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□宗派対立で爆発寸前のレバノン情勢 よみがえる「内戦」の悪夢 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/article/detail/3059421/
宗派対立で爆発寸前のレバノン情勢 よみがえる「内戦」の悪夢
【アルジャジーラ特約2日】レバノンの治安維持を預かるアシュラフ・リフィ少将(治安軍司令官)は、爆発物と爆薬が毎日のように、国内のどこかで発見されるたびに、宗教対立で揺れるこの国の危うい治安状況に懸念を強める。
相次いで見つかる爆発物について、リフィ少将は「古いものと新しいものが入り交ざっている。所有者や仕掛けた者を調べているが、問題はこうした爆発物がどこにでも仕掛けられるということだ」と指摘する。
このためレバノンの治安当局にとり、現在の最優先事項は出来るだけ多くの爆弾とそれを仕掛けた者たちを見つけ出すことだ。
今年2月、首都ベイルートの北東部にあるキリスト教徒地区のビクファヤ近くで、乗り合いバス2台の車内に仕掛けられていた爆弾が爆発、乗客ら3人が死亡、約20人が負傷する事件が起きた。これを機に、キリスト教徒とイスラム教徒との間で緊張感が高まっている。
こうした爆弾テロ事件の発生と爆発物の発見により、レバノン国民は今、国内が1975―90年当時の「内戦」状態に戻るのではないかと不安を高めている。
モハンメドさん(25)はアルジャジーラの取材に対し、「店の前に持ち主が分からぬ車が止まっていたら、心配になり、駐車が長引けば、時には警察に通報することもある」と話した。
モハムードさん(52)も、「治安状態が悪いので、心配だ。だから、知らない者が袋や箱を店の前に置いていかないよう、いつも気をつけている」と語った。
政府と反政府陣営がいまだに和解できず、交渉が暗礁に乗り上げていることも、市民たちの心配の種を増やしている。
イスラム教シーア派勢力は政権内での発言力強化を求めているのに対し、シニオラ首相率いる政権与党側はこれらの要求をことごとく拒否している。
両派の相互非難が深刻化し、治安専門家らは両派が武器調達などを極秘に進めていると明かす。
政治評論家のナスリ・サエグ氏はアルジャジーラの取材に対し、「すべての政党が武器を所有している。一部の政党はこうした事態を警告しているが、政党による”武装”は公然の秘密だ。政府・反政府勢力協議の結果に満足しなければ、武器調達などの違法行為はさらに悪化するだろう」と分析している。
今年1月25日にはそうした懸念が現実のものとなった。両派の衝突が、イスラム教のスンニ、シーア両派の対立に変わった。15年間も続き、15万人の死者を出した「内戦」と似通った状況が生まれているという。
こうしたイスラム宗派対立に大きな懸念と危機感を抱いてい、動き出しているのが域内の大国、サウジアラビアとイランだ。
サウジアラビアとイランはそれぞれ、レバノン内のスンニ派、シーア派の後ろ盾となっている。このため両国は3日、サウジアラビアのリヤドで、レバノン危機の緩和に向けて話し合うことになっている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2007年03月05日17時44分