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(回答先: 宮城大蔵著「海洋国家」日本の戦後史 を読む シリーズ日本とアジアを考えるE 投稿者 Ddog 日時 2008 年 8 月 06 日 00:18:00)
『中国が予測する“北朝鮮崩壊の日”』綾野(リン イエ)/富坂聰[編](文春新書)
・第一章 金正日政権崩壊の日は必ず訪れる
−中国の対朝鮮半島政策を憂う
−六カ国協議の失敗
・第二章 政権崩壊の第一段階 経済の破綻
−なぜ経済が瀕死状態へと追いつめられるのか
−朝鮮国民の衣食住環境の現実
・第三章 政権崩壊の第二段階 権力の若返りと中央集権の崩壊
−老人ホームと化した現政権指導部
−朝鮮版”海亀”たちの活躍
−大臣のポストにも代え難い「政商」という旨味
−金正日が間違っても中国型の改革をやらない理由
・第四章 政権崩壊の第三段階 中朝の離反と米朝の接近
−中国の長老の片思い
−「我々が中国に恩義を感じる必要などない」
−中国からの離脱を提言した機密文書
−米朝急接近の裏側
−日朝関係の落とし穴
−朝鮮の日米への接近は朝鮮の崩壊を加速させる
・第五章 政権崩壊の第四段階 先軍政治の限界とその終焉
−先軍政治の裏にあるもの
−喉の渇きを毒入りの水を飲んで癒すような「先軍政治」
・第六章 政権崩壊の最終段階 ポスト金正日・権力の空白
−金王朝三代目は果たして誕生するのか
−中国は世襲政権が嫌いだ
−誰が権力の空白を埋めるのか
著者は、綾野(リン イエ)氏は、1957年生まれ(50歳)中国国防大学戦略研究部の研究者。金日成総合大学留学経験がある、現役軍人(大佐格)だそうだ。
最初斜めにざっと読んだ段階ではてっきり富坂 聰氏の文章だと思ったが、綾野しのレポートだというのである。
中国人民解放軍国防大学(略称: 国防大学)は存在するのだが、本書を読んでいて、綾野(リン イエ)なる人物は存在しない架空の人物であると30ページぐらいから思い、70ページを越える段階で確信した。富坂 聰がほとんど書き下ろしたレポートであると思う。綾野氏は存在しないと思う。(私の勝手な主観ですが・・・)
あれ?と思ったのは我が国とすべき主語が中国に置き換えられているのが読み出して直ぐに違和感を覚えたが、富坂氏がわかり易く編集したのだろうと思った。だが、2度目に読み返すと、こりゃ日本人ジャーナリストの視点で、中国軍人の視点ではない。
中国軍人なら、文書構成の中に、軍事的知識、軍区だとか師団構成だとか、兵器の比較、稼働率、その他軍人が抱くべき視点が大きく欠如している。
最初から富坂 聰氏が書いたというなら、十分読む価値はあるが、そういった出版形式にした文芸春秋社には問題があるのではないか?非常に残念です。
北朝鮮崩壊論も金正日の健康問題も、後継者問題も特に真新しい話題は無く、日本ではよく知られた内容をなぞって書いているようにも思えます。纏め方は上手でしたので、中国の視点で北朝鮮の情勢を考察しましたと正直に書くべきでしたね。
横田めぐみさんの情報が書いてあったのですが、非常に無責任でショッキングな書き方です。もしフィクションで、めぐみさんが生きていたとしたら軽率で、めぐみさんの命を危険にさらす可能性がある。
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P145〜146
「・・・あの横田めぐみの遺骨はニセモノだったと言われているが、本当は生きているのではないか?」と、その最高幹部子弟に訊ねてみたのだ。
するとその人物は、「いや彼女は百パーセント死んでいる。だが、病死でも自殺でもない。彼女は処刑されているのだ。なぜ本物の遣骨がないのか。中国でも事情は同じだろうが、普通に考えればよほどのことでもない限り、処刑された遺体を遣族が引き取ることはしない。政府が処置するにまかせるからだ。その場合政府は、何人かの死刑囚と一緒に火葬にし、骨はどこかに埋めてしまうか・病院の解剖に使われるかだ。その当時はまさか日本に遺骨を返すなどとは誰も考えていなかったのだから、保管するはずもない。だからニセモノの骨を使うほかなかったのだ」と語ったのだ。
}}}
中国軍の軍事研究者がこういったことは絶対に彼らのレポートには書かないだろう。
金正日政権崩壊のシナリオを次の5段階で論じている。
第1段階 経済の破綻
第2段階 権力の若返りと中央集権の崩壊
第3段階 中朝の離反と米朝の接近
第4段階 先軍政治の限界とその終焉
第5段階 ポスト金正日・権力の空白
この段階論は理論として整然としているが、「ポスト金正日」に関しても、真新しい内容はありませんでした。よっぽど重村先生の読売ウィークの「金正日は5年前すでに死んでいる」の方が面白そうです。(未読)
金正日は、金日成ほどは長生きできないだろう。佐藤優鈴木琢磨氏の著書で2012年政権交代が書かれている。本書では、ここ5年以内で3人の馬鹿息子の誰かに直接世襲することは難しく、一呼吸おいてバトンタッチする可能性を示唆しているが、それは無いと思う。秀吉だって万全の準備をして世襲させようとしても無理であったように、金王朝を存続させたいなら、長男正男か、次男正哲 三男正雲の誰かにバトンタッチするだろう。
近年中に金正日が死亡したことが公となって、中国が朝鮮の混乱を煽り、その収拾目的で派兵するとき、北朝鮮軍ははたして中国に向かって牙をむくか?日本韓国に向かうのか、不明だが、軍人だったら、中朝国境の軍の配置状況とか、戦闘シュミレーションを書いたであろうに、スルーしているのには納得がいかない。
北朝鮮は戦乱で火の粉が飛んでくるのが迷惑だし、日本にたかる友好国になってもらっては困るので、我々日本人は偉大な首領様金正日が健康でいてくれることをひたすら願うこととしよう。