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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000007-gen-ent
石原慎太郎都知事の肝いりで始めた新銀行東京の2008年3月決算の累積損失が実に1016億円に達することが分かった。東京都の出資は1000億円だから、都民の税金がそっくり食いつぶされたことになる。それなのに、石原の言い草は「オレが被害者だ」と言わんばかりだ。誰が見ても新銀行東京の事実上のトップは石原だ。知事を辞めて、私財を投げ出すべきである。
●私財提供くらい当たり前
「過去に経営破綻して公的資金をもらった銀行はことごとく、トップが逮捕されているんですよ。石原知事が自分の責任にほおかむりしている感覚は理解できない」と言うのは金融ジャーナリストの須田慎一郎氏だ。
拓銀、長銀、日債銀の例を出すまでもなく、乱脈経営によって破綻した銀行トップはほとんどお縄になっている。デタラメ経営という意味では、新銀行東京も同じだ。開業した05年4月から今年1月までに融資した企業のうち2300社が経営破綻し、焦げ付いた融資は総額で285億円。新銀行の累積赤字の3分の1近くに達している。また、破綻した企業のうち13%が融資後半年以内に行き詰まっており、中には「役員の友人」に3億円融資し、2カ月後に破綻したケースもある。
こうしたデタラメ経営の結果、東京都が400億円を追加出資しなければニッチもサッチも行かないところに追い込まれたのだ。本来ならば、破綻処理が視野に入る。そのうえで融資を精査し、刑事責任を問う。新銀行トップの人事権を握り、事実上君臨していたのは石原なのだから、刑事責任はともかく、私財提供くらいは当たり前だ。
ところが石原は7日の会見で、「私財を提供すべきでは?」と問われて、こう居直ったのである。
「心情的にはわかりますけどね。どの部分にも司々(つかさつかさ)というものがあり、世の中にそう通る話じゃないと思いますね」
部下に責任をおっかぶせようというのだ。知事にも情報が上がっていたのではないか、と問われると、「一、二あったような気がするけど」。さらに聞いてもいないのに「金融庁から『株主の立場で余計なこと言うな』って怒られた」なんて言い出した。株主である自分に経営責任があるわけないだろう、という理屈だ。経済ジャーナリストの有森隆氏はこう言った。
「新銀行東京は、石原知事が選挙を前に中小企業に優しい政策を示すために無理してつくった銀行です。審査はコンピューターにデータを打ち込むだけで、銀行とは名ばかり。破綻は早晩見えていた。石原知事は自分に責任が及ばないように『任せていた』『情報は届いていない』『株主にすぎない』ということを強調しているだけです」
こんな銀行に追加出資なんて、とんでもない話だが、「石原は行政訴訟を起こされ、アウトだろう」(金融ジャーナリスト)とされる。やれるものならやってみろだ。
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