★阿修羅♪ > 原発・フッ素5 > 123.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
12月12日6時13分配信 河北新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000012-khk-l02
使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の高レベル放射性廃棄物のガラス固化試験をめぐり、ガラス溶融炉をかき混ぜる金属棒が動作不良を起こしていた問題で、事業者の日本原燃は11日、金属棒をビデオカメラで観察した結果、先端部分がほぼ90度に曲がっていた、と発表した。金属棒を抜き取るには炉の一部を解体するなどしなければならないという。固化試験の長期中断は避けられず、来年2月の試運転完了(完工)は延期が濃厚となった。
原燃は1000度以上ある炉内温度が下がるのを待ち、10日午後6時ごろから炉内に差し込んだビデオカメラで観察を開始。映像解析の結果、金属棒がL字形に曲がっていることが判明した。曲がった部分が炉内を傷つけた可能性もあるという。
金属棒は耐熱性に優れた素材でできているが、炉内をかき混ぜた後に炉下部のノズルに通すために先端が細くなっており、その部分が曲がっていた。粘り気の強い溶融ガラスをかき混ぜた際か、ノズルに通した際に曲がった可能性が想定されるが、はっきりした原因は分かっていない。
原燃は今後、金属棒を抜き取って原因を分析する方針。曲がった部分が金属棒の挿入口の直径よりも長いとみられるため、抜き取りには特殊耐火れんが製の炉の上部の解体などが必要となる。れんがの復元や、約2週間かけて炉を再加熱する作業もあり、復旧の見通しは全く立っていない。
このトラブルによる放射能漏れや、けが人はないという。
記者会見した原燃の鈴木和史報道部長は「金属棒は消耗品で、使っているうちに傷んでくる。ガラス固化技術そのものの問題ではないが、心配を掛けて申し訳ない。できるだけ早く原因を明らかにし、安全第一で進めていきたい」と話した。
金属棒の動作不良は、11月23日に発生。炉底に希少金属がたまる不具合を解消しようと、金属棒で炉内をかき混ぜていたが、終了後に引き抜こうとした際、動きが鈍くなっていた。
昨年11月に始まった固化試験はこれまで、炉下部のノズルが詰まるトラブルなどで二度、長期中断し、10月10日に再開した。また原燃は11月25日、希少金属がたまる不具合が解消できないとして、試運転完了時期を11月中から来年2月に延期する方針を表明したばかりだった。
[使用済み核燃料再処理工場] 原発で使った核燃料からウランとプルトニウムを取り出す工場。年間800トンの核燃料を扱うことができる国内初の商業用大規模施設で、事業者の日本原燃は09年2月に試運転を終え、本格操業させる方針。取り出した核物質は新燃料に造り替えられ、原発に戻される計画になっている。資源の有効利用として期待される半面、事業に伴って出る高レベル放射性廃棄物が問題となっている。