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(回答先: 消費税を上げても財政が均衡し、年金制度が安定する根拠示せ。 投稿者 一言主 日時 2008 年 5 月 30 日 12:49:37)
「政府の経済モデルのトリック(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第77弾です)
それが、単なる学説であり、研究論文であるなら我々はそれほど気にも掛けないだろう。現実離れした経済モデルであっても、単にそれが世間を知らない学者の思いこみであれば見逃しただろう。しかし、内閣府のモデルは違う。その結果に従って国の経済政策が決められていて、間違えた経済政策のために日本経済が没落している。だから、政府はそのモデルに全責任を持たねばならぬ。このモデルのトリックは専門家には一目瞭然なのだが、素人にはなかなか分かりにくいようだ。
内閣府以外にも、経済シミュレーションをやっているのが参議院調査情報室である。これは自見庄三郎参議院議員の要請に基づき計算されたものだ。こちらは、国民を騙そうとしておらず、ずっとまともだ。図1で、両方の結果を比べた。公共投資をGDPの1%分継続的に減らした場合の名目GDPの変化を示した。参議院調査室の試算ではどんどんGDPが下がっているが内閣府は横ばいだ。どちらが正しいかお分かりか。
図1
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/05/28/photo_2.jpg
皆さんはデフレスパイラルという言葉をお聞きになったことがあると思う。政府が公共投資を減らす。そうすると、最初に建設会社等が打撃を受ける。今まで政府から民間に流れていたお金がストップし注文が来なくなるからだ。建設会社に資材を納入していた会社も打撃を受ける。もちろん、それらの会社の従業員の給料もへるし、リストラされる者も多い。そうすると、消費が落ち込む。それが更に会社の売り上げを減らす。つまり際限なく経済縮小に向かうのであり、参議院調査室のデータはそれを示している。
それが全く起こらない内閣府のデータはインチキであることはすぐ分かる。彼らのモデルでは、日本の経済は絶好調であり、失業者は一人もおらず、遊んでいる設備などなく、すべてフル稼働している。だから、政府の公共投資のお陰で仕事ができなかった民間企業が、政府の公共投資削減を待ってましたとばかり、操業を始めるから民間投資も住宅建設なども一気に伸びてくるということになっている。内閣府が実体経済を見ていないことは明らかだ。小泉さんが公共投資を削り始めてから、住宅建設は伸びるどころか減少している。参議院調査室のモデルでは、もちろん民間投資は減る。国から入っていたお金が入らなくなるのだから、当然民間投資は減る。
内閣府のモデルでは、いくら増税しても、いくら歳出を削減しても、「超好景気」の日本経済にとっては、心地の良いそよ風のようなものだと言いたいのだろう。GDPの減少は小幅でしかも一時的だが、税収の増加は毎年持続し、歳出の削減はずっと確保されるという現実離れしたものとなっている。だから最初に1,2年を我慢すればあとは財政が改善するという珍説だ。その珍説を盲信した小泉氏が緊縮財政を行った。しかし、その説はもちろん正しくなかった。3年以降も借金は増え続けた。小泉氏が2001年に緊縮財政を初めてから今年で8年目になるが、国の借金は減っていない。
自らを浅学非才と言った彼は、どうして借金が減らないのだろうと頭を抱えた。答えは簡単だ。内閣府のモデルは国民を騙すために作られたでのあり、小泉氏もそれに騙されてしまったのである。日本経済は「超好景気」などではない。デフレ下の緊縮財政のお陰で、世界経済の中で急激に没落をしている状態だ。デフレ下での緊縮財政で財政が健全化することはあり得ないことは、経済学の常識だ。なぜ、昭和恐慌や世界大恐慌の経験を生かさないのか不思議でならない。現在の日本経済が「超好景気」であるという前提の経済モデルで考えているから、増税だの歳出削減だのという政策しか頭に浮かばない。そんな経済政策は止めて頂きたい。
図2では、公共投資をGDPの1%だけ削減したという仮定で計算した国の債務のGDP比を、2つのモデルで比べた。内閣府のモデルでは、歳出を減らしても名目GDPが減らないという無茶苦茶な仮定をしているのだから、もちろん債務のGDP比は一気に減ってくる。実際は小泉内閣の緊縮財政政策で債務のGDP比は減らなかった。参議院調査情報室の計算では、逆に債務のGDP比は増えるとなっている。GDPも税収も減ってしまうので当然のことだし、実際に起こっていることを見事に説明している。デフレ下で、緊縮財政をやればやるほど財政は悪化する。結論は簡単だ。お金を刷って積極財政を行いなさい。そうすれば財政は健全化しますということ。
図2
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/05/28/photo_2.jpg」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_57bd.html