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道路特定財源が仕込んだミュージカルの秘密 = 保坂展人のどこどこ日記
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/396.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 2 月 17 日 13:21:59: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/dd1f9a2f96e0de81dbc01fbe6ccfde4c

米軍住宅がたった8棟で28億2千万円という佐世保道路の問題を衆議院予算委員会で冬柴大臣にぶつけてから、昨日までにインターネットで調査をかけてみた。そこで地方整備局のページに出てきたのが、『みちぶしん』(ふるさときゃらばん)というミュージカルだった。まさか、道路特定財源でミュージカルをやるわけないだろうと思ったが、すべて「入場無料」である。国土交通省道路局を呼んで聞いてみると「道路特定財源」から出ていると確認できたので、昨日の予算委員会で取り上げた。なんと、3年間で85ヶ所、5億2千万円の道路特定財源からこの実施費用が出ているとのことだ。

朝日新聞が報道している。

道路財源でミュージカル、冬柴国交相「もうやめる」

「道路ミュージカル」はもうやめます――。冬柴国土交通相は14日の衆院予算委員会で、国交省地方整備局が行っている道路整備への啓発ミュージカル上演を、08年度からやめると表明した。保坂展人氏(社民)が、道路特定財源を主な原資とする道路整備特別会計からの不要な支出だ、と指摘したのに答えた。

 国交省によると、ミュージカルは「助け合いの精神での道路整備」がテーマ。近畿地方整備局などが劇団に依頼し、03〜05年度で約80回実施された。道路整備特会から計5億円を支出。費用の大半は会場費で毎回300〜1000人が無料で鑑賞したという。06年度も実施したが、回数や費用は把握しておらず、07年度は未実施だとしている。

 保坂氏の指摘に対し、冬柴国交相は「適切だと思っていたが、支出が過大だとの指摘であればやめる」と述べた。保坂氏は、ほかにも道路財源を使った広報活動があれば明らかにするよう求めたが、冬柴氏は、さまざまな道路事業に組み込まれており全体像が分からないとして、「今後調査する」と答えた。(「朝日新聞」)

[引用終了]

ところが、06年(平成18年度)に実施されたミュージカルは未集計なので、5億2千万円をさらに超えることは間違いない。質問後も調査を続けているがなかなか奥が深いことがわかった。本日3時から行った記者会見で私は「第2のタウンミーティング問題だ」と指摘した。

ここに『「未知」の「技」と「未知普請」』(平成16年度道路講演会資料・国土交通省道路局国道・防災課 企画専門官寺元博昭)という冊子がある。この中で寺元企画専門官は未知普請事務局の肩書で『公共性ビジョン「未知普請」について』という論文を寄せている。これを読むと、ミュージカルは偶然の産物ではなく国交省の官僚によって意図的に産み出された宣伝工作だったことがわかる。

このロゴは、道路官僚の野心的なプロジェクトの象徴である。「道普請」の公共性と「未知への挑戦」をひっかけて、全国的に展開するシンボルマークとして創造された。

この論文には、1950年(昭和25年)旧建設省が制定した『ユートピアソング』が紹介されている。

風がそよぐよ ドライブウェイ

軽いリズムで どこまでも
歌は流れる リボンはゆれる
山も谷間も アスファルト
ランラン ランラン
ランラランラン ランラン
素敵な ユートピア

是非聞いてみたいものだが、「山も谷間もアスファルト」となってしまった今も、道路官僚の生態は変わらない。そこで、寺元企画官が書いているのが「ミュージカル『みちぶしん』 音と光が生み出す感動と対話」と位置づけて、実施の意義を説いている。

[引用開始]

正しい主張でもユーザーや住民に伝わらなければなんの意味もありません。人の理解は言語や理屈を通してだけではなく、むしろ体験や経験などを通した感動が、よりリアリティをもつことが多いともいえると思います。「道」とは何か。私たちとの関わりは何か。

今日の行政には、子どもたちや生活を支える女性等に受け入れられる表現手法が求められています。情報があふれる現代社会においては、楽しみの中に正論を忍ばせる工夫もまた重要なことではないでしょうか。

[引用終了]

記者会見では、こうした背景を説明して、『みちぶしん』のミュージカルは官製の国民動員フロジェクト『未知普請』の一貫として生れたのではないかと指摘しておいた。たとえば「水陸両用車の体験乗車」というイベントも意表をついているが、国道事務所が主催しているもの。特定財源が流れているのではないかと国土交通省に照会中だ。また昨日は、ミュージカル以外のイベントも例にあげた。

『みちフェスタ横浜2007』は株式会社エム・シー・アンド・ピーと840万円随意契約。「横浜国道劇場紙芝居」とか「道路を守るラジコンゲーム」などをやっている。

『道路フェア2007』は仙台で、株式会社河北アドセンターと614万2000円で随意契約。「人力車体験乗車」とか歌や踊りを披露している。『道の日キャンペーン』とかイロイロやっている。

『みんな大集合、道の日キャンペーン酒田』は鶴岡会場とあわせて山形アドビューと796万6000円で随意契約。「セグウェイ試乗会」「ワンワン大サーカス」などをやっている。

これだけイベント尽くしだと、どれだけの規模で広報・宣伝費を道路特定財源から流れているのか精査するのが国会の責務となる。 国土交通省の答弁はおそるべきもので、道路建設費にビルトインしていて区分経理していないから、把握出来ていないというのだ。来週も、この問題を追いかけようと思う。
 

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