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(回答先: Re: 反論する立場にないかもしれませんが、一応同類なので、弁護したいと思いました。 投稿者 町医者 日時 2008 年 9 月 18 日 10:21:39)
『CIA洗脳実験室』
●著者:ハービー・ワインスタイン ●訳:苫米地 英人 ●発行:デジタルハリウッド出版社 ●発売:駿台社 ● 定価(抜き):1900円
●初版発刊:00/4/19 ●ISBN: 4925140183
Outline
本書は1950年代〜1960年代に掛けてカナダを舞台に行われた人体実験の被害者ルー・ワインスタインの息子ハービー・ワインスタインの手によって書かれている。
カナダのモントリオールにあるアラン記念病院の医師ユーイン・キャメロンはCIAとカナダ政府から補助金を貰い患者に対して電気ショック療法、デパターニング、サイキック・ドライビング、睡眠療法、薬物療法を行い実験者の思い通りに行動するかの実験、簡単に言えば洗脳の為の実験を行っていた。
これらの方法をキャメロンは中国がアメリカ兵に対して行った物を参考に研究・発展させていた。話は逸れるがキャメロンが体系化した方法は現代ではオウム真理教の洗脳技術と非常に良く似ているそうだ。
著者が長年父の精神的症状の進行は不幸により訪れ、病院は最善の処置をしたと考えていた。ところが1979年の新聞にキャメロンの洗脳実験の事実が載った事をきっかけに訴訟団の一員として積極的に活動しその経過を本書に著している。
Comment
本書は人体実験の被害者の家族が書いた事で症状の進行や家族の辛さ、著者の心の葛藤などがなまなましく描かれている。但し、プロの作家が書いた様な面白さも無ければ精神医学的な専門用語が多く登場して一般的に読みやすい本ではない事に注意が必要かもしれない。
一般的な人が読む分にはかつてカナダで洗脳実験と言う非人道的な行為が秘密裏に行われていた事があった。訴訟の結果CIAもカナダ政府も被害者やその家族の苦しみも考えずに自分たちが積極的な関与をした事を否定している事。医学界と言う組織が権威のある者の逸脱した行為に自浄作用の働かない事。誰もが知らない内にこの手の実験に関与させられているかも知れない事。洗脳技術に限ればこの様な人道的に劣る技術がオウム等の反社会的組織に現代でも受け繋がれている事。等を読み取ればいいと思う。
近年の日本では医者や病院による不祥事、医療ミスが多く報道されている。これらの事は決して近年急激にその件数が増えた訳では無いと私は考える。只、本書の著者の様な被害者の家族が真実を追究する姿勢をそれぞれのケースで見せた事がこれらの事件が表面化して来た要因ではないだろうか。
難しい本ではあるが機会があればゆっくり読んで欲しい一冊である。