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ハーバードの国際問題研究所などに勤めた藤井厳喜氏の著作、「『国家破産』以後の世界」(2004年12月刊.光文社)の抜粋を、ネット上で見つけた。
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-default.html
※ 極度の少子高齢化が目前に迫る借金国家「日本」で、無能な政治家を嘲る、私も含めて行動力ゼロの全国民は、徹底的に崩壊する事を余儀なくされている。
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国家破産とはなにか?
「まず「国家破産」について確認しておくと、それはわれわれの暮らしが貧しくなることである。(中略)
それは借金が払いきれなくなって破産した人を見れば、容易に想像がつくだろう。
つまり、もう海外旅行などには行けるはずもなく、贅沢品を買うなど論外で、毎日がその日暮らしになるということだ。それでも、職がある人はまだいい。おそらく、国家破産以後は失業率が20%を超えるから、街にはホームレスがあふれ、失業者はお腹をすかして道をさすらうだろう。当然、犯罪は増え、街は荒廃する。
「国家破産は、日本人が国家に対する愛国心を失った結果であるが、それ以上に、日本がこれまで哲学なき資本主義をやり続け、すべてを先送りし、問題を解決せず、場当たりで対応してきた結果でもある。」
「バブル崩壊以後、「改革!改革!」と叫んで登場した改革者は、すべてが愛国心もサイエンスもないニセ改革者であった。(中略)
ひるがえって、われわれ自身もたいした危機感をもたずに毎日の生活に追われた。
これでは、国家破産が回避できるわけがない。」
「ここで誤解している人もいると思うので、はっきりさせておくが、「国家破産」は「破滅」ではない。また「予想」でもない。筆者が読者のみなさんに提示するのは、予見できるうちのもっともありうる「未来」である。そして、それはもう目前に迫っているという事実だ。」
もう1つ、「国家破産」を話題にしたときに返ってくる反応に、「それはいったい、なに?」というものがある。
失礼ながら、こういう反応をするのは女性が多いが、この人たちに共通しているのは、目の前のことしか見えていないことである。毎日の暮らしで、いま自分が見聞きすることがすべてで、それ以外の話は「自分とは関係ない」と考えられるという、貴重なメンタリティの持ち主である。
もはや日本社会全体が死の病にかかっている
「日本国が確実に国家破産、つまり「死」に向かっていることは、なにも経済ばかりに限った話ではない。「死に至る病」は、いまや日本社会全体に及んでいる。
これは、年間自殺者の増加とか、凶悪犯罪の増加、フリーターの増加という数字に端的に表れているが、その向こう側には、日本人そのものの劣化があると、筆者は最近つくづく思うのである。つまり、社会全体のモラルの低下である。」
最後にあなたを救うのは資産や財産ではない
●国家破産という大変動で、最後にあなたを救うのはいったいなにか、ということになる。財産を守りたい。少しでもお金があれば助かる。あなたがそう考えるなら、筆者はなにも言うことはないが、はたして、それであなたは本当に幸せであろうか?
国家破産ではほとんどの国民が大損害を被る。おそらく、いまから確実に計算し、資産を守り抜いた資産家だけがその被害を免れる。また、戦後の復興期の日本でもそうであったように、抜け目なく稼いで財をなす人間も出現する。旧日本軍の資産を横流ししたり、進駐軍の物資を横領して儲けたり、あるいは闇取引で儲けたりというようなことと同じことが起こるだろう。
しかし、それでうまくいったとして、あなたは、多くの国民が苦しんでいるのを見て幸せだろうか? 自分だけは助かったと、笑っていられるだろうか?(中略)
前出のロシアのことを思い出してほしい。ロシア人たちは、どうしてあの厳しい冬の寒さを乗り越え、餓死することなく生きてきたのか? それは、国家官僚を信じず、家族や親戚、友人同士で助け合ったからである。子供は親の面倒をみて、家族同士は助け合って働いた。ルーブルは紙くずになったが、彼らは物々交換で日常生活の物資を融通しあった。
つまり、いくらお金や資産を持っていようと、あなたを支えてくれる周囲の人間がいなければ、あなたは助からないのだ。もちろん、お金や資産があれば助かるが、それだけであなたは幸せにはなれない。筆者はこれまで「国家破産本」を批判してきたが、それはこうした考えに基づいている。
最後にあなたを救うのは、守り抜いた財産や資産ではけっしてないのだ。あなたを救うのは「誠」の精神であり、あなたの信用である。それによって築かれた人と人の絆であり、もっと言えば「 愛国心」であろう。