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預金は眠らない
「金融」という言葉を聞くと難しいと思われるかもしれませんが、実は単に、お金を貯めたいと思っている人がお金の不足している人や企業などに資金を提供することなのです。私たちが銀行や郵便局に預けたお金は、何となく金庫に保管されているように錯覚しますが、それでは利子は生まれません。私たちのお金は必ずどこかへ貸し出されされて企業などの投資に使われ、利子を生んでいるのです。つまり、貯金をするということは、投資をすることと同じことなのです。
金融には、投資という側面以外に、お互いの「信用」関係である、という側面があります。私たちは普段、お金を貸したら返しそうもない人にお金を貸したりはしません。「信用」できそうな「安全」な郵便局や銀行にお金を預けるでしょう。しかし、預貯金は高金利で安全であればよいのでしょうか?
私達が銀行や郵便局などに預けている預貯金は現状 1,000兆円を超えています。そのうち、約 300兆円を住宅ローンや消費者ローンなどの形で個人が利用し、約 200兆円を国や地方自治体が利用、残りの大部分を企業が利用しています。また、一部は海外で使われています。
例えば郵便貯金であれば、大蔵省の管理する財政投融資資金となり、国内では原発・リゾート開発・ダム・取水堰・空港・高速道路・スーパー林道などの公共事業に、海外では乱開発ODA・第三世界の累積債務を作った世界銀行やIMF(国際通貨基金)などに融資されています。
また、銀行預金であれば、企業などに融資されたり、株式として投資されたりしています。これが、バブル経済の原因となった土地取り引きなどの資金になったことは言うまでもありません。
もし私たちがこれらの開発や融資に疑問を持っていながら、郵便局や銀行にお金を預け、お金の使い方を問題にしないとすれば、いくら言葉で反対していても、それらを資金面で支援している事になってしまいます。過去日本が侵した侵略戦争の資金として、国の予算規模の約8倍にのぼる私たちの預貯金が使われてしまったという前例もあるのです。
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そして未来バンク
郵便局や銀行の融資先に目を光らせることも大切です。でも、金融機関を信用して任せておきながら、配慮が十分でなかったと非難するだけでは、十分とは言えないでしょう。
私たちは大銀行や国家に頼りながら批判するだけではなく、自分たちの信用とコミュニティを広範に作っていく必要があるのです。
未来バンクは、自ら未来を作り上げようとする市民たちの未来への芽・試みを支援し、大切に育てていきます。例えば、ソーラーシステムの導入・自然食品店・老人介護を提供するワーカーズコレクティブ・第三世界との公平な貿易をめざすフェアトレード、
こうした試みの為に必要な資金を提供していきたいと考えています。
そして、預金通帳には載らないけれども、確かな、実感できる未来をお返ししていきたいと思います。