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(回答先: <戦場に倒れたベトナム女性軍医>トゥイーの日記 [著]ダン・トゥイー・チャム(朝日新聞) 投稿者 gataro 日時 2008 年 11 月 25 日 23:05:15)
http://asugo.blog.ocn.ne.jp/261012/2008/10/post_2ef2.html
2008.10.20
青春の日々
昨日の朝、知り合いの新聞記者からメールが届いた。ある本を読んだ同僚の記者の感想が添えられている。ある本とは、ベトナムのうら若き女性軍医ダン・トゥイー・チャムの書いた『トゥイーの日記』(高橋和泉訳・経済界刊)のことである。二人の感動が伝わってくる。「同時代に生きた女性がこんなにも豊かな感性、勇気を持って生きてきたのかと、あの頃のベトナム反戦運動を思い出しながら、胸がつまりました。きらめく言葉がいっぱいありました」「思わずこんなメールを書くほど、読みながら何度も何度も目頭が熱くなり、本当に心揺さぶられました」と。私はまっしぐらに書店に急行、この本を手に入れて、午後の会合(旭区平和委員会総会)に出かけるまでの間、一心に読みふけった。
この本にはトゥイーの少女期の写真が掲載されている。日本の女の子と見まがう、愛くるしい女性である。彼女は1966年ハノイ医科大を卒業、志願して激戦の地、南ベトナムへ、診療所で懸命に働く。日記は68年4月8日から70年6月20日までのもの。6月22日、米軍の銃弾をうけて戦死、27歳だった。布袋に入れていた日記帳は、ある米兵が持ち去り米本国で保管される。ベトナムに帰ったのは35年後だった。05年6月18日、ハノイで出版されるや43万部を超える大ヒット。この国では異例のことらしい。戦争を知らない若い世代の心に強く響いたという。彼女の自由、独立への想いは熱い。だがときには迷い、孤独を感じ、悲嘆にくれる、女性の青春の葛藤を記した人生ノート。それが共感されるのだろうか。
日本の多くの人々が抱くベトナムへの想いは格別である。日本とくに沖縄はベトナム侵略戦争の前線基地。60年代後半からほぼ10年間、ベトナム人民支援の運動が昂揚した。若者が燃えていた。私たちもそこに交じってビラを配り、カンパを集め、デモを繰り返した。75年春、ベトナム解放勢力が総攻撃を開始、米かいらい政権は全面降伏、”世界最強”のアメリカ帝国主義の完敗であった。トゥイーはこれより5年前に世を去っている。だが、このときを信じていた。母親に語りかけている。「もしあなたの娘が明日の勝利のために斃れたとしても、流す涙は少しでいい。それよりも、価値ある生き方をした私たちのことを誇りにしてほしい」(6月10付)。彼女は心優しい多感な女性であり、そして歴史を変える英雄の一人だった。『トゥイーの日記』は現代青年へのメッセージのようだ。