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http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080326ddm005070089000c.html から転載。
社説:新銀行東京出資 知事や議会はどう責任取る
経営状態の悪化している新銀行東京への400億円の追加出資案が26日の都議会予算特別委員会で、自民、公明両党の賛成で可決される見通しだ。28日の本会議で成立すれば、新銀行東京は資本増強に取りかかる。
ただ、これで石原慎太郎都知事の発案で設立され、資本金の大半を都が出資している「都営銀行」の問題が解決するわけではない。石原都知事を含めて経営責任の所在が十分に掘り下げられていない上、銀行の存在そのものも問われている。経営が改善しても、広く地域の中堅・中小企業の資金ニーズに応えるという役目は放棄の方向にあるのだ。
これまでの都議会での質疑や関係者の証言などから、新銀行東京の規模拡大は都の意向に沿っていたことが明らかになっている。融資先の経営破綻(はたん)や返済の遅れなどによる経営状態悪化も定期的に報告されていた。それに対する、都の動きは鈍かったという。
石原都知事は経営悪化の責任は旧経営陣にあるとの持論を繰り返しているが、これは通らない。約85%もの株式を保有し、役員にも都出身者が名を連ねている以上、都には経営監視を怠った責任がある。
そうした情報を石原都知事が知らなかったとしたら行政として怠慢としかいいようがない。
400億円を都が出資しても経営が立ち直る保証はない。新銀行東京はこの資金で累積赤字解消を図る方針だが、それで何年持つのか。石原都知事が単独での存続に懸念を示しているのも、経営再建は容易なことではないと考えているからだろう。
また、新銀行東京の再建計画では店舗を現在の6店体制から本店だけに減らし、人員も450人から120人に圧縮する。その一方で、営業力強化を図ることが盛り込まれている。業務内容も成長企業支援融資やファンド投資などに注力するという。
これでは民間金融機関とひと味違う銀行ではありえない。それならば、存続するよりも民間に売却するか清算するか、いずれかの道を選ぶべきだ。
それにもかかわらず、自民、公明両党は条件付きで都民の税金を使い400億円を追加出資する08年度補正予算案に賛成の意向だ。石原都知事のメンツをつぶさないためとしかいいようがない。都民の視点はゼロと言わざるを得ない。この責任は重大である。
予算特別委では、今後の追加出資は認めないことなどの付帯決議が付く模様だ。ただ、付帯決議が完全に履行される保証はない。都からの支出を認めるための責任回避の色彩が濃い。
存在意義がすでに失われている銀行をあえて存続させようとしているのが石原都知事や、それを容認した与党である。やってはならないことである。
毎日新聞 2008年3月26日 東京朝刊
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