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Re: 「白人にコントロールされるな」といったSF市内のワル高校での話(Don't Believe The Hype)
http://www.asyura2.com/08/idletalk30/msg/365.html
投稿者 こげぱん 日時 2008 年 2 月 25 日 23:26:02: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: こどもの携帯電話、ゲーム所持は即刻禁止するべし。百害あって一利なし。コンビ二も夜中はしめろ。 投稿者 東京音頭 日時 2008 年 2 月 24 日 17:12:14)

こちらではおなじみ、常連さんのブログより転載。

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http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10075096902.html

2008-02-25 18:12:34
「白人にコントロールされるな」といったSF市内のワル高校での話
テーマ:社会

「ブラック・ヒストリー・マンス(黒人史月間)」にちなんで、これにまつわる私の思い出を番外編として。

今から8,9年位前の「ブラック・ヒストリー・マンス」に、私はサンフランシスコのガリレオ高校という市内でも最もガラが悪いといわれている高校に講師としていったことがある。私の友人が、ここで英語の教師をしていて、「黒人音楽史でも、日本人の黒人観でも、何でもいい。自らの文化に誇りを持ち、それが自分自身への誇りにつながるきっかけになれば。自分のクラスだから、思いっきり過激にやってくれ」ということだった。

この高校は黒人とヒスパニックの生徒が多く、校長は黒人大学のアイビー・リーグといわれているモアハウス大学を卒業し、教育学博士号を持っているバリバリのやり手。しかし、生徒達の学力は市内でも最下位あたりに位置し、小学3,4年生レベルの英語のスペルも知らない生徒が大勢いる。私の友人はこんな中で、何とか彼等を救いたいと情熱を燃やしていた。

「何のために勉強するのか。その目的がなきゃだめだろう。ヒップ・ホップをエサにつるか」というと、「面白そうだ。ガンガンやってくれ」といわれた。

当日朝、校門の前では校長と警備員が立っていた。校長は生徒一人一人と言葉を交わし、警備員は銃やナイフを持っていないかどうかボディー・チェックをしていた。校長は、「やあ、おはよう。きみのガールフレンドは元気かい? 今日は、学校には来ないのかい? 妊娠何ヶ月だって?」といった具合だ。生徒に対し、1人前の人間として接している。

40歳前後の校長は、私の顔を見るなり、にこやかに笑って、「うちの生徒達は大変タフな生徒達ですが、根は優しい、いい子が多いです。家庭環境が悪いため、この世から取り残されたような疎外感を持っています。そして、自分自身にプライドを持てないでいるんです。そこら辺をどうか意識して、話してやってください」といった。

廊下や中庭では、女の子とキスしあう男の子や、じろりとした目つきでじっとこちらをにらむ物騒な連中がたむろしていたりして、なかなかこちらも身構えたような感じになる。

教室に通され、紹介された。目つきの悪い、ぐれたような子達が、ふてぶてしくいっせいに視線をこちらに向けた。こんな突っ張った連中には偽善と虚飾は通用しない。思い切り本音でぶつかり、過激に言った方が効果があることは経験上、分かっていた。

まず、日本について生徒達がどれだけ知識を持っているか聞いた。「今でも紙の家に住んでいる」「日本人は皆、空手ができる」「サムライが刀をさして歩いている」というお決まりのステレオタイプ的日本人像をもっている生徒が半数以上いた。これは東海岸やその他の地域に比べるとまだましなほうだ。

「私は日本とアメリカの両方の国で生きてきた。どちらの国にも属さず、いつも二つの国の真ん中に立ち、両方の国を比較することが私の習性となってしまっている。今、日本でも若者の間では、大変な黒人音楽・黒人ブームだ。黒人は非常に好意的に思われているのだ」

生徒達は、「へえ・・」といった感じで、真剣なまなざしを向けてきた。ここで日本のラップ・グループのビデオを見せた。振り付けも、歌も可笑しいといって、クラス中が笑い転げる。

「ビッグ・グループのまねをするのは日本だけではないが、特に日本人は昔から物まね好きの国民だ。欧米にひとつビッグ・ヒットのバンドが出れば、必ず細胞分裂したように数多くの物まねバンドが日本には生まれる」

ここでヒップ・ホップのCDをかけて、盛り上げたところで、一気に音楽史の方に話を持っていった。話にあわせて、音と映像をつける。

(私の話)

ラップ・ミュージックは、1980年代になって大衆化されたもので、韻を踏んだごろのいい言葉をリズミカルにビートにのせてしゃべるものとして若者音楽の典型となっているが、これのルーツはどこか。

ジャマイカにはレゲエのスタイルの一種である「DJスタイル(早口喋りの形という意味)」というものがあるが、アメリカ黒人文化の中にも教会の説教師、キャブ・キャロウェイが20世紀はじめに広めた「ジャイブ・トーク(Jive Talk)」に似たような形が見られる。両者の共通点は、西アフリカの伝統文化である「即興性」「呼応形式」(呼びかけ、それに応える形式)「リズミカルな節回し」などを伴った言語文化の影響を受けている点である。

また「ブレイク・ダンス」について言うと、これは頭のてっぺんを地面につけて、それを軸にして進退をコマのように回転させる「ヘッド・スピン」と呼ばれるものや、ロボットのまねをして動く「ロボット・ウォーキング」、月面をすべるような動きをしながら踊る「ムーン・ウォーキング」などがあり、高度な訓練を要するダンスである。

カリブ海諸島には古くからヴードゥー教儀式のためのダンスがあり、それが住民のアメリカへの移住と共に持ち込まれ、流行するようになったといわれている。西アフリカのダンスの特徴である「円形ダンス」やすり足によるステップ、「シャフル・ステップ」などがこれらの中に見られる。特に「ブレイク・ダンス」という言葉は、「ブレイク・ダウン(Break Dow)」に由来しており、その意味は、円陣を作って踊る時に、1人ずつ円の真ん中にはいって自分の得意技を披露することを指す。この方法は、西アフリカの伝統的なやり方であり、「ブレイク・ダンス」の中にもそれが色濃く反映されている。

このようにアフリカ系の人々による音楽とダンスは、現在もアフリカ的要素を保持しながら、さまざまな異文化とぶつかりあい、融合を重ねている。しかし、いまだかつて、ここまで世界の表舞台で注目されることはなかった。

1960年代から70年代にかけて、数多くの白人ロック・グループが出てきたが、彼等が尊敬するミュージシャンはジョン・リー・フッカー、チャック・ベリー、ジェリー・ルー・ルイス、B.B.キングといった黒人ミュージシャン達であった。だが、本家本元の黒人ミュージシャン達は決して、金持ちにも大スターにもなれず、彼等を物まねした白人ミュージシャン達ばかりが大スターになった。

白人(ユダヤ系が多い)によって設立されたレコード会社やプロモート会社、音楽出版社、ラジオ局、テレビ局などが購買力のある白人にターゲットを絞っていたからだ。

しかし、下記のような点において、黒人音楽は世界を席巻するようになっている。

1.メロディーよりもリズムの重視

2.重低音を中心とした、同じリズムとフレーズの繰り返し(グルーブ感が出るといわれている)

これらはいずれもアフリカ音楽の重要な要素でもある。文化人類学の中には、「強い文化は弱い文化を取り込みながら、次第に勢力を増すという言葉がある。こうしてみると、現在、一番勢力の強い音楽文化は、黒人文化だ。これを忘れてはならない(これには、タビストック研究所などの大衆心理をコントロールする研究の成果もあり、彼等は黒人音楽に端を発する若者音楽をそのために利用したわけだが、これについてはいわなかった)。

奴隷として新大陸に連れて来られたアフリカ系アメリカ人は、ルーツを断ち切られているから、自己のアイデンティティーを持てない。だから他のマイノリティーと違って、自己を過小評価し、社会的にも成功する割合が少ないといわれている。しかし、実は立派に祖先の伝統文化を守り続けているのだ。このことに気づき、誇りと自信を持って欲しい。

奴隷となったアフリカ人達は、それぞれの部族によって言葉も異なっていたため、互いに意思の疎通すらできなかった。しかし、太鼓言葉(トーキング・ドラムス)の伝統は決して手放そうとはせず、禁じられていたにも関わらず、密かにその伝統は守り続けた(部族によって多少、たたき方は異なったが)。そしてドラムの音を、奴隷が逃亡する時の合図にも使った。夜、密かに遠くの方からドラムをたたく。それを聞いた奴隷は、その音がする方へ走った。白人達はドラムの音を、「悪魔の音」と呼んで、恐れていた。

逃亡した奴隷達は、「アンダーグラウンド・レイルロード(地下鉄道)」という秘密組織をつくり、他の奴隷達の逃亡を手助けした。

そして数々の困難を経て、現在に至っているが、黒人音楽文化は派手に世界中を席巻しているにも関わらず、音楽業界は白人、特にユダヤ系に完全に牛耳られている。黒人経営のレコード会社は現在、モータウンだけではないか。そのモータウンもユニバーサルから買収されかかっている(このすぐ直後に買収された)。これでいいのか? いつまでも白人(ユダヤ系)にいいようにビジネスをコントロールされていていいのか? 制作者がもうけるビッグ・マネーに比べれば、アーティストのロイヤルティーや出演料などたかが知れているが、それでいいのか? なぜ自分たちでビジネスをコントロールしようとしない? いつまでも使われていていいのか?

いつまでも白人に使われる奴隷でいるのがいやなら、自分たちがクリエイトした大切な作品をいいように利用されるのがいやなら、勉強せよ。勉強して、だまされないようにせよ。今からでも遅くない。死ぬ気になってやれば何でも可能だ」


終わったとたん、皆、立ち上がって拍手してくれた。そして、帰り際、皆が私に握手を求めてきた。私にとっても、最高の「ブラック・ヒストリー・マンス」の思い出となった。しかしながら、経済のグローバル化により、大手レコード会社も再編・統合されて、「第二のモータウンを目指せ」といったこと自体、今となっては到底不可能そうな風向きとなってしまった。

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**市内の公立で最も優秀な生徒が集まる高校(Gifted Program-英才教育プログラムのある高校)の卒業率と最下位の高校の卒業率を比べてみると、これだけの開きがある。なおカリフオル二ア州の場合、K−12年生(日本式にいうと幼稚園から高校3年。カリフォルニア州では高校は4年間)までは義務教育なので、授業料は全く無料。教科書は貸し出し、学用品は無料で支給してくれる。生徒一人当たりにつき、 $3,451.79 (約350万円)州政府が負担しているよう(1998年度)。

(最も良い高校)

http://www.cityrating.com/school/schoolProfile.asp?School=Lowell+High&City=San+Francisco&State=CA&SchoolType=High

(もっとも悪い高校)
http://www.cityrating.com/school/schoolProfile.asp?School=Galileo+High&City=San+Francisco&State=CA&SchoolType=High


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