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2007年11月18日
陰謀論独特の情報操作【オルタナティブ通信】
http://alternativereport1.seesaa.net/
拙稿による、ベンジャミン・フルフォード氏批判をきっかけとして起こった今回の問題から、「陰謀論者独特の思考パターン」という興味深い問題が浮かび上がって来る(※1)。
まず、時系列で流れを見てみる。
第一段階。2007年11月10日、拙稿を配信する。
すると同日、フルフォード氏から、これは自分を貶めるCIAによる陰謀工作である、と反論が出る。
第二段階。次にフルフォード氏から応答があったのは、11月12日。フルフォード氏が、自分のファンである人物(おそらく女性)からの電子メールを掲載して、オルタナティブ通信に反論を行ったのである。
1、この女性の電子メールには、オルタナティブ通信には「ロックフェラーの事はあまり書かれていなく、英国の情報について詳しく書かれている」と記載されている。
しかし、実際にオルタナティブ通信を見ると、大部分がロックフェラー批判の記事である事が分かる。
この事実から、電子メールを送った女性は、オルタナティブ通信を実際には読んでいない事が分かる。当然、オルタナティブ通信の筆者とは面識も無い。記事さえ読んでいないのであるから。
フルフォード氏が、この電子メールの内容とオルタナティブ通信の内容を比較検討すれば、電子メールの内容が著しく事実と異なり、信用するに値しない事が分かったはずである。
しかし、フルフォード氏は、その基礎事実の確認を怠っている。
2、メールは、当然、第一段階から第二段階の間、11月10日から12日の間に、フルフォード氏の所に配信されている。
フルフォード氏が、メールを入手してから公開するまで、1日プラス・アルファの時間しか無い。
フルフォード氏は、当然、メールを送ってきた女性が、どのような出自の人物であるか、確認する時間が物理的に無い。
また、電子メールに記載された、オルタナティブ通信の筆者についての情報が真実であるかどうか、確認する時間が物理的に無い。
事実確認を怠り、フルフォード氏はメールを公開した。これはジャーナリストとして、あってはならない手続きミスである。
この情報の扱い方、「手付き」は、自分に都合の良い情報はそのまま「ウノミ」にする、という態度である。これまでフルフォード氏が出版してきた書物、DVDの情報が、全て「自分に都合良い情報は、事実関係を調査せず、ウノミ」にした上で、「書き飛ばされてきた」のだとしたら、その全著作が信用に値しない、という問題に発展する。
3、電子メールの中で、女性は、オルタナティブ通信の筆者を「英国の情報について詳しい」とは記載しているが、ネット捜査分析官であるとは一言も言っていない。
しかし、フルフォード氏はメールを引用した直後、オルタナティブ通信の筆者はネット捜査分析官である、と断言している。
情報源のメールに記載されていない事が、フルフォード氏自身によって「創作」されているのである。捏造と言っても良い。
以上の1〜3を総合すると、フルフォード氏は、メール内容とオルタナティブ通信の内容を比較検討すれば、メールがオルタナティブ通信を読んだ事の無い人物からの虚偽のメールであると判断出来たにも関わらず、基礎事実確認を怠った。また、メール送信者の出自の確認を怠り、またメール内容が、本当にオルタナティブ通信の筆者について書かれた内容であるかどうかの事実確認も、フルフォード氏は怠っている。またメールに記載されていないネット捜査分析官という判断を、フルフォード氏は基礎データに基づかずに「創作」している。
以上から、フルフォード氏による、オルタナティブ通信の筆者に対するネット捜査分析官という断定は、100%捏造である、と断言出来る。
ここに明らかとなっているフルフォード氏の思考パターンは、
A、事実関係を調査せず、自分の陰謀論に都合の良い情報は、そのまま「ウノミ」にする。
B、「ウノミ」にされたニセ情報の上に、自分の空想により創造された情報が「尾ひれ」となって付加される。釣り上げられた20センチの魚は、いつの間にか体長2メートルの魚の話に「成長」している。この誇大妄想が、一部の陰謀論者がしばしば主張する、世界政府、イルミナティの陰謀、と言う物の「正体」である。
なお、筆者は、この文章を携帯電話で書いている。パソコンをネット接続するやり方が分からないので、パソコンはワープロとして使っている。パソコンをネット接続する方法が分からないネット捜査分析官が居るだろうか。
第三段階。
11月13日、ネット上の「太田龍の時事寸評」というブログで、「オルタナティブ通信の筆者がネット捜査分析官である」というフルフォード氏による捏造が引用された上で、「官という以上、世界政府により雇われた人物である」主旨の断定が行われている。
ネット捜査分析官という捏造は、フルフォード氏自身によって行われているにも関わらず、その捏造の上に立ち、「官という以上、世界政府に雇われた人物」という、さらに世界政府という過剰な断定、装飾が行われている。
さらに、この世界政府はイルミナティによりコントロールされている、と断定される。
存在しない自動車をコントロールし走らせて、東名高速道路を時速100キロで、快走するドライバーは有り得ない。快走自体、出来ないのだ。車の存在が捏造である以上、車の「ドライバー=コントロール主」という存在もまた捏造である事になる。捏造されたネット捜査分析官という物が元々存在しない以上、ここで語られている世界政府、イルミナティによる陰謀話も、捏造話という事になる。
捏造されたネット捜査分析官を、それが実在すると勝手に思い込み、さらにそれを支配する世界政府、イルミナティという装飾品が「考案」される。
一部の陰謀論者達が、様々な書物、DVDで主張してきた、世界政府、イルミナティによる陰謀という陰謀論の正体は、これである。
全ては、1〜3で提示した基礎事実の確認を怠る事、さらに事実確認のなされていない情報の上に、陰謀論者の空想の産物が二重三重に重ねられ、陰謀論者は、自分の空想の「構築物」を現実の物と勘違いし、誤認する。陰謀論者達は、現実世界を見ていない。自分の作りだした空想を見ている。
このような「空想的国際情勢分析」を信用し、政治に関わると、「自国を神国日本と勘違いし、戦略物資が欠乏していても、最後は神風が吹いて勝利する」と考え、日本が戦争に突入して行った、第二次世界大戦のような恐るべき誤ちが、再び繰り返される事になる。
※1・・拙稿「英国スパイの日本での暗躍」、「フォーブス・アジア支局は、どこへ行く」、「インチキ市民運動、サラバ」を参照。