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高成長でも手放しで喜べない日本の実質GDP成長率(KlugView)
2008/05/16 (金) 14:51
内閣府が発表した今年1−3月期の実質GDP成長率は、前期比年率3.3%増と、市場予想(同2.5%増)を上回り、1年ぶりに3%を超える高成長となりました。GDPを項目別にみると、個人消費が前期比0.8%増と高い伸びを示したほか、外需が成長率を2%以上も押し上げています。
成長率が高めの結果となったものの、日本株市場は大きな反応を示しませんでした。GDP発表後の日経平均株価の寄り付きこそ前日より112円高で始まりましたが、その後はジリジリと値を下げ、午前の終値(前引け)は前日比22円高で終わっています。
日本株市場が示したように、今回発表された実質GDP成長率は、あまり高い評価を与えない方が無難に思えます。表面的には高い成長率だったかもしれませんが、実態はほぼ事前予想通りで、むしろ日本経済の先行き懸念を高めてしまったような気もするからです。
今年1−3月期の実質GDP成長率が高めに出た理由の1つとして「うるう年」の存在が指摘されています。今年の2月は例年より1日多く、個人消費を中心に今年の1ー3月期の成長率が高めに出やすい状況でした。例年は28日しかない2月が、今年だけ29日だった、つまり2月の日数は例年より3.5%も多かったわけで、成長率が高めに出るのは自然のことといえます。
昨年大きく減少した住宅投資が、若干とはいえ成長率を押し上げた理由についても注意が必要です。今年1−3月期のに住宅投資は、前期(昨年10−12月期)から4.6%も増加しています。ただこれは、昨年の建築基準法の改正で住宅投資が9.5%も減少した反動による面が強く、統計が発表される前から分かっていたことでした。
成長率を押し上げた外需も要注意です。輸出はたしかに伸びたのですが、これはほとんどが1月の伸びによるもので、2月以降の輸出は、米国景気の先行き不透明感などを背景にアジア向けを中心に失速しています。4月以降も輸出環境に大きな変化は見当たりませんので、1−3月期の成長率を押し上げた外需は、4−6月期は逆にマイナス要因になるかもしれません。
1−3月期の成長率が高かっただけに、今後、我々は、4−6月期の成長率がマイナスになる可能性も視野に入れるべきかもしれません。特にマインドの悪化が進んでいるだけに、個人消費の動向は注目ポイントに思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年1−3月期の実質GDP成長率は、前期比年率でどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
3.3%増
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/05/16/002796.php