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エコノミストが無意識に考えてしまう外需主導の日本経済(KlugView)
2008/02/29(金)20:01
2月28日に発表された1月の鉱工業生産指数(速報)は、前の月に比べ2.0%の低下となり、市場予想(0.7%の低下)を大きく下回る結果となりました。業種別にみると、電子部品・デバイス、輸送機械、一般機械など鉱工業生産全体に占める割合の高い業種が指数を大きく押し下げています。
また同時に発表された2、3月の生産見通しによると、2月が3%近く低下した後に、3月に3%弱上昇する見通しとなっています。仮に2、3月の鉱工業生産が見通しどおりに推移すると、1─3月期の鉱工業生産指数は、前期比2.5%の低下となり、4四半期ぶりに前期比マイナスに転じることになります。
鉱工業生産指数は、景気との連動性が強いことで知られています。1月に指数が予想以上に低下し、1−3月期でみても前期比マイナスになるということは、機械的に考えれば、日本景気が(いよいよ)後退局面に突入したことになります。このためか鉱工業生産指数が発表された日、日経平均株価は、150円以上安い水準でスタートし、1万4千円台を割り込む水準で取引を終了しています。
生産活動が鈍りつつあるのは、日本だけでなく欧米も同じです。2007年10−12月期の米国の生産は、4四半期ぶりのマイナスとなったほか、ユーロ圏の伸び率もほぼゼロとなっています。これを理由に、世界経済全体が景気後退に直面していると指摘するエコノミストもいます。
興味深いのは、今後の日本の生産活動の行方は、輸出次第と指摘する声が強い点です。特に中国を始めとするアジア諸国への輸出が、注目ポイントであると指摘するエコノミストは多いようです。
たしかに欧米の生産活動が鈍っているのですから、アジアに期待するのは自然のことかもしれません。しかし、そもそも輸出に頼らなくても、日本の内需が拡大すれば、生産活動が持ち直す可能性は高まります。鉱工業出荷内訳表によると、生産活動のうち輸出に振り向けられるのは2割弱で、8割以上は国内向け(内需)です。エコノミストとすれば、輸出の4倍以上の規模がある内需が拡大するか否かをポイントに指摘しても不思議ではないはずです。
おそらくエコノミストの多くが、今後の生産活動のポイントとして、内需ではなく輸出動向を指摘するのは、そもそも内需に大きな期待を持っていないためでしょう。ただ、仮に輸出によって日本の生産活動が再拡大したとしても、それは単なる外需主導による景気拡大が繰り返されるだけです。
エコノミストが生産活動のポイントとして、内需拡大を指摘するようになって、誰もが日本景気の拡大を実感できるようになるのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
1月の鉱工業生産指数(速報)は
前の月に比べどれくらい変化した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
2.0%の低下
http://www.gci-klug.jp/klugview/08/02/29/post_640.php