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(回答先: バーナンキFRB議長は、ドル札をいくらでも刷って金融機関や企業、さらに個人に流し込み、「デフレスパイラル」を止める。 投稿者 TORA 日時 2008 年 12 月 18 日 14:49:47)
◆難局に立ち向かう“ヘリコプター・ベン 12月18日 Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/358
各国中央銀行は近く、デフレに対する最強の武器に頼らざるを得なくなるかもしれない。紙幣印刷機と空からカネをばら撒く「ヘリコプター投下」である。
これはまさに、米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が長年備えてきた局面である。この武器に効果はあるのか? 答えは紛れもなく、イエスだ。
この武器を何の遠慮もなく使えばデフレは退治できる。だが、その後、正常な状態に戻すことは、ずっと難しい。
バーナンキ氏はまだFRB理事だった2002年11月、この問題について有名なスピーチを行った。当時は2000年の米国株バブル崩壊からあまり時間が経っていない頃で、政策立案者らは米国が近く日本に続いてデフレ――物価が全般的に下がり続ける状態――に陥るのではないかと懸念していた。
◆2000年代前半のデフレ懸念は杞憂に終わった
しかし、バーナンキ氏は当時、「近い将来、米国で深刻なデフレが起きる可能性は極めて小さい」と主張した。彼が指摘したのは、「米国の金融システムの強さ」だ。「過去1年間の激しいショックにもかかわらず、我が国の銀行システムはなお健全で、しっかり規制されており、企業と家計のバランスシートも概ねいい状態にある」――。
「誇り(pride)」と「没落(fall)」という言葉が頭に浮かんでくる。6年の歳月と住宅・信用バブルを経て、バーナンキ議長は悲しみを覚えながら、前より賢明な人間になっているに違いない。
バーナンキ氏の見解は、「問題から脱する最善の方法は、そもそも問題に陥らないことだ」というものでもあった。デフレ期待を反転させるのは難しいという懸念が、FRBが2007年8月の危機勃発以来、政策金利を急激に引き下げてきた背景にある。
デフレは現実的な可能性なのだろうか。インフレのコア指数は、答えが「ノー」であることを強く示唆している。だが、期待インフレ率を示す1つの指標――一般的な国債と物価連動債の利回り格差――は、14ベーシスポイント(bp=1bpは100分の1%)まで縮小した。さらに、米国の10年国債の利回りは既に、危機が始まって6年経った1996年当時の日本のそれと同じ水準にある。
では、中央銀行はなぜデフレを恐れなければならないのか。まず、デフレが起きると、通常の金融政策で実質マイナス金利を実現するのが不可能になる。デフレのスピードが速ければ速いほど、実質金利は高くなる。
すると次に、1930年代に偉大な米国人経済学者アービン・フィッシャーが説明したように、「負債デフレ」――物価下落に伴い実質債務が膨らむこと――が致命的な脅威になる。GDP(国内総生産)比で見た民間部門の負債総額が、1978年の118%から2008年に290%まで膨れ上がった米国では、負債デフレは、大量破産と需要減退、さらなるデフレという負のスパイラルの引き金を引きかねない。
◆FRBが世界最大の銀行になる日
FRBは既に、経済を浮揚させるために異例の対策をいくつも取ってきた。12月10日時点でFRBのバランスシートは2兆2450億ドルに達し、1週間で1240億ドル、1年間で1兆3780億ドルも膨れ上がった。
FRBは国債や社債を幅広く保有しており、米国債4760億ドル、「ターム物債券」4480億ドル、コマーシャルペーパー(CP)3120億ドル、さらには米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)向け融資570億ドルを含む「その他融資」2330億ドルを抱えている。この調子でいくと、FRBは世界最大の銀行になるかもしれない。
FRBには何か制約があるかと思えば、そうでもない。ロバート・ムガベ*1が示したように、誰でも紙幣印刷機をうまく運転できる。金利がゼロになっても、FRBはまだまだ金融を緩和できる。実際、カネは際限なく創出できるのだ。