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2008年04月07日
学力テストへの不参加貫く愛知県犬山市の教育委員長に喝采を送る
4月7日の毎日新聞に、学力テストをめぐる犬山市長と教育長の対立についての特集記事があった。
「学力テストは義務教育の中に競い合いの原理を持ち込む事になり好ましくない」、として学力テストに全国で唯一反対してきた愛知県犬山市。その不参加を決めてきたのが瀬見井久教育長率いる犬山市教育委員会であった。
これに対し、06年12月に就任した田中志典犬山市長は、「国の方針に従ったらどうか」、と参加を主張する。
この対立は、もうすぐ田中市長の勝利に終わり、犬山市が来年度の学力テストに参加することになるのはもはや時間の問題である。教育委員の任命権は首長たる田中市長にあるからだ。
実際のところ、今年は、全会一致で不参加を決めた昨年とは一変し、教育委員会の議論も、不参加派3人、参加派2人に分かれたという。
07年12月に、田中市長が、任期満了にともなって退任した委員2名の後継者として、学力テスト賛成派を選んだからだ。
その田中市長は、「来年は参加する」と公言し、4月8日の臨時議会に教育委員の一人増員の人事案を提出するという。
学力テストの是非をめぐっては父兄の間でも意見が分かれているという。特集記事を組んだ毎日新聞も、双方の意見を紹介するだけで、その賛否についての立場を明らかにしていない。
私はこの問題についてこれまでブログで取り上げることはなかった。政治問題と違って、どちらが正しいかについて、声高に断定する事にためらいがあるからだ。
しかし、孤軍奮闘してきた犬山市の教育委員長が、世論やメディアの強い後押しもなく、「国の方針に従ったらどうか」と市長に迫られ、犬山市が全国で唯一の「学力テスト不参加市」を返上させられるに及んでは、どうしても一言書いて記録に残しておきたい。
私は断然瀬見井教育長が正しいと考える。文部官僚が決めたつまらない方針に従うことなく、全国で唯一学力テストに不参加を貫いた犬山市の教育委員は立派だと思う。メディアはこの事を、もっと大きくとりあげ、評価すべきであった。
受験競争を経験してきた一人として断言する。子供を不幸にしている最大の元凶は受験競争である。受験競争の、背後にあるのは日本の学歴社会だ学歴社会の背後にある考えは、学歴を人間の評価に結びつけるという安物のエリート主義だ。
学力テストはその延長線上にある。最近話題になった公立中学の補習授業(夜スペシャル)もそうだ。
子供を受験競争に駆り立てる親の気持ちは分かる。子供には成功してもらいたい、幸せになってもらいたい、それが親心だ。
しかし成績の優秀な者が正しい社会を作るのではない。官僚や高学歴の企業人がつくる今の日本がどうなったかを見れば、それは自明だ。
教育の原点は試験の点数至上主義ではない。もっと広く、深いものだ。それは文部官僚などの手に負えるものではない。
教育とは何か。それは、日本人全体が、将来を担う子供たちのために、本気になって考えなければならない重要な課題であるに違いない。
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