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Re: れんだいこのカンテラ時評376【音楽著作権法に於けるプラーゲ旋風事件考】
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投稿者 こげぱん 日時 2008 年 3 月 20 日 19:26:36: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: れんだいこのカンテラ時評377【著作権法の法理構造考】 投稿者 こげぱん 日時 2008 年 3 月 20 日 19:24:44)

http://otd10.jbbs.livedoor.jp/1000013618/bbs_plain

れんだいこのカンテラ時評376 れんだいこ 2008/03/15 18:11

 【音楽著作権法に於けるプラーゲ旋風事件考】

 音楽著作権法に於ける「プラーゲ旋風事件」の重要性が分かってきたので愚考しておく。「プラーゲ旋風」とは、1931(昭和6)年、外交官、軍人、日本語教師、大学教授と云う様々の肩書きを持つ異色の人プラーゲが、ヨーロッパの著作権管理団体の代理人に登用されたと称し再々来日し、東京に著作権管理団体「プラーゲ機関」を設立したことから始まる。

 プラーゲのユニークなところは、楽曲演奏(生演奏、録音媒体の再生も含む)する全ての事業者に対して、プラーゲが管轄する西洋楽曲の使用対価料の請求を始めたことにある。対象事業先に多額の使用料を請求し、支払わない事業団体に対し内容証明郵便を送り付け裁判に訴えた。中でも、宝塚少女歌劇団への厳重注意、松竹歌劇団の告訴(「プラーゲのつむじ風、松竹歌劇団を襲う」)、三浦環のオペラ公演の中止運動等々が目を引く。

 1932(昭和7).7.22日、「プラーゲ機関」はNHKをも襲う。NHKに対して外国音楽放送の著作権使用料を請求し、月極め600円の使用料を支払わせた。ところが、NHKはその後反発した。契約交渉が不調に終わり、NHKは1年以上にわたって海外楽曲の放送をとりやめるという事態に陥った。NHK史上の椿事である。これらの活動が大きな話題になり「プラーゲ旋風」と呼ばれた。

 当時の政府は、由々しき事態として対応法案づくりに向かった。内務省がその任に当たる。1934(昭和9)年、著作権法を改正し、放送局がレコードで音楽を演奏する場合、出所明示を条件に自由とした。1937(昭和12)年、日本の作曲家の権利を管理する「大日本音楽作家出版者協会(山田耕筰等が所属)」が設立され「プラーゲ旋風」に対抗することとなった。当時の新聞の見出しは、「門出の血祭りにプラーゲを粉砕 不遜な提案一蹴の申合せ」、「プラーゲ旋風、文化を破壊する勿れ」等々と記してエールしている。

 1939(昭和14)年、政府が、「著作権に関する仲介業務に関する法律」(仲介業務法)を制定した。著作権管理の仲介業務は内務省の許可を得た者に限るとし、音楽著作権を管理する唯一の団体として「大日本音楽著作権協会(今日のJASRACの前身)」、文芸著作権を管理する唯一の団体として「大日本文芸著作権保護同盟」が認可され設立された。プラーゲ博士の許可申請は却下された。

 1940(昭和15).10月、「大日本音楽作家出版者協会」解散。1941(昭和16)年、天市(瀋陽市)に開設した東亜コピライト事務所の行為が仲介業務法違反に問われ、罰金600円の判決を受ける。1941年、同法違反で罰金刑を受けたプラーゲがドイツに帰国。大東亜戦争開戦前夜の動きであった。

 れんだいこは、なぜ「プラーゲ旋風事件」に注目するのか。それは、ジャスラックが今日、誕生の元一日の理を忘れ、かってのプラーゲ機関化していることの変態性を確認する為である。見てきたように、「著作権に関する仲介業務に関する法律」(仲介業務法)が、日本の音曲文化を護持せんとして打ち出された経緯があり、直接的には「プラーゲ機関」の独占的排他的高額対価請求活動を掣肘する為に生み出されたものである。同法を受けて今日のジャスラックの前身である「大日本音楽著作権協会」が生み出されたという経緯自体が、「ジャスラックのプラーゲ機関化」を自己否定しているはずではないのか。こう受け止めるべきではないのか。

 にも拘らず、「ジャスラックのプラーゲ機関化」を促進せしめている昨今の風潮を如何せんか。今ジャスラックは、当時の「プラーゲ機関」よりも質が悪い。ジャスラックは、「プラーゲ機関」も思いもよらなかった事業者規制のみならず利用者規制へと歩を進め、エンドユーザーにまでの川上から川下まで至るオール使用対価料請求に明け暮れている。その結果、日本の国技である日本相撲協会でさえ年収150億円のところ、何とジャスラックは1500億円を超え単独突出する巨大社団法人と化している。

 それにしても、こういう倒錯、この巨額売上がなぜ生じたのか。社団法人は本来、そんなに稼ぐものだろうか。ここが問われねばならない。その皺寄せは無いのだろうか。これも問われねばならない。ジャスラックの変態化は日本の政治構造が或る時を境に転換して以来のものではなかろうか。こう問わねばならない。

 れんだいこの確認するところ、1970年代までは、新旧著作権法はまだしもある種の弁えを持っていた形跡が認められる。ロッキード事件を経由してハト派政治が脳震盪を見舞われ、1980年代に売国系中曽根政権が登場して以降、現代強権著作権派が勢いを増し、防衛費の伸びと歩調を合わせるようにジャスラックが闊歩し始めたのではないのか。

 つまり、施政当局者の人格が変わり、著作権法に限って云えば当初の「大日本音楽著作権協会」精神からは決して生まれない親プラーゲ機関的著作権論者が日本の音楽界権力を掌中にしたことにより、ジャスラックの活動が一気にユダヤ商法化し、売上増殖自体を自己目的化し始めたのではなかろうか。それは、日本政界のハト派からタカ派への主導権転換と相応している。れんだいこはこのように見立てている。

 結論として、ジャスラック批判の嵐が今後どこかで爆発するであろう。これを予言しておく。それは既成マスコミでは為し得ない。なぜなら同じ穴のムジナだから。叩けるのは、我々が自主自律的に創造した和製アルジャジーラ放送局を通してだろう。一刻も早く向かわねばならない。

 この放送局さえあれば、先のイージス艦事故に際しても、事故直後10分間のイージス艦側の救出活動の有無を究明し、救出活動しなかったことがはっきりすれば関係者総員辞表始末することになろう。石破大臣の辞任はそれからのことである。ところがいけない、いきなり石破の辞任要求に向かい、それもロス事件で報道切れし、今はもう別件に向かい参議院で懲りない質疑をショー化させている。政治が政治役者どもによって弄ばれているといえばそれまでのことではあるが。

 2008.3.15日 れんだいこ拝

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