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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu167.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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軍部の台頭は大中国を内乱に引き込む危険性を秘めている。
そうでなくてもすでに、北京VS上海の間が何かとキナ臭いのである。
2008年5月10日 土曜日
◆『資本主義消滅最後の5年』 ラビ・バトラ:著
http://item.rakuten.co.jp/book/3725513/
◆中南海に渦巻く陰謀、北京VS上海の暗闘
繰り返すようだが、軍部の台頭は大中国を内乱に引き込む危険性を秘めている。そうでなくてもすでに、北京VS上海の間が何かとキナ臭いのである。例の反日デモひとつとってみても、両者は確執を繰り広げる。あのデモでは、北京より上海のほうが被害が多かった。そこで上海側からは、「上海を痛めるための、北京中央政府の一種のヤラセではないか?」という疑問の声が噴出する。
そんな陰謀説は、上海市党委の機関紙「解放日報」の社説に堂々と登場した。「デモの背後に良からぬ陰謀があり、その意図は人に言えない目的を達成すること」と言うのだ。つまり反日デモを民衆の自発的行為とする中央政府の公式見解を否定して見せたのである。
この一件には伏線があった。中央政府は昨年、固定資産投資規制など経済のマクロ・コントロールを強化した。不動産バブルの過熱を冷やすための引き締め政策だ。これが各地方政府の反発を受けた。
とくに上海市では、不動産開発がめざましい経済発展の主役を担ってきた。周辺の不動産価格は、04年10月から05年3月まで、平均80%も値上がりしてきた。それが4月1ヵ月で30%も暴落したのだ。マクロ・コントロールがモロに効いた感じだ。これが上海側にとっては不満のタネになる。「上海の経済一人勝ちに水を差そうとする北京の陰謀だ」ということになる。
そこで次期国家主席(党委総書記)の候補のー人でもある実力者、陳良宇上海党委書記が中央政府の温家宝首相に噛みついた。その後、胡錦濤国家主席が自ら上海に乗り込んで説得に当たったが不調に終わったという。
これを北京政府側から見れば、確かに公共事業ひとつとってみても、上海を中心とする華東地区(長江デルタ経済圏)に集中している感がある。ここは産経新聞福島記者の現場レポートを参考にさせていただく。
折江省寧波市と嘉興市の間、杭州湾をまたぐ世界最長(36キロ)の"海を渡る橋"「杭州湾大橋」は09年開通予定。この橋が完成すると、寧波と上海間の往来は従来の半分の2時間で済む。総工費は118億元(約1652億円)。蘇州市と南通を揚子江をまたいで結ぶ「蘇通長江大橋」の建設費は62億7000万元(同878億円)
揚子江にはすでに29の橋がかかっているが、2010年の上海万博までには60に増える計画だという。平均すると50キロごとに橋が一つできることになる。この距離が適当なのか不適当なのか門外漢の私にはわからない。日本でも"熊しか通らない"国道建設が問題になった。
当然、橋ができればアクセスする道路が必要になる。次々と付属の公共投資を呼び込める。地方政府は農地を安く収用し、開発業者からはたっぷりリベートが取れるというわけだ。上海万博の成功という大義名分があるとはいえ、北京から見ればいささかひっかかるところだろう。
そこで北京サイドからはこんな批判ゆ声が上がる。「橋ばかり造っても、橋脚に土砂がたまって洪水が起こり易くなり船舶事故も増える。建設費もかかりすぎだ。車は迂回すれば済む話」と手厳しい。
一方、上海サイドはこう切り返す。「何を言うか。いま中国のGDP(国内総生産)成長率94%の半分以上は、固定資産(不動産)投資のおかげ。またそのうち21%は長江デルタ経済圏が支えているんだゾ」と。
この確執の背景にあるのが、北京VS上海の権力争いだ。何しろ上海党委は江沢民前国家主席の出身母体だし、社会主義市場経済を牽引した朱溶基元首相も上海閥。江沢民氏の腹心だった曽慶紅政治局常務委員はいま国家副主席の座にある。中央書記局を率いて事実上の実権を握る、とも言われている。
なに江沢民氏だって、中央政界からは引退したとは言えまだまだ隠然たる力を保持していよう。上海グループの力は強固である。
これに2007年の政権交代がからんでくる。ポスト胡錦濤の争いである。中央政府が推すのは、胡錦濤直系で遼寧省党委書記の李克強氏だという。これに上海党委が推す陳良宇書記、天津市の張立昌書記、広東省の張徳江書記がからむ。あるいは北京と天津が連立、これを見て上海と広東が組むガップリ四つという構図もある。
さて、ここからが"歴史のif"である。両者の亀裂が抜き差しならなくなったとき…・:。驚天動地の大事件が起きるかも知れない、というお話だ。カギを握るのは広東省だろう。もし中央政府が「新川経済特区と寧波経済特区を直轄領とする」などという布告を出したとする。とたんに上海と広東が組んで兵を挙げる。"南北戦争"の発生だ。
なにせ南軍には、「広州軍区」という精強な部隊がいる。その中心は、団結力、闘争心ともに旺盛な"客家人〃である。たちまち香港と海南島を制圧、そして「華南共和国」の独立を宣言する。続いて上海も「華東共和国」の独立を宣言する。
もちろん北京もただちに反応する。北京軍区と済南軍区に動員命令が下る。この軍区は、いわば機動遊撃部隊である。基地は北京と至近の天津市にあり、中央政府に忠誠を誓っている。
そして両軍が長江をはさんで対時するのだ。その図は、まさにかの「三国志」、魏VS蜀の対決をほうふつとさせる。しかし戦局は硬直しよう。緒局、北京は兵を引くしかあるまい。
ここで「ちょっと待った!俺たちのことを忘れてもらっちゃ困るぜ」と名乗りを上げるのが、ケ小平の故郷・四川省中心の「成都軍区」と、シルクロードを抱える「蘭州軍区」である。実は四川というお国柄、無類の政治好き、革命好きだ。古くは太平天国の乱、そして辛亥革命にも四川人が多く参加している。客家の地下秘密結社「兄歌組」は、清朝打倒運動で活躍した。
それに四川省の省都・成都は、かつて「三国志」の時代には「蜀」の国だった。正統漢民族の末商・劉備玄徳の国である。つまり四川人には、漢民族の本家本元の血が流れている。そういう意識があっても不思議はない。それぞれが独立宣言のあと、チベットや新彊ウイグル自治区もここぞと決起するだろう。私が勝手な熱を吹いているようだが、お話だけでも"血沸き肉躍る"ではないか。
◆『中・ロ蜜月』を潰す大いなる謀略
ここで微妙な立場に立たされるのが「東北軍区」である。前項で、広東軍と対時した北京中央政府軍があっさり引き揚げる、と書いた。実は、どうしても軍を返さなければならない重大事態が発生したからだ。それこそ、北京の後背に位置する「東北軍区」の"反乱"である。彼らが攻め込んできたら、古都・北京はあっさり占領されてしまう。
そしてその陰に、これまたアメリカの謀略があったとしたら……。まさに「if」の連発であるが、アメリカにとってはそれだけの価値がある。アメリカの狙いは、明らかに「中・露分断」にある。というのも05年、中・露が行った初の大規模合同軍事演習が実に刺激的だったからだ。
それは「上海協力機構」の名を借り、黄海と山東半島一帯で行われた。「国連の要請による紛争地での兵力引き離し」を大義名分とし、演習名も「平和の使命」ともっともらしいが、強襲上陸、空港制圧などそれが台湾侵攻を仮想していることは見え見えだったからだ。
この演習にロシアは、「ツポレフ22M」爆撃機や秘蔵の「ツポレフ95」戦略爆撃機、通常型潜水艦など多数を参加させ、デモンストレーションを行っている上海協力機構の加盟国は、中国のほかにロシアと中央アジア4ヵ国。オブザーバi参加のインドなど4ヵ国を含めると、その人口は28億人。世界の44%を占める。アメリカにとっても無視できない存在だ。
だが、何よりその中心である中・露両国が、貿易の拡大や資源(原油)、宇宙開発、原子力の各分野での協力関係強化を打ち出したことが気にかかる。貿易ひとつとってみても、その総額を04年の21O億ドルから今後5年で3倍の600ドル億以上にする、というのである。
イニシアティブを握っているのは中国だ。何しろ現在ロシアに滞在する中国人の数は違法、合法ともに増え続け、各地の市場には中国製品と中国商人たちがあふれかえっている。ロシアにとって中国は兵器をたくさん買ってくれる上得意でもある。中国様々、もう頭が上がらない。
だから東シベリアからの石油パイプラインも、日本ルートから中国ルートを優先してサービスにこれつとめている。そんなロシアの耳許でアメリカが囁く。「中国の東北部が欲しくないかい? オレたちはいま中国で内乱を仕掛けている。いまがチャンスだよ」などと。
そしてこうも言う。「中国はかつてはロシアの弟分だったのに、このままじゃいずれ近いうちに中国に飲み込まれちゃうよ」、「あなた方が『藩陽軍区』を乗っ取って独立させても、アメリカは見て見ぬ振りをするよ」と。
藩陽軍区はロシアヘの備えが任務であり、昔から独立独歩の気風が強い。かつて"東北王"を名乗った軍幹部が2人も出た土地柄であった。それだけにおだてに乗り易い。
またロシアにとっても、中国東北部は昔から垂涎の獲物である。ロシアの悲願である太平洋への直航ルートが開ける。大連港は不凍港である。ロシアは明治の昔、同じことを考えて朝鮮半島の奪取を考えたことがある。これは日本が阻止した。日露戦争である。
もしそれがかなわぬまでも、「新満州国」に遼東半島の利用権を認めさせれば、所期の目的は達成できる。「面白い話じゃないか」、ロシア政権が身を乗り出す価値は充分にある。(P224〜P232)
(私のコメント)
先週は抗議デモに明け暮れた週でしたが、予想を上回る大きなものとなり、中国外交部からも非難されるほどになりました。参加している多くの人はチベット問題など言葉は知ってはいてもどのような問題かは詳しくは知らなかった人がほとんどだろう。株式日記でも中国内部は多くの問題を抱えて、中央政府が弱体化すれば幾つかの国に分かれるだろうといった認識しかなかった。
チベットやウイグルの問題はニュースとして知ってはいても、単独の問題として扱った事はない。それがにわかに世界的な問題となったのは3月のチベット暴動弾圧と、世界をめぐる聖火リレーのトラブルだ。もともとオリンピックは政治ショーであり、中国もオリンピックを通じて一流国家の仲間入りを目指した。
オリンピックの開会式には世界各国の元首や首脳を招いて中国の威厳を高めようとした。しかしチベット弾圧や聖火リレーをめぐる中国人の反応を見ると、フランスのカルフールの店内で不買運動のシュプレヒコールを上げたりして、まったく発展途上国であることがばれてしまった。
発展途上国では開発独裁国家として、フィリピンのマルコス大統領、韓国の朴大統領、マレーシアのマハティール首相、タイのタノム首相、シンガポールのリー・クアンユー首相等等アジア各国には独裁国家が登場した。中国もその後を追っているのですが、開発独裁国家は独裁体制が崩れると政治的混乱を避ける事はできない。
開発独裁国家から民主国家へ転換していく為には、国民のガバナビリティーの向上がないと安定はしない。フィリピンやタイにしても今でもクーデター騒ぎが時々起こるし、政治的混乱は経済の停滞をもたらす。先進国の産業資本家から見れば、独裁政治で強権的であったほうが労働争議の問題も回避されるから、人件費も安く押さえる事が出来る。
中国も巨大な開発独裁国家であり、海外からの投資を招いて高度経済成長を実現させた。しかし経済は発展はしても、独裁者や独裁体制が崩れれば政治は不安定化して外国資本も撤退していってしまう。中国の政治指導部が恐れているのも、外国資本が逃げ出してしまう事であり、なかなか国内の産業資本が育つのは難しい。
資本主義経済もある程度までは開発独裁体制のほうが効率的な経済発展が望める。しかしある程度経済発展すると人件費も上昇してくるし為替も高くなって、外資系企業にとってはメリットが薄くなり、より安い人件費の国へ引っ越していってしまう。中国は今その段階なのですが、なかなか民族資本が育ってこない。
中国の経済成長が壁に突き当たれば中央政府の求心力が弱まり、台頭してきた軍部が中央政府の言うことを聞かなくなるだろう。ラビ・バトラの『資本主義消滅』という本の中においても、中国の地方軍閥は地縁人縁がものを言って、トップから下級兵士まで同じ軍区にいる。中央政府は移動させようとしても人民解放軍は軍だけではなく利権も絡んでいるから移動が難しい。
このように地方の軍閥は固定化されて中央政府の言う事は聞かなくなる。中央においても北京派閥と上海派閥の暗闘があり、胡錦濤は未だに独裁的権力を持ってはいないようだ。聖火リレーに見られるように反中国の動きで外交的に孤立して、経済でも暗雲が漂い始めた。そうなると各地で分離独立を求める声が必然的に沸きあがってくる。
しかし、国内の分離独立派を弾圧すれば外交的に孤立して経済にも大きな影響を与えてしまう。中国は今そのジレンマに立たされている。国民の不満が分離独立運動に向かわないように愛国運動で引き締めを図っているが、愛国運動も行き過ぎれば排外主義になり外資は逃げて行く事態になるだろう。
胡錦濤の5日間の来日は何を意味するものだろうか? 胡錦濤は軍部も上海派閥も太子党も掌握しきれず、人事もままならないようだ。軍部は勝手に人工衛星を打ち落とすし、米軍の空母寄港を断ったり、勝手な事ばかりしている。上海派閥も陰に陽に胡錦濤の足を引っ張っている。チベット暴動なども軍部が勝手に弾圧して多くの死者を出してしまった。毛沢東が生きていれば大粛清が免れないところですが胡錦濤では無理だろう。
アメリカから見れば上海協力機構の中ロを分断したい。ロシアから見れば米中の経済同盟を断ち切りたい。胡錦濤にすれば戦略的互恵関係を組めるのは日本だけということになる。状況としては天安門事件で人権問題で孤立して日本を引き込むことで外交的打開をした例にならっているのだろう。しかし日中が手を組む事はアメリカもEUもロシアも望んではいない。だから日中会談はパンダだけしか外交的成果を得られなかった。
チベット暴動や聖火リレーが日本に与えた影響は大きい。だからこそ国民はチベット国旗をもって長野や東京で抗議デモで集まった。その中にはチベットの国旗のみならず東トルキスタンの旗や南モンゴル旗も見受けられるように、中国の分裂を見据えた動きが見られる。旧満州だって分離独立の動きが起こるかもしれない。
今後中国が開発独裁体制から民主化に動く事よりも、分離独立勢力を抑えるために強権弾圧体制に行く可能性が大きい。そうなれば経済発展も停滞して国民の不満が爆発する。しかし北京政府はこれらを徹底弾圧出来るだろうか? 北京オリンピックが当面の山となりますが、愛国主義が行き過ぎて一騒動起きそうな気がする。
北京オリンピックはアメリカのバックアップで招致に成功しましたが、ウォ−ル街の投資家が中国の莫大な投資をしているからだ。しかしオリンピックを機会に開かれた国家になるという見通しははずれたようだ。オリンピックを前に台湾などの動きなども警戒されましたがアメリカは抑え込んだ。だからチベット問題の仕掛け人はアメリカではない。イギリスあたりが仕掛けたものらしい。
◆「女王陛下のチベット」 3月28日 不可視の学院
http://black.ap.teacup.com/applet/fukashinogakuin/629/trackback
今回のチベット暴動に外国の諜報機関が何らかの形で絡んでいるとすれば、それにはCIAよりも、SISやイスラエルのモサドが重要な役割を果たしている可能性があると言われている。
もともとチベットに最初に干渉工作を始めたのはイギリスであり、アメリカが戦後それを受け継いだという経緯もある。
上海派が単に上海の外資=ウォール街の企業家の利益を代表しているなら、むしろ彼らはチベットの騒動を好まないはずだ。彼らは中国に多額の投資をしているし、中国の政治不安から世界経済に不況が来るような事態は避けたいと思うだろう。
しかし、上海はただの経済都市ではなく、戦前、まだ上海租界だった頃から、イギリスの帝国主義者の活動の本場でもあった。イギリスがアメリカに南北戦争を仕掛けたように、中国に分断工作を仕掛けても不思議はない。
アメリカの単独覇権主義が終わり、基軸通貨がドルからユーロに代わるのを見越して、今後イギリスはアメリカを見限り、EUに軸足を移していくだろう。
世界的な金融の中心はニューヨークからロンドンに移行し、大英帝国が再び歴史の表舞台に現れてくる。
2008年3月のチベット暴動は、その一里塚として、後世に語られることになるかも知れない。
(私のコメント)
つまりイギリスは米中の共倒れ戦略を仕掛けているのであり、米中が共倒れになれば、アメリカに支配されてきた日本の真の独立が得られる事になる。