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(回答先: コーディネーターを輩出するのは我々自身のテーマだと思います。 投稿者 彼岸楼 日時 2008 年 7 月 07 日 03:08:08)
先の投稿で「宇宙の原理を反映した哲学・思想が在り得る」としたのは、天外伺郎『ここまで来た「あの世」の科学』(祥伝社)の内容が念頭にあったからでもあります(著者の本名は土井利忠氏/ソニーの技術者)。
以下、かいつまんで紹介します。
高名な物理学者デヴィッド・ボームによると、この宇宙は「明在系」と「暗在系」の二重構造になっていて、両者は密接にかかわり合いながら、つねに変幻流転している、という説を唱えている。
ボーム「暗在系では明在系のすべての物質、時間、空間などが全体として<たたみ込まれて>おり、分離不可能です」「物質も精神もエネルギーとして“暗在系”にたたみ込まれています」「生命は“暗在系”の“全体運動”の中に隠伏しています」と言う。(<たたみ込み>を数学的用語では、「直交変換」とか「積分変換」とも呼ぶ)
ボームの「宇宙モデル」について、天外氏は、むしろ「ホログラフィー」に似ているとしている。ホログラフィーも直交変換の一種である。原理的には、物体にレーザー光を照射し、その反射光と元のレーザー光の干渉縞をフィルムに記録する。フィルムの模様は、物体とは縁もゆかりもないものだが、このフィルムに再びレーザー光を当てると、空間に元の立体像が現れる。
普通のアナログ・フィルムとの違いは、フィルムを半分にしても、立体像は完全に復元する(解像度は落ちる)。1/100でも1/1000でも、物体の全体を再生できる。しかしノイズが増えて立体像はぼやけてくる。
つまり、部分が全体で、全体が部分である。これは仏教でおなじみの概念である。
〈一即一切、一切一即〉(華厳経)
天外氏は、「ホログラフィー宇宙モデル」というのは、仏教が教える宇宙観ときわめて似ているとしている。また、天外氏は、暗在系を「あの世」と言い、明在系を「この世」と呼んでいる。ホログラフィー宇宙論の示唆する「あの世」は、どんな小さな部分にも、「この世」のすべてがたたみ込まれているのではないか、としている。
もちろん、、「ホログラフィー宇宙モデル」は仮説に過ぎない。(おわり)