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(参考資料)天下の愚策・地域振興券
http://www.asyura2.com/08/senkyo46/msg/635.html
投稿者 茶々 日時 2008 年 1 月 29 日 11:34:34: 6YmOfrLmcqc3Q
 

(回答先: クーポン券と聞いて、地域振興券を思い出した。 投稿者 茶々 日時 2008 年 1 月 29 日 11:33:00)

http://www.mars.dti.ne.jp/~katochan/opinion/opinion09.html
より引用はじめ
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天下の愚策・地域振興券
Saturday, May 1, 1999

 『地域振興券』 なるものが登場してから、1か月が過ぎようとしている。果たして、景気は良くなったのか? 残念だが、私にはそうは思えない。


 そもそも地域振興券とは何なのか。 低迷する景気に喝を入れる切り札として、某政党がアイデアを出したものらしい。最初のアイデアでは、国民全員に金券を配布し、購買を奨励することにより、物の流れ・金の流れを良くして景気を刺激しよう、というものだったそうだ。それはそれで、アイデアとしてはまあ良かったかも知れない。「半年間の期限つき金券」というのも、即効性という話で、一応納得できる。

 しかし、現実に登場した地域振興券は、元のアイデアからは歪曲したものになった。なんと、配布対象が「15歳以下の子どものいる世帯」と「生活保護を受けていない老人のいる世帯」に限定されてしまったのだ。なぜ対象を絞ったか? むろん、財源の問題だろう。それはわからないでもない。しかし、配布対象の選び方が大問題である。


 景気を刺激するためなら、配布することによって、消費が増える世帯でなければ意味がない。 言い替えれば「不要不急の買い物をしてくれる世帯」でなければならない。では、「15歳以下の子どものいる世帯」で、消費が増えるだろうか? まさか、だ。

 第一子が生まれる時の世帯主の年齢は、恐らく25〜30歳であろう。最近は少子化の傾向があるから、とりあえず子どもが一人として、 15歳以下の子どものいる世帯の世帯主の年齢は、25〜45歳だと思われる。 25〜35歳あたりでは、収入はまだそれほど多くないだろう。子どもは小さいだろうが、幼稚園や保育園は、公立の小学校より経済的負担が大きいのが普通だ。 35〜45歳あたりでは、収入はそこそこだが、子どもは伸び盛り・食べ盛りだろう。食費や衣料費といった生活必需品の支出が、非常に多くなる時期だと思う。そうでなくても、家のローンや車のローンがのしかかってくる。せっせと働いて貯めた貯金を少しずつとり崩して、生活費に充当している姿が見える。

 こうした世帯に「地域振興券」を配布して、果たして支出が増えるだろうか。一人あたり2万円の金券は、おそらく生活必需品の購入に充てられたことだろう。結果的には、貯金の取り崩しが多少減っただけで、支出はほとんど増えなかったと思う。これでは、「景気を刺激する」という、本来の目的には全く役立たない。


 本当に景気を刺激するならば、不要不急の買い物をする人にこそ、金券を配布するべきだ。 それは誰か? 私はこう思う。

本人が20歳以上の独身者
15歳以下の孫がいる人
すなわち、どう見ても、経済的に余裕のある世帯である。 心情的には、こうした富裕世帯を、さらに富裕にするような行為は、許しがたいと思う。しかし、景気を刺激するのが目的であれば、こうした人に配布する方が、はるかに効果的だ。

 若い独身者は、収入は少ないが、まだまだ遊びたい盛りで、不要不急の支出には慣れっこだ。一方、孫がいる人は、子育ても終わり、「可愛い孫に何か買ってやりたい」と思う世代だ。特に買うものはなくても、使わなければもったいない。 ふだん買わないようなものを購入して、確実に支出が増加するはずだ。

 なぜ、こういう人達への配布をしなかったのか? たぶん、「配布するなら、経済的に苦しい世帯へ」という考えがあったのだろう。しかしそれは、本来の目的を果たせない、まさに「愚策」と言うにふさわしいものだ。 地域振興券の財源は、当然国民の税金だろう。たったの2万円、しかも1回限りの金券として税金が戻って来るよりは、景気が好転して残業が増え、月々の手当てが5,000円増える方が、ずっと良いはずだ。


 「地域振興券」に踊らされた地元の商店の人達も、実に気の毒だ。「私の店はお釣りを出します」と宣言して、対象店から外された青森の八百屋さんがあるそうだ。たしかに、1,000円の金券でお釣りの出ない野菜など、誰も買おうとは思わないだろう。

 ところで、「地域振興券」は、百貨店や大手スーパーでも利用できるようになっている。全国チェーンで、どこが「地域」なのだろう、という疑問もあるが、それはまだいい。これらの店では、地域振興券での購入に対して、優待割引券や自店の商品券を出す例が多い。「お釣り」は出せないが、商品券などは抵触しないらしい。青森の八百屋さんは、この事実をどう感じているのだろう。


 さて、地域振興券の使用開始から1か月。 誰の目にも、景気が少しも刺激されていないことが、そろそろ明らかになる頃だろう。「わが党が『地域振興券』を実現しました」と鼻高々だった某政党のトーンもダウンして、「わが党の趣旨を骨抜きにした政府が悪い」と、下手な言い訳をするだろう。だが、骨抜きになったものに賛成したのだから、それは連帯責任というものだ。 もちろん、本来の趣旨をないがしろにした政府も、責められて当然だと思う。くれぐれも反省して、一刻も早く、景気回復の有効な手段を講じて欲しいものだ。


This page was updated on Wednesday, April 12, 2000
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引用終わり

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