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イージス艦衝突 苛立つ地元漁港(JANJAN)
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/613.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 24 日 15:11:30: twUjz/PjYItws
 

http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802241383/1.php

田中龍作2008/02/24

イージス艦「あたご」に沈められたマグロはえ縄漁船清徳丸の母港、千葉県川津漁港を訪ねた。吉清さん父子の行方は不明のままで、衝突前後の「あたご」の行動など海上自衛隊に対する不信感が募り、強い苛立ちの声が聞かれた。

 千葉県野島崎沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」(7,750t)とマグロはえ縄漁船「清徳丸」(7.3t)が衝突して5日が経った23日、清徳丸の母港、勝浦市の川津漁港を訪ねた。海上自衛隊に対する不信感が募る中、吉清さん父子の行方は不明のまま。強い苛立ちの声が聞かれた。


静かな漁師町を突然の災難が襲った(勝浦市川津漁港で、いずれも筆者撮影)

<1度の捜索で150万円、かさむ費用>

 100隻近い漁船が港に舫(もや)われたままだ。沖は見渡す限り三角波が立っており、海が荒れていることがわかる。

 すべての漁船は衝突事故発生以来、一度も漁に出ていない。2日間は強風で船を出せず、3日間は、行方不明となっている清徳丸の吉清治夫さん(58)と哲大さん(23)を捜索するため、漁ができないのだ。

 現場海域までを往復すると、燃料代はエンジン出力が大きい船で10万円、小さくても5万円もかかる。1回の捜索に19隻が出る。石油価格の高騰で漁師の生活も決して楽ではない。仲間の捜索とはいえ漁に出られないのは厳しい。


主婦たちが吉清さん父子の無事を祈って読経を続ける。

 長老格の漁師によれば、吉清さんの親族の代表が22日、捜索はもう止めてくれと漁協に申し出たという。

 衝突事故後、船団会議がほぼ毎日開かれているが、23日午前の会議では、あと1回捜索することが決まった。船団会議を終えたある漁師は「もう1回出る。凪いだらな」と下を向いたまま答えた。

 長老によれば、これがごく普通なのだそうだ。「事故から4〜5日後に当時者の家族・親戚が捜索の打ち切りを申し出て、みんなはもう1回捜索に行く。そして(事故発生から)1週間目に『浦じまい』をやって海を清める。それで終わりだっぺ」。これまで幾度となく海難事故を見てきた長老は淡々と語った。


<漁連副会長「シーマンの常識で考えられない」>

 正午頃には千葉県漁業共同組合連合会の小滝季儀・副会長が「陣中見舞い」に新勝浦市漁協を訪れた。外記栄太郎組合長に「体を壊さないように」とねぎらいの言葉をかけた。

 小滝副会長は前日、石破防衛相に「今回の事故は漁船操業の安全を大きく揺るがすもので、強い怒りを禁じ得ない。速やかな原因究明と再発防止策を講じ、納得のいく説明を求める」と断固とした口調で申し入れている。

 小滝副会長は記者団に次のように語った。「何を置いても捜索第1だ。国は油代(漁船の燃料代)を自発的に出すべきだ。『あたご』の見張りが不十分だったために起きた事故だ。船に乗った経験のある人間としては信じられない。(衝突事故が起きた)あの時間帯、あの海域は船舶が最も多く輻輳する。にもかかわらず自動操舵で航行していたとは、シーマン(海の男)の常識では考えられない」


「『あたご』のブリッジで何が起きていたのかを知りたい」と話す外記組合長。


<直後の「あたご」の行動に疑い>

 海上自衛隊では、衝突事故直後に「あたご」からボートを降ろして捜索・救命作業をしたと主張しているが、それを否定する声も同じ自衛隊内部にあるという。

 その点、新勝浦市漁協の外記組合長は何か事情を知ってはいないだろうか。筆者は聞いてみた。外記組合長は「衝突をかわした僚船はそのまま漁場に行ったので見ていない。目撃者がいないのが残念だ。我々が一番知りたいのは、『あたご』のブリッジ(艦橋)で何が起きていたかということ。海自は包み隠さず話してほしい」と切々と語る。

 前出の長老は「(僚船のGPSによる)航跡がなかったら、我々は軍隊(海上自衛隊のこと)に負けていた」と話す。海自によって事故原因は漁船の方にある、とされてしまうという意味だ。


<間一髪、生々しいGPS航跡>

 清徳丸の僚船のGPSには事故当時の航跡が残っており、直進してくる『あたご』を間一髪でかわしたことが一目瞭然でわかる。横浜地方海難審判理事所(海難事件で検察庁に相当する役所)の係官が22日、川津漁港を訪れ僚船のGPSの航跡を調査した。

 ヨット歴50年という筆者の知人は「大きな船は簡単に方向を変えられないから、小さな船の方がよけるのが当たり前になってるんだよ。イージス艦もそう思ってたんじゃないかな」と分析する。

 基本を欠いたお粗末なミスが次々と明るみに出る。一方で、「海自はまだまだ事実を隠している」との疑いを漁師たちは根強く持っている。

 地元の主婦たちは、行方不明になっている吉清さん父子の無事を祈り海に向かって毎朝読経をしている。ある女性が苛立つように言った。「どうしてこんなことになっちまったのかね。自衛隊に『早く救助してくれ』って言っとくれよ」

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