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8月6日14時10分配信 シネマトゥデイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080806-00000007-flix-movi
2008年に迎えるアメリカ大統領選挙を前に、2000年のフロリダ疑惑だけではなく、2004年にも起きた数々の投票機のシステム障害を焦点に当て、システムの矛盾点に迫ったドキュメンタリー映画『スティーリング・アメリカ/ボウト・バイ・ボウト』(原題)が現在物議を醸している。
果たしてジョージ・W・ブッシュ大統領は、本当に2004年の選挙で勝てていたのだろうか? ドロシー・ファディマン監督と、2000年にマイアミ・デイド郡で再開票の選挙監督だったアイオン・サンチョに話を聞いた。
有権者が投票した後に行われる出口調査を行うエジソン・メディア・リサーチ社とミトフスキー・インターナショナル社は、その場で取った出口調査をなぜメディアに公開できなかったのだろうか。「このケースは、この国で犯罪者が守られてしまうといういい例だと思う。あのデータは、われわれ一般人が所有すべきデータであるはずだ。わたしは出口調査の会社と随分長くかかわってきたが、現在はその投票データ自体の価格が上がり、大会社の傘下にあるメディア関係は、その大会社のコストの削減により、この出口調査にかかわることなく、民間企業の彼らに全部任せているんだ。公共なものであるはずの大統領選挙が私物化されているという意味でもある」とアイオンはからくりを話してくれた。
では投票数約1億2千万を越えた前回の選挙には、約100万人近くのボランティアが参加したにもかかわらず、彼らをモニターとして監視することはできなかったのだろうか? それについてアイオンは「問題なのは、それぞれの州によって法が違うことだ。2004年の大統領選挙の際には、2000年に問題になったフロリダ州に対して国際選挙監視官が介入したものの、その1年後に監視禁止が可決されてしまったんだ」と語った。
これからの選挙に向けて改善すべき処置についてドロシー監督は「ニュー・メキシコ州に住む一人の女性が、問題点の多い投票機に業を煮やし、確実な開票が行える紙で投票を州全体で施行すればいいという発案が州の議会で見事に可決され、それが今年の大統領選挙で実行されるの。国民には個人の認識が物ごとを変えていくことを理解して欲しいわ」と語った。またアイオンは今後の選挙の展望として「2000年の選挙後にミトフスキー・インターナショアンル社が公表した結果によると何百万票もの投票が開票されていなかったことに対して、テクノロジーが疑問視されたため、今度の選挙はタッチパネル式の投票システムより、紙投票で施行される傾向が多くなるはずだ」と話してくれた。
このほかに、選挙に使用された投票機のコンピューター・メモリーカードの改ざんによる数値の変更がわずか1分間でできてしまうことや、その際に必要な鍵はコピー可能で、しかも1つの鍵で同じタイプの投票機を全部開けられてしまうということが、劇中で証明されていく。ちなみにこの使用された投票機の80%は、ディーボルト社とエレクション・システムズ・アンド・ソフトウェア社が扱っていて、この民間企業2社の上層部の人間が、ブッシュ大統領の選挙の際に重要な基金調達者であったことも事実である。
出口調査を行っていた会社のサイトが、投票日の午前12時ごろアクセス不可能になった直後、すべてのニュース番組がこの出口調査の数字の改ざんを行い、わずか1時間でそれまで3%リードしていたジョン・ケリー候補が、逆に3%ブッシュ大統領にリードされるという矛盾点が生じている。最後に、選挙を左右する重要な州として挙げられていたオハイオ州は、22か月間投票数の保管をしなければならないという選挙の規約があるにもかかわらず、その期間がくる前に削除してしまっている。
大統領選挙という国民投票が、公共の手を離れ内密に行われている状態にアメリカ国民は気付かなければいけないのかもしれない。
(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosok)