、「参加したい」、「参加してもよい」をあわせてもわずか15%、「義務なら参加せざるをえない」の44.8%と「義務であっても参加したくない」37.6%あわせると82.4%だ。

 当然である。裁判官がいるのに、なぜ国民が裁判官の仕事を肩代わりしなくてはならないのか。ただでさえろくな判決をしない裁判所に、なぜもっと仕事をさせないのか。

 なぜ素人が人を裁かなければならないのか。自分の仕事があるのに人の裁判をしてみたいと考える者は、よほどの好奇心ある者か、人を裁いてやろうと考える野心家に違いない。そんな連中に裁かれては、被告者もたまったものではない。

 それよりも我々が糾弾しなければならないのは、この調査結果を牽強付会する最高裁の次の言葉だ。

 「裁判員制度参加は国民の義務。義務なら参加という人も含めて6割以上が参加意向を示したのは一定水準に達したと考えている」

 これが最高裁の判断なのだ。この調子で今まで最高裁の判決が出されていたのだ。我々はそのような裁判所に、もっとまじめに裁判をしろと要求することが先決なのだ。

 裁判員制度については国民はまだ真剣に考えていないに違いない。しかし裁判員に参加する事は国民の義務だという。そんな法律ができていたのだ。裁判員制度は、実施日が近づくにつれ、大きな社会問題にしなくてはいけない。この悪法を白紙にさせなくてはいけない。

 

 

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