★阿修羅♪ > 議論28 > 120.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 80歳を越して、…人間への、介護は、もう、やめるべきだ/副島隆彦 投稿者 仁王像 日時 2008 年 4 月 26 日 15:53:32)
・[852] 下の「850」番の自文を 補足・説明しておきましょう。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2008/04/21(Mon) 07:23:02
http://snsi-j.jp/boards/past.cgi?room=sample1&mode=find&word=852%A1%A1%C9%FB%C5%E7&cond=AND&view=10
・以下の重要な「現在の人類がたどり着いた、西欧近代で始まった、大きな諸思想の流れ」を理解しなければ、とてもではないですが、世界基準(ワールド・ヴァリューズ)では、知識人の初級の習得段階にも該当しません。
・再度、人類の政治思想の大きな流れを説明する。…まず、ナチュラル・ラー(natural law 自然法、素朴な自然界の掟を守ろうとする思想)派がある。これを微分(びぶん)して、ナチュラル・ライツ(自然権、natural rights ジョン・ロックやルソー)派が生まれた。
・さて、ナチュラル・ラー派(アリストテレスが一応こっち。エドマンド・バークがこっち。アメリカのリンカーンも、こっちとされる)から分離したこのナチュラル・ライツ派(自然権派、日本の福沢諭吉はこれだろう)を更に微分して、ヒューマン・ライツ(人権、human rights )派が生まれました。これが、現在のモダン・リベラル派(かつての社会主義者も含む)だ。
そして、このヒューマン・ライツ派(現代人権派、国連憲章、日本国憲法などを生んだ思想)をさらに3回微分したのが、現在のアニマル・ライツ派(自然環境保護派、動物虐待禁止派、動物だけでなく樹木にも意思があるとまで考える)である。今も少数派である。
このほかに、ジェレミー・ベンサムが作った、ポジティブ・ラー(positive law 人定法)派がある。このポジティブ(ポズィテイブ)・ラー派が、ユダヤ人のラチオ、リーズンの「合理と理性」の思想すなわち拝金と強欲の思想を源流として持つ派である。ドイツでは、戦後に、「法実証主義論争」(ハーバマス・ルーマン論争)とかを自覚的にやった人たちである。
・法人定主義は、ラチオratio とリーズンreason の残酷な思想を同じものだ。表裏一体である。このラチオと、リーズンのユダヤ思想を乗り越えるだけの力を、今の人類はまだ十分に持っていない。私たちは、この「王様(権力者)や、企業経営者の残酷な経営の思想」に、かなり屈服しないわけにはゆかない。(以下、略)
〔臭うぞう〜〕
@「人類がたどり着いた」西欧政治思想を説いて聞かせるという態度には、白人思想を「世界基準」だと有難がっているように見える(←教授が米国発のポピュリズムやリバータリアニズムの信奉者であることも勘案して言っている)。
彼らがこれまでやってきた世界の歴史を少し望見しただけでも、太田氏の言う「西洋(の)…根本的なイデオロギーは自然征服思想」である一言で喝破している↓ほうがストンとくる。自然征服思想がそのまま世界資源の征服(強奪)、世界人民の搾取・収奪に自然につながっていったのではないのか。こう考えると、何の小難しいこともない。
ラチオやリーズンを持ち出して「高級」ぶっても、目くらましの役割しか演じていないと思う。経済学の理論的完成度は60%程度とする御仁が、西欧の政治・社会学の理論的完成度をどうみているのだろうか。せいぜい20〜30%ぐらいだろう。人によっては「0」とするかもしれない。その西欧政治思想を黄金律のごとく振り回す精神がコッケイだ。
西欧の原理というのはきわめて分かり易いシンプルなものではないのか。早い話が、有難くも何ともないということ。その残虐性と危険性を暴き出し、広く認識していくことが大事だということ。
大田龍「かつての日本人には自然征服思想というのはまったくなかったんですよ。西洋が全世界を支配するに至った根本的なイデオロギーは自然征服思想なんです。その自然征服思想というのが共通の基盤として、資本主義にも共産主義にもその他あらゆる種類の西洋のイデオロギーに通低している。」(『まもなく日本が世界を救います』から)
A「かなり屈服しないわけにはゆかない」と決め付けるのもおかしい。教授の敗北主義の現れだろう。日本発の政治思想の発掘と確立という発想があってしかるべきだ。
インドのタタ・グループの発想は、企業が得た成果の一部を社会に還元するという経営哲学をもって、たとえば無料で技術者教育の学校を開いている。卒業生には、タタ・グループ以外の企業を幅広く紹介し、タタ・グループに囲い込むなどということをしない(テレ東/WBS)。社会が強くなれば、それに支えられて企業も強くなるという経営哲学である。
かつての日本の企業にも、伝統的に似たような考え方があったと思う(経済同友会の長老・品川正治氏(82歳)は、企業の成果物を労働者に還元すべきだと、経団連の対応を批判している)。
。
西欧流の「やらずぶったくり」のグロスタでは、社会が疲弊しやがて企業も疲弊していく悪循環、長期戦略に欠ける。