★阿修羅♪ > 戦争99 > 178.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 私が暗殺されたら世界に公表を - アレクサンドル・リトビネンコ (産経ニュース) 投稿者 千早@オーストラリア 日時 2007 年 12 月 16 日 09:50:42)
【グローバルインタビュー】元KGB二重スパイが語る(上)
毒殺事件「大統領は知っていた」 (1/5ページ)
2007.12.9 10:00
このニュースのトピックス:グローバルインタビュー
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071209/erp0712091000003-n1.htm
冷戦期、英情報局秘密情報部(MI6)の二重スパイとなり、1985年に英国に亡命
した元ソ連国家保安委員会(KGB)のロンドン支局長、オレク・ゴルジエフスキー氏は
ロンドン郊外の自宅で産経新聞と会見し、発生から1年が経過したロシア連邦保安局
(FSB)元幹部リトビネンコ氏毒殺事件の背景などについて、見解を明らかにした。
その詳細を、一問一答方式で3回に分けて掲載する。1回目は同事件に絞り、2回目で
ロシアの諜報活動の現状を伝え、最終回では20年余り前のスリリングな二重スパイ
亡命劇を紹介する。
(ロンドン 木村正人)
−−リトビネンコ氏はなぜ、殺されたのか
「主な理由はリトビネンコ氏がロシアのプーチン大統領を直接的な方法で攻撃する文書
を書いたからだろう。(リトビネンコ氏ら)KGBの一部は、大統領の息がかかったサン
クトペテルブルク出身者が要職のすべてを占めるのを快く思っていない。モスクワと地方
の出身者も快く思っておらず、大統領に関する情報を握って出版の機会をうかがっている。
しかし、大統領の権勢はますます強くなり、出版の機会は来ないかもしれない。(リトビ
ネンコ氏毒殺は)非常に洗練されたロシア情報機関の作戦だ」
−−どうして致死性の放射性物質、ポロニウム210が使われたのか
「ポロニウム210を使えば、非常に緩やかに死んでいく。紅茶の中にポロニウム210
を入れるだけで2週間以内に殺せる。リトビネンコ事件の前にも、サンクトペテルブルクで
反体制の人にポロニウム210が使用された。この人物が予想より早く死に至ったこと以外
は、リトビネンコ事件と全く同じように事は進んだ。この人物はリトビネンコ氏ほど若くも
頑強でもなかった。鍛え抜かれた体を持った同氏だからこそ3週間ももちこたえた。その分、
苦しみも大きくなった。本当に残忍な事件だった」
(2/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071209/erp0712091000003-n2.htm
−−両事件のほかにポロニウム210が使用されたケースはあるのか
「(リトビネンコ事件以外では)サンクトペテルブルクの事件だけだ。(両事件で)使わ
れたポロニウム210の成分が全く同じだったとは思わない。サンクトペテルブルクの方が
少し毒性が強かったのかもしれない」
−−プーチン大統領が知らないうちに暗殺が行われることはあるのか
「ない。こうしたタイプのロシア情報機関による作戦は、ボスが知らないうちに行うこと
はできない。不可能だ。プーチン大統領以上に影響力を持ったボスなどロシアには存在しない。
第2に、国家が運営する秘密の核研究所からポロニウム210を持ち出すには書類上の手続き
が必要だ。ポロニウム210を持ち出して使用するためには書類の提出が求められる。
ポロニウム210は非常に高価であるため、支出用の書類も必要になる。ポロニウム210
は数百万ドルもするといわれる。こんなことにはすべて国家が関与している。ロシア情報機関
は核施設をかなり厳重に管理しており、プーチン大統領はそこから何が持ち出されたか知って
いたはずだ」
−−ポロニウム210を使った結果、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)が容易に
犯行をたどることができたが
「容易にだって、バカを言うな。世界中でポロニウム210の跡をたどることができる国は
ふたつしかない。米国と英国だ。しかし、ロシア情報機関の連中はそれを知らなかった。これ
は重大なミスだ。だからこそ、非常に優秀だったロシア対外情報局(SVR)長官のレベジェフ
氏が今年10月に退任した。英国の科学者たちは見事なまでに、ポロニウム210を追跡するの
に成功した。
(3/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071209/erp0712091000003-n3.htm
英捜査当局は、ポロニウム210を使った犯行の予行演習が昨年10月16日に行われて
いたことまで突き止めた。その予行演習は本番さながらに行われており、英捜査当局は、
ホテルのどの部屋の、床のどの場所に、ポロニウム210を落としたのかまで特定した。
英捜査当局は見事に全容をつかんだのだ。SVRの完全な計算違いだった」
−−あなたは、リトビネンコ氏が息を引き取る前に彼と何か話したのか
「警察はリトビネンコ氏から情報を得ようと、昼夜を問わず病院にはりついた。私が
リトビネンコ氏と電話で話したとき、リトビネンコ氏はばかげたことを言っていた。彼は
イタリア人教授スカラメッラ氏の振るまいが非常に怪しいと言っていた。スカラメッラ氏
にレストランという公の場であんな芸当ができようか。スカラメッラ氏はKGBのスパイ
のようには振る舞えない。だが、リトビネンコ氏は命が尽きていく中でKGBの将校の
ように考え、ルゴボイ容疑者を英国におびき寄せ、英捜査当局に逮捕させようとしていた」
−−スカラメッラ氏という人物の役回りは?
「スカラメッラ氏はロシア情報機関の工作員から、ある文書を受け取った。そこには
、(反プーチン政権の政商で英国に事実上亡命中の)ベレゾフスキー氏やリトビネンコ氏、
チェチェン穏健独立派幹部ザカエフ氏への脅迫が書き連ねられていた。真に受けたスカラ
メッラ氏は国際会議でロンドンにやってきた際に、急いでリトビネンコ氏に会って警告を
発した。
リトビネンコ氏は脅迫は何度も受けていたので、まともに取り合わなかった。スカラメッラ
氏はロンドンでリトビネンコ氏に会うと知っていたロシアの工作員を信じて行動するという
間違いを犯してしまった。ポロニウム210が盛られた日、スカラメッラ氏はリトビネンコ
氏に会った」
(4/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071209/erp0712091000003-n4.htm
−−一時、そのスカラメッラ氏が疑われたが
「氏にぬれぎぬを着せるというロシア情報機関のワナも仕掛けられ、それは成功を収めた。
全く無実のスカラメッラ氏は英国から帰国すると逮捕され、4カ月間拘束された。彼はその後
、釈放されたが、自宅で厳しい監視下に置かれて、友達に会うこともできない。
真実が明らかになり始めると今度は、ロシア情報機関はMI6がロシアにスパイを送り込んだ
と言いだした。ナンセンスそのものだ。モスクワにいるMI6の情報員は2人。しかも、ロシア
情報機関は正体をつかんでいる。彼らはMI6がリトビネンコ氏を殺害したと非難したが、
MI6に暗殺という作戦はない」
−−英捜査当局はどのようにしてルゴボイ容疑者の犯行と断定したのか
「英捜査当局はリトビネンコ氏や関係者全員の話に耳を傾けた。ベレゾフスキー氏から何回
も事情聴取し、どうして事件の2、3カ月前にルゴボイ容疑者がベレゾフスキー氏のパーティー
に客として招かれたのか聞き出した。実は、ルゴボイ容疑者はベレゾフスキー氏が持っていた
テレビ局のひとつで警備責任者をしていた。(事情聴取とポロニウム210の追跡の結果)、
誰が何をしたのか正確に突き止めた」
(5/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071209/erp0712091000003-n5.htm
−−英政府は容疑者の引き渡しを露政府に求めたが、拒否され、ロシア外交官4人を追放した
「手ぬるい。とても手ぬるい。百獣の王ライオンである英国はほえるだろうと、私はみんな
に言っている。しかし、外交官を追放しただけだ。そうした中で、ブレントン駐ロシア英国
大使は勇敢だった。大使は非政府組織(NGO)に対する露政府の措置が間違っていると演説
した。欧米からの資金はスパイ活動に使われているのではなく、NGO存続のため、市民社会
を築くために使われていると強調した。このため、大使はプーチン政権や、ファシストの若者
らの組織などから、ひどい迫害を受けている」
■リトビネンコ事件 プーチン政権を批判していたFSB元幹部、リトビネンコ氏が昨年11月、亡命先のロンドンで急に体調を崩して死亡。体内からポロニウム210が検出された。英当
局は今年5月、ロンドンで氏と接触したKGB出身の実業家、ルゴボイ容疑者の犯行と断定。
英政府が身柄の引き渡しを求めたのに対し、ロシア政府は拒否。両国は7月、相互に外交官4人
を追放した。同容疑者は2日のロシア下院選で当選している。
関連ニュース
【グローバルインタビュー】中国、カナダの石炭にも関心 加BC州クルーガー鉱業担当相
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071202/amr0712021039001-n1.htm
【グローバルインタビュー】「プーチン王朝」を斬る−ロシア野党「ヤブロコ」、
ヤブリンスキー党首
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071202/erp0712021037002-n1.htm
【グローバルインタビュー】イランで今、何が起きているのか 田中浩一郎氏
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/071202/mds0712021033003-n1.htm
【グローバルインタビュー】ダライ・ラマ「チベット情勢、最も緊迫」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071125/chn0711251020001-n1.htm
【グローバルインタビュー】マイケル・オースリン氏 日米首脳会談を斬る
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071125/amr0711251017000-n1.htm
【グローバルインタビュー】ゲリー・セイモア氏 パキスタン軍割れたら核管理に重大懸念
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/071125/mds0711251012000-n1.htm