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(回答先: 製品の輸出と労働力の輸出の違いは? 投稿者 赤と黒 日時 2008 年 10 月 15 日 18:43:42)
質問板の方に「質問」とされているので、Kの意見を記しておきましょう。
>【製品の輸出と労働力の輸出の違いは?】
これは、同じであるとも言えますし、似て非なる物とも言えるので一概には答えられません。基本的には「労働力というのは一種の商品(製品)」でしょうが、性質が違うものですから、「別の種類の物」でもあります。
「時は金なり」という事から考えると「洗濯の時間を大幅に短縮してくれる洗濯機という商品と、洗濯をしてくれるお手伝いさん」は、利用者に取っては、同じように「洗濯の手間を少なくしてくれる(=時間的余裕を生み出してくれる)。」という意味では同じでしょうし、もちろん、違うものである事は一々論証する必要も無いくらいに違う物でもあるでしょう。
>【自動車をはじめとして、国際貿易において日本は諸外国への製品輸出で稼いでいますよね?
中国が安くて勤勉な労働力を“輸出”して、外国に失業とデフレをもたらしていると言うのが正しいのなら、
日本も安くて質の良い製品を輸出することで相手国の製造業に打撃を与え、ひいてはその国に失業とデフレをもたらしているのではないだろうか?】
何だか、おかしな主張です。
【中国が安くて勤勉な労働力を“輸出”して、外国に失業とデフレをもたらしていると言うのが正しいのなら】ではなく、それは、外国(この場合は日本とします)の労働者に取っては「間違いない事実」です。
しかし、日本の特に企業にとっては「必ずしも正しい」とも言い切れません。
安い「労働力」は「商品のコスト」に反映し「製品価格を押し下げます。」
商品が安いことは「消費者にとってはありがたいこと」です。
これは、視点を「消費者に固定する」のなら、デフレ効果ではなく内需拡大効果をもたらします。
しかし、日本全体では、「賃金抑制効果」+「失業者増加効果」との兼ね合いになりますので一概に「デフレになる」とも言い切れません。
つまり、この質問中に含まれる「正しいのなら」は、どこに軸足を置くのかによって、変化してしまうので、質問自体が成立していないとするのが適切でしょう。
しかし、もう少し考察してみましょう。
>【日本も安くて質の良い製品を輸出することで相手国の製造業に打撃を与え、ひいてはその国に失業とデフレをもたらしているのではないだろうか?】
というのは、確かにそのような部分もあると考えられます。
しかし、一概に「それが正しい」とも言い切れません。
これは、人件費によるものではなく「技術力によるもの」だからです。
日本に中国人が労働に来て「職を奪う」という時「日本の労働者は賃金のみから判断されれば抵抗のしようがありません。」、中国人以下の賃金で働くとすると「生活が成り立たなくなる賃金」のなら、労働することは出来ないからです。
一方、日本が、中国より「質の良い製品」は作れても「安い」という製品は「人件費的にはあり得ない」はずです。これは「人件費コスト」ではなく「技術力」による「差」ということです。
以上のことから【日本も安くて質の良い製品を輸出する】するというのは、少しおかしいのですが、技術力は「努力によって変化する物」ですから、一概に「日本が不当に利益を得ている」というのも「言い切れない」ということになるでしょう。
もちろん、この見方は「一つの見方」でしかありません。
見方には「色々な角度がある」ので、この見方こそが正しいと「思い込む事こそが危険」なのです。
ですから、この場合は「色々な立場の人の意見を集約して、ルールを作るしかないでしょう。それは、大まかな妥協点で、それぞれの立場の人が納得できる、公平と思われるルールでなければなりません。
つまりは、どこにでも「理不尽はある」ので、それは双方の同意のルール作りでなくすこそが大切ということです。