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PERISCOPE | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ゆとりの時間は北欧でも終わり
株価のことはさておき、北欧のスウェーデンでは学力テストの点数が一気に下がって国中が大騒ぎになっている。かつてスウェーデンの理科の点数は世界11位だったが、95年から07年までの間に中学2年生対象の国際学力テストで42点も点数が下がってしまった。実施国35カ国中、最も点数が下がった国の一つだ。読解力と数学の点数も同様に低下傾向にある。
教育専門家からは、人口構成の変化が原因だという主張が出ている。人口に占める移民の割合は、90年の9%から12%へと増加している。多くはソマリアやイラクなどからの難民だ。移民が集中する学校を一般家庭は敬遠する。また教師も、徐々に人種で分断されつつある学校環境に対応できるような訓練は受けていない。
一方、スウェーデンの教育哲学に厳しさが欠けていると主張する専門家もいる。この国の子供たちは、中学2年生になるまで成績評価を受けない。またカリキュラム基準もほとんどないに等しい。ヤン・ビヨルクルンド教育相は、こうしたおおらかな姿勢は今回のようなテスト結果を受けて変わりつつある、と話す。
現在、教育省は新しい厳格な制度を策定する方針だ。2011年までに小学6年生からの成績評価が始まる。さらに低学年の子供たちも、学力が振るわなければ落第のつらさを味わうことになる。新たに3年生から実施される全国テストによって、点数のよくない子供は進級できなくなる。
http://nwj-web.jp/periscope/20090114.html#p2