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毎日【ブッシュ演説:「出口戦略」は先送り イラク安定見えず】
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070914k0000e030062000c.html
ブッシュ演説:「出口戦略」は先送り イラク安定見えず
13日、首都ワシントンのホワイトハウスからテレビ演説でイラク駐留米軍削減を発表するブッシュ米大統領=AP
【ワシントン笠原敏彦】「イラクでの成功は困難だが、達成可能だ」。ブッシュ米大統領は13日夜のイラク政策演説で増派作戦の「成功」を強調することで、本格的な出口戦略の論議は先送りした。しかし増派作戦の目的であるイラク国民融和を通した政治的安定を達成できる見通しは示せず、残り任期1年4カ月となったブッシュ大統領がイラク戦争を次期政権に引き継ごうとする姿勢が鮮明になった。
ブッシュ大統領はテレビ演説で、イラク政府が国内安定に向けた政治的指標を達成していないと指摘し、「イラク政府は決意を持って国民融和を達成しなければならない」と訴えた。開戦(03年3月)から5年目に入り、3700人を超える米兵の犠牲を払っても進展しない政治情勢へのいら立ちをあらわにした。
1月のイラク新政策に基づく3万人増派作戦が治安改善に貢献したとの主張に異論を唱えるのは、米国内でも少数派だ。増派の狙いは首都バグダッドの治安改善を図ること。内戦状態にあるイスラム教シーア派とスンニ派、クルド人の間で国民融和に向け政治対話を促進させることにあった。
ブッシュ大統領は新政策着手に際し、人事を大幅に刷新してイラク戦争に「新しい顔」を与えた。その筆頭格であるペトレアス駐留米軍司令官とクロッカー駐イラク大使は10〜11日の議会証言で増派作戦の治安面での「成果」を強調したが、政治面では「率直に言って(進展を測る)指標での迅速な進展は期待できない」(同大使)と認めざる得なかった。
「イラクが国民融和への困難な犠牲を払わないなら、米国はなぜ兵士を送り続けねばならないのか」(アイク・スケルトン下院軍事委員長、民主党)との疑問は強い。
ブッシュ大統領は国民融和に向けてマリキ・イラク政権を動かす有力な「テコ」を欠いたまま、国際テロ組織「アルカイダ」のイラク拠点化など早期撤退がもたらす「負の結果」を強調することで、戦争継続の必要性を訴えざるを得ないのが実態だ。
ブッシュ大統領は「増派」前に戻した後、基準兵力13万人の本格的削減問題は、ペトレアス司令官の勧告も受けて来年3月まで見送りたい意向だ。「イラクの成功は、私の任期を越えた米国の関与を必要とする」。大統領はイラク戦争を「最善の状態」で次期政権に引き継ぐことに軸足を移しつつあるとされる。
米議会調査局のケネス・カッツマン上級研究員(中東問題)は「ブッシュ政権中に駐留米軍の使命がアルカイダ掃討やイラク治安部隊の訓練などに限定され、7万人ぐらいまで削減される可能性はある」と指摘する。
毎日新聞 2007年9月14日 13時43分 (最終更新時間 9月14日 14時29分)
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