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世界は滅びかけていた。
戦争時代に作られた細菌兵器Z、シベリアの極寒に封印された狂気のウィルスは地球温暖化の中でよみがえり、僅かの間に世界に感染者を広げた。
致死率99%、その驚異の感染力はすさまじい速度で全世界を覆い尽くし、人類はその歴にの幕を閉じる寸前まで来ていた。
そんな中、必死に事態打開を模索する機関は、細菌兵器Zの抗ウィルス薬の存在を知り、特別チーム12人を、シベリアの地割れに飲み込まれた秘密研究施設に派遣、最後の希望に望みを託していた。
チームは3人乗りの特殊車に搭乗、4班に分かれ、シベリヤの地割れに飲み込まれた研究所に到達しようとしたが、途中の難関で次々に犠牲者が発生した。
やっと、目的地にたどり着いた者は5人しか残っておらず、さらに帰還時に1人の犠牲者が生まれた。
さらに、帰還の最終段階として、特殊車にたどり着いたとき、その場にあった特殊車の内の一台は脆くなっていた地割れに飲み込まれ、消失していた。
特殊車の定員は3人、誰かは置き去りにするしか方法はなかった。
残っているのは
抗ウィルス薬についての知識に一番詳しい医学者のA
この作戦には医学者チームも同行したが 、結果的に生き残ったのはAだけだった。
最終的に「抗ウィルス薬を見分け、確保したのはAであった。
特殊車の運転が出来るB
特殊車は操縦も特殊であり、生き残りの内で特殊車を運転できるのは事実上Bだけと言えた。
他の者でも、Bが操縦法を教えれば、運転出来る可能性はあるが、来るときに2台の特殊車は地下深くに飲み込まれており、生還をきすには「Bに操縦を任せるのが最も帰還できる可能性が高い」と言えた。
戦闘のプロのC
目的地に着くのに一番活躍したのはCであった。
戦闘のプロであり、途中で猛獣に襲われたとき、彼がいなければ、チームは全滅していたのは客観的に言える事実である。
事実上、残った人全員にとっての命の恩人であると共に、帰還途中における最大の戦力でもあった。もちろん、帰還時も安全な旅行とは言えない。
地理に詳しいD
シベリヤ出身のためいわば道案内として、同行した。起用に何でもこなせ、Cの援護もできるし、Bほどではないが特殊車の操縦も多少は出来る。
実際に、帰還を最も早く確実に行うためには必要不可欠な存在とも言えた。
帰還時のシベリア地表は猛吹雪が吹き荒れ、磁気嵐によってコンパスは役に立たない。
彼の地理観、方向感、シベリア出身の経験は大きな戦力になり得た。
4人はそれぞれに「自分の残せ」と言い。
誰一人公平なクジ引きは望まなかった。
クジ引きにゆだねることで、必要不可欠な存在が欠ける事を恐れていた。
4人はそれぞれに、自分以外は必要不可欠な存在と主張し、自分の役割は「皆で補ってくれ」と訴えた。
残された時間も限られていて、押し問答をしている時間はなく、彼らが帰還できなければ人類そのものの命運も尽きると言う可能性が高かった。
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以上、小説(ショート・ショート)ですが、あなたなら、どう判断する?