★阿修羅♪ > 国家破産60 > 672.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu182.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、ドル札をいくらでも刷って金融
機関や企業、さらに個人に流し込み、「デフレスパイラル」を止める。
2008年12月18日 木曜日
◆日銀追い込むグローバル・デフレ 12月18日 田村秀男
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081218-00000516-san-bus_all
米国の連邦準備制度理事会(FRB)は「ゼロ金利」政策にまで踏み込んだが、その真意は「量的緩和」政策にある。金利をなくしてカネの流れに弾みをつけ、ドル札をいくらでも刷って金融機関や企業、さらに個人に流し込み、物価が底なしに下落する「デフレスパイラル」を止めようというわけである。
日本は1990年代にデフレの恐怖を体験した。バーナンキFRB議長は日本の教訓から克服策を検討してきた。デフレ下ではカネはモノに対して値打ちが上がる。ならば使わずにおこうと消費者は考え、企業は投資を控えるので景気は一層冷え込む。需要が減退するので、物価はさらに下がる負の連鎖にはまる。
閉塞(へいそく)状況の打開策はただひとつ。金利ゼロのドル資金を抱える銀行などが低利融資に走らざるを得ないようにする。カネが住宅や株式市場などに向かえば市況は底を打つはずだ。日本の場合、カネは余っているのに必要なところに回らない。超低金利下にもかかわらず銀行は預金であふれかえる。だが、企業には届かない。
日銀は2001年から06年までの量的緩和政策とゼロ金利政策で世界に先駆けた。ところが本当に効果があったのか確信がない。金利を操作できず日銀券を発行するだけなら中央銀行は無力化すると恐れる。短期金融市場など不要になり、日銀OBの就職先もなくなる。
日銀はこの際、大局を見据える必要がある。事態は今や「グローバル・デフレ」である。金融商品バブルによる欧米の金融機関の損失額は欧米の国内総生産(GDP)の3分の1、円換算で1000兆円を超える。欧米金融機関は一斉にこれらの金融商品を現金化し、損失処理するから、資金は絶対的に足りない。
また、日本の金融機関も焦げ付きを恐れて貸し渋り、企業が資金調達のための短期の証書CP(コマーシャルペーパー)を発行しても銀行や生保が買ってくれない。大企業がそうなら、中小、零細企業はさらに深刻だ。米国の金利が日本よりも低くなって、円高ドル安が加速してデフレ不況を悪化させる。無関係だと思っていたら、いつの間にか日本自体がグローバル・デフレという大津波にのみ込まれかけている。
選択肢はFRBと同じだ。量的緩和政策とそれを可能にするためゼロ金利の復活である。日銀がためらうなら、財務省がそのお株を奪うだろう。CPは財務省支配下の日本政策投資銀行に買わせる。財務官僚の権限はまだある。円高進行防止のために大掛かりなドル買い介入をし、新規に流した円札を市場に放置することで量的緩和の状況を作り出す。そうなると日銀はもはやいらなくなる。(編集委員 田村秀男)
(私のコメント)
銀行はBIS規制の制約があって、株や土地の値下がりで融資余力が無くなっている。政府の赤字財政で国債発行残高は増える一方だ。従来の伝統的な景気対策では打つ手が無くなり、日銀は非常手段でデフレ脱却を目指すべきだ。バーナンキFGB議長がやろうとしていることは非常手段であり、中央銀行が直接市場介入することで最後の貸し手の責任を果たす。
それに対して日銀は従来通りの金融政策しか行なおうとしていない。役人は前例の無い事はやろうとしないし、政治家は経済の事が分からない。日本の学者は欧米の学者の受け売りばかりで、日本経済の事が一番分かっているはずの日本人は思考停止状態だ。
バーナンキは従来からのヘリコプタマネーの理論家ですが、日銀はこのような非伝統的な金融政策には反対している。ヘリコプタマネーとは銀行から国債などを買い取る買いオペだけなく、機関債やモーゲージ担保証券なども買い取って株や不動産にも資金を注入してデフレ脱却を図る。
このように書くと株や不動産をもっていない人に不公平だと言う意見が必ず出てきますが、金を持っているにもかかわらず株や不動産を買わないリスクは自分で負うべきだ。デフレとは金持ちが金を溜め込んで使わなくなるからデフレになるのであり、金庫に退蔵された現金はデフレだと価値を増すからますます金持ちは金を使わなくなる。
もし1500兆円の金融資産のうちの10%の資金が株に向かえば株式市場は大暴騰するだろう。不動産市場に向かえば銀行の不良債権の処理が進んで、融資余力が増えて金融も活発化するだろう。このような経済の仕組みが分かっているからバーナンキは非常識な手段で市場介入する。
日銀がもしこのような手段をとらないというのなら、田村秀男氏が言うように日本政策投資銀行を第二日銀にしてやらせればいいのだ。デフレギャップが存在する限り紙幣を印刷してばら撒いてもインフレにはならない。国債を買い取る形でもいいし日銀が直接債券やCPを買う形でもいいが、そうしても円が売り込まれることは無く、円高で悩む日本だから出来る事なのだ。