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日経新聞十月十九日より「金融・経済危機 今、何をなすべきか」
柳沢伯夫氏にに聞くより。
「世界同時不況の懸念も広がる中で、病巣はいったいどこにあり、処方箋をどう描くのか」そして今回の危機の本質をどう考えるかという記者の問に対し。
柳沢氏は
「米国を中心とした世界経済の不均衡だ。危機のきっかけは米の住宅バブルの崩壊。このバブルを生んだ米国経済は、各国が対米輸出を増やして成長する一方、サブプライムローン関連の証券化商品や米国債を買って支えていた。
大きな構図でこの不均衡はもう持続しない、米国も世界経済もその事実に向き合わなければいけないという「黄信号」をともした」
以上引用より
的確な経済判断だと思われるが、またある一方米国を擁護する事実もみえるのである。
問題は証券化商品にある。そして証券化商品を考え出したのは誰かということになる。当然、幻想による「金が金を生む構図」を作り出したのは米国であり、その手数料によって利益を得ていたのはリーマンブラザースの社員である。年収三千万、4千万円という収入を得ていたとテレビで報じていた。その他にも証券化商品の手数料で多額の報酬を得ていた者まで現在、公的資金によって救済されようとしている。
そしてもうひとつ言えることは「各国が対米輸出を増やして成長」と書かれているが、日本の国民がその恩恵を受けていたと、どのくらいの人が考えることができるのだろうか。
国民のほんの一部だけが恩恵を受けていたのではないだろうか。国内にはその間、合理化のもと正規社員を減らし非正規社員が増大していたのも事実である。
最終的なしわ寄せは不況が来るという予測のもと非正規社員が会社が生き残るためリストラの対象にされていくのも事実である。
その面では米国発の考え方、金融商品を考え出し数多くの犠牲のうえ利益を得ることに熱中していた人達。が、ある反面不況が来ることを予測し、いつでも企業存続のため安易な人員削減の道を作っていたということも事実である。
日本人は我慢強い国民だ。非正規社員になりながらも将来政府が何とかしてくれるだろうという夢を持ちながら世界二位の外貨準備金を持つまでの国になった。それをあたかも日本が対米輸出で稼いでいたのだから米国を助けるのが当たり前というのでは、今後リストラをされる人に、どのように説明するのか柳沢伯夫氏にお聞きしたい。
そうしてもう一つ「十年前の日本の金融危機との違いは」という記者の問いに対し。
「大きな違いは傷んだ金融機関の貸付が貸し付け債権ではなく証券化商品だという点だ。金融と産業の一体的な再生を非常に難しくするのではないかと懸念している」
つまり今までのようには経済が動かないということを言っている。二度と証券化商品による一時的、幻想的経済活性は起こさないということだろうか。
人間として言いたい、このようなまねは二度と起こさないでほしいと。一部の人間の利益のために多くの人間が犠牲になったということを肝に銘じて「金が金を生むという幻想」は抱かないということを。
さらに最後のほうで「日本は金融と産業の一体的な再生に関してノウハウがある。国際協力の一環として、専門家チームの派遣を今度の政策に入れたいと思う」
前の文章の中で「大きな違いは傷んだ金融機関の貸付が貸し付け債権ではなく証券化商品だという点だ」といっているように日本のバブル崩壊と米国発の金融危機とは違う点があるということだ。日本のノウハウは何の役のもたたないということを知っているはずだ。役に立つことといえば日本の金ぐらいだろう。それも国民の血税である。