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(回答先: 岩国市長選挙の結果(NHK開票結果) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 11 日 09:58:22)
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200802110103.html
'08/2/11
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閉塞(へいそく)感の強さの表れだろうか。「民意」は地域の針路を大きく変える選択をしたといえそうだ。
「協調」の訴え実る
米空母艦載機の移転など、基地問題を最大の争点にした岩国市の出直し市長選がきのう、投開票された。混戦との予想通り、勝敗の行方は深夜まで定まらず、条件付き容認を掲げた無所属新人で自民党前衆院議員の福田良彦氏(37)が、移転反対を貫いてきた前市長の井原勝介氏(57)を小差で振り切った。
勝因はどこにあったのか。福田陣営が掲げたのは「岩国再生」の旗印だった。市政が混乱を極め、財政も破たん寸前に陥っている。米軍再編も重要だが、最大のテーマは日々の生活の立て直しだ―。街頭演説では、こうした訴えに聞き入る市民から拍手が起きていた。若さを前面に押し出し、対立から協調への路線転換をアピールする手法も、支持の輪を広げる力になったようだ。
かたずをのんで見守っていた政府、与党の関係者はさぞ安心したに違いない。逆に井原氏が当選していれば、旧市条例に基づく二〇〇六年三月の住民投票、七町村との合併に伴う同年四月の市長選に続き、三度目の「移転反対」の民意が示されることになったからだ。
その場合、日米両政府が合意した在日米軍再編計画に少なからぬ影響を与える可能性があった。沖縄県知事の同意が不可欠な普天間飛行場の移設計画とは異なり、岩国市長には知事のような権限はない。ただ、それでも二度にわたり反対の「民意」が示されたことの意味は軽くない。
今回の出直し市長選では、「移転反対」を理由に市庁舎建設の補助金や米軍再編交付金を凍結する国側の強硬姿勢にも有権者の関心が集まっていた。「民主主義と地方自治を踏みにじる行為」と批判した井原氏が勝っていれば、政府・与党の立場はより苦しくなっていただろう。
新たな一歩を踏み出す福田市政。前途は決して平たんとはいえまい。選挙期間中に本紙や他のメディアが実施した有権者への意識調査では、空母艦載機の移転について「反対」と答えた人が過半数を占めた。空母艦載機の移転が、計画通り実施されると、岩国基地は沖縄県の嘉手納基地と並ぶ極東最大級の航空基地に変容する。市民や周辺地域の住民の間に不安が消えない。それが大接戦ともなる結果を招いた。
勢いづく移転準備
「国の言いなりにはならないし、オール市民の意見を国にもの申す」。選挙で繰り返したこの公約をどこまで貫けるのか。条件付きとはいえ、国との積極的な協議を明言する市長の誕生で、米軍再編は新たな段階に進む可能性が高まった。来春の基地滑走路の沖合移設事業の完了後、空母艦載機を受け入れるための施設づくりも本格化するはずだ。
米軍側は、空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)の恒常的施設について「拠点基地から百八十キロ以内に」と要望している。現在取りざたされている鹿児島県の離島などの候補地が地元の反対などでつぶれた場合、岩国などで「暫定的な訓練」が繰り返されることは本当にないのか。新市長には、その言動に厳しい視線が注がれている。
政府、与党も今回の選挙結果に安住することなく、批判の根強い現行の強引な防衛政策を見直す契機にしてもらいたい。補助金凍結問題などについて、国側の対応の不条理さを訴えて立候補した前市長にも多くの支持が集まり、民意が割れた事実を過小評価すべきではない。
岩国市内では、基地周辺の住民が騒音を理由に米軍機の飛行差し止めを求める集団訴訟を起こす動きも出ている。現在、空母艦載機が拠点にしている厚木基地(神奈川県)と同様に集団訴訟が相次ぐようでは、日米関係の前途も険しさが増す。
これまでの強圧的な姿勢を改め、誠実に説明責任を果たすことだ。国側が従来の姿勢に固執したままでは、再編協議の円滑な進展は望めないだろう。
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