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私Ddogは、かつて阿修羅掲示板に君臨された、故あっしら殿と野口旭の「ケイザイを斬る!」に感化され、インフレターゲット論を支持したことがあります。
劇薬であることも承知しておりましたが、失われた10年下の日本のようなデフレ経済には検討すべき政策の一つであったかもしれません。しかし、現在のようにディスインフレ下の世界経済状況で下では、けして使ってはいけない経済政策となってしまいました。
いや、もしかしたら、デフレ経済下でも導入してはいけない禁じ手だったかもしれません。結果からすれば、導入せずに済んだ日本の幸せを感じ、自分の見識のなさを反省するばかりです。
この時勢にポール・クルーグマンのノーベル経済賞受与は世界経済を地獄と化すことをスウェーデン王立アカデミーの選考委員たちは望んでいるのだろうか?
週刊新潮’08.10.30P53〜54
朝日が賞賛「ノーベル経済学賞」クルーグマン教授の悪評
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今年のノーべル賞については、物理学賞・化学賞での日本人の快挙ばかりが伝えられる。が、そのウラで密かに波紋を呼んでいるのが、経済学賞だ。受.賞が決まった米プリンストン大のボール・クルーグマン教授(55)に関して専門家から聞こえてくるのは、朝日新聞の「賞賛記事」とは正反対の「悪評」−
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〈米住宅バブル再三警告〉クルーグマン教授のノーベル経済学賞受賞決定を伝える朝日新聞(10月15日付)の見出しだ。
目下、黒い雲のように世界中を覆う株安連鎖。その発端となったのがアメリカの住宅バブル崩壊だということは周知の通りである。
朝日の記事では、<世界的な金融危機への警鐘を早くから鳴らし>続けてきた、と同教授を紹介。<授賞理由となった理論と直接の関係はないが、新自由主義的政策のひずみが相次いで表面化しつつある今、クルーグマン氏が繰り返してきた批判が説得力を強めているのは確かだ>
なるほど。さすがはノーべル賞学者、大した先見の識だ……。そう思わせられるのだが、経済学の専門家たちの反応は些か違うようだ。慶応犬学ビジネススクールの小幡績准教授はブログにこう綴っている。
<彼は、学間に貢献したし、素晴らしい頭脳も持っているだろう。/唯一の欠点は、彼の大好きな現実経済の議論において、彼の言うことは、ほとんど間違っているということだ>
上武大学大学院の池田信夫教授も自分のブログで、<クルーグマンは「経済学のマイケル・ムーア」みたいなものなので、これはカンヌ映画祭でムーアの(とても芸術的とはいえない)映画がグランプリを受賞したようなものでしょう>
一体、どういうこと!?
的外れな提言「新聞では、クルーグマンが今日の金融危機に早くから警鐘を鳴らしたことが評価されていますが、良識ある経済学者は皆、アメリカ経済の異常を以前から指摘していましたよ」とは、小幡准教授。
「現実経済への論評の中で、不況に陥った90年代末の日本に対する彼の提言は誤っていました。彼は、インフレターゲットの設定により、インフレを起こし、消費を喚起せよと訴えた。が、構造不況で将来不安がある中でインフレが起これば、実質所得が減り、さらに将来に備えて貯蓄をし、消費はさらに落ち込むはず。現実の日本経済を観察せずに、影響力の大きい彼が机上の理論だけで政策を提言するのは、不誠実でした」
この流れを受け01年、竹中平蔵経済財政担当相(当時)が日銀にインフレターゲットの導入を要請したが、速水優総裁(同)は「ばかな金融政策」と一蹴。結局、導入は見送られた。
一方、今回の受賞に関する海外での反応はどうか。
<(同氏が)ブッシュ政権とジョン・マケインの辛辣かつ影響力のある批判者であったことを考えると、大統領選の3週間前という授与タイミングは、挑発的>
そう書いたのは英フイナンシャル・タイムズ紙だが、先の池田教授も同意見。
「政治色が濃く、感情的にブッシュ叩きをしてきた彼を今の時期に選出することが果たして適切なのか。スウェーデン王立科学アカデミーが民主党にお墨付きを与えたのではないか、と見られかねません」さらに池田教授は、「彼の受賞により、日本の馬鹿な学者が"やっぱりインフレターゲットを導入すべし。と言い出しかねない。そうなれば、日本経済は間
違いなく混乱します」他人事ではないのである。
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【Ddogの解説】
私は、かつてインフレターゲットを支持しましたが、結果からすれば日銀の独立性を維持したおかげで、日本がジンバブエ経済のような悲惨なインフレにならずに済んだ。
日本は国債地方債政府保証債など政府債務が、天文学的に膨れ上がっているにもかかわらず、ほぼゼロ金利.ゼロインフレもしくはデフレの状態が続いている。実はこれは正常な状態ではなく、極めて綱渡り的な上に成り立つ幸せな状態であることの自覚が私を含めて無い。
今の日本の政府債務はGDP比で見て、160%を超えており、現時点では世界最大である。歴史を紐解くと、財政赤字がGDP比で100%を大きく越えた国は歴史的にハイパーインフレか、スタグフレーションが発生し、革命か暴動、エネルギーが内側に向かえば内乱に向かうか、外に向かえば軍事的侵略を行ってきた。
財政赤字が巨大になると、市中や外国で債務の引き受けてが消失する→政府が中央銀行に圧力をかけ、輪転機を回し紙幣を刷ってそれで国債を買うことを迫ってくる。
当初は、中央銀行も政府の要請を拒否するが、人事などで締め付け最終的には中央銀行も拒否できなくなってしまい、紙幣が大量に印刷されることになる。
そうなった場合経済はハイパーインフレになるか、あるいは極端な金利上昇が起こる。過去にハイパーインフレになった国では、中央銀行が政府の圧力を受け止めきれずに、政府の言いなりになったのが原因である。
その意味でも日本がインフレに悩まされないのは天から授かった大変な祝福はかもしれません。大変な例外的な幸せかもしれません。
日本は、高金利にもハイパ―インフレにもならずに済んでいるのは、日銀が政府の圧力を撥ね付け、独立を維持したからである。
実際に、日銀に対しては国内の政治家や内外の学界からすさまじいプレッシャーが何度もかかってきた。クルーグマン教授やその周辺の人たちは、「日銀が輪転機を回せばいいのだ。日銀は『インフレを放置する無責任な中央銀行になる』と宣言すべきである」とまで言ったのである。実際にクルーグマン教授はいくつかの論文にそうした主張を記している。
クルーグマン教授は「日本は200%〜300%のインフレにすればいい」と、無責任に主張していた。
竹中平蔵や元政府税調会長本間大阪大学教授あたりは「政府は財政再建をやるので、日銀はそれに見合った金融緩和をしてほしい」という圧力がたびたびあった。まさにクルーグマン教授たちの言いなりになっていたわけである。さらに付け加えれば、竹中平蔵氏を含む日本の政治家の何人かから、「これ以上日銀が政府の言うことを聞かないのなら日銀の独立性を剥奪する」という脅迫発言まで飛び出したが、それでも日銀は動揺しなかった。
日銀の前福井総裁はそんなバカげた話には乗らなかったし、その前の速水優総裁も乗らなかった。そのおかげで、今の国民の生活が維持されているのである。
もしもクルーグマン流の200%〜300%のインフレの話に当時の日銀が乗っていたら、今の我々の生活は減茶苦茶になっていたであろう。下手をすれば、日本円は紙屑になり、その混乱から日本のGDPも半分ぐらいになっていたかもしれない。
日銀は、日本の経済状況がこれ以上悪化するのを防いだといえるかもしれません。
そういった意味で、クルーグマンの受賞は、大江健三郎と金大中程度の評価となろう。大江健三郎がノーベル賞作家だということを賞賛するのはマニア(しかもマイナー)だけだ。ノーベル賞もああそうだったね程度にしか認識が無い。
金大中に至っては金で買ったとまで言われ、ノーベル賞の権威を著しく冒涜した男もいました。
そういった点でポール・クルーグマンのノーベル経済賞受賞には異議あり!です。
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/18779403.html