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Re: 終わりに
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投稿者 影の闇 日時 2008 年 7 月 10 日 23:32:59: HiXvZf/FmwPNU
 

(回答先: 松浦さんへ 投稿者 影の闇 日時 2008 年 7 月 10 日 23:27:27)


さて、初めて言葉を交わしてから凡そ半年、貴方には何かひどくぞんざいな対応に終始したような気がして、心落ち着きません。 貴方が随所に示してくれた御好意に何とか応えようと思いつつ、貴方の言語水準に合わせようと言葉を集めてる内に、結局は、タイミングを逸することの繰り返しになりました。 
貴方の余りの博識ぶりと些かペダンチックな処に、ついつい、身構える事になったのかも?柄にも無く。 

ただ、貴方の書いた物をその後読ませてもらって、その幅広い知識と深い洞察力に改めて驚嘆すると同時に、その際示された高い倫理的な態度に強い共感の念を抱きました。
出来たらこれからも、折に触れて、貴方の書いたものを読ませてもらいたかったのですが、何かひどく幻滅されたようで(ひょっとして私に?)、私としては、次に繋ぐ言葉を見出せません。
明らかに超越系の貴方には、このようなシャバに来るのは、ある種の義務なり使命に駆られるところがあってとは思いますが、裏返せばそれだけ無理してるのかも知れませんね。 (貴方が超越系としたら、hnでも分かるように、私は外部系かな)息抜きとも生理作用とも分からぬような気分の中に、多少ともそれらの感覚が無きにしもあらずの私にとって、貴方のような人に出逢うのは望外の喜びだったのですが。


最後にというのか、本来なら最初に言うべきだったと思うのですが、どうしても一言だけ言いたくなりました。

既に貴方には感じられてるでしょうが、私のスタンスは批評であって、学問というのでもなければ思想でもありません。 私もまぁ斉しなみに学問を考えた時期もあったのですが、自分が今学んでいることは無(意味)じゃないか?と思える瞬間があって、爾来学問というものとは距離を置いてきました。 「科学が階級的技術なのは、利用の仕方に問題があるのではなく、存在論前提からのア・プリオリな原理的性質であって」と書いた貴方には、学べば学ぶ程、自分(達)を否定することなるのではないか?という疑いは、或は解ってもらえるかも知れません。

但し私には、<階級>よりも<身体>の方がより重要に思えて、「学問」の奥底、或はその出発更には究極に、我々とは異質(他者)の<身体>を見出す時、学問をするということは、畢竟、<身体>を真似ぶことに他ならず、果たして真似するに値する程の対象であろうか?という深い所から来る疑いを禁ずることが出来ないからです。  放埓・貪婪極まりない彼等の行動(スタイル)、その軌跡なり痕跡を目の当たりにする都度、産業革命にせよ近代科学にせよ、たかだか数百年程で、人類の存続さえ危ぶまれるに至った近代文明は、<文明>というには致命的な欠陥を持つシロモノであって、それを基準とする如何なる身体活動(知的活動も含む)も究極誤りである、というしかないのではないか?と。


もちろん、私もまたそういった知的活動=「学問の成果」に刺激を受けたり、まぁその上澄みの部分を利用することもありますが、その際、思考のバネとすることはあっても、全面的に依拠することはないーそういった態度は常に維持している積りです。
だからというのか、私のスタイルは、(小林秀雄風に言うなら)己れの悪夢を懐疑的に語るという、極めてイローニッシュなものにならざるを得ない。 貴方から「学問」と言われた時の戸惑いも、少しは解って頂けたでしょうか?

無論、貴方がそうしたもの、特に<近代知>とは距離を置いているのは今回感知することは出来ました。
 しかしながらというのか、それでもなお残るものが在ったことも又事実です。  それが何なのか、遺憾ながら、直観という以外に正確に捉える術を持ちませんが、色々考えた結果、次の様な言い方で擱筆しようと思います。 但しこれは、貴方に向けられたというよりも、やはり、私の立ち位置の確認として理解して下さい。


遊牧・牧畜型に淵源する行為類型とそこから抽出された観念体系及び照合体系に、果たして、どれ程の普遍性があるのだろうか?


                         妄言多謝  

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